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外耳道真菌症


外耳道に、アスペルギルスなどの真菌が寄生し、かゆみや詰まった感じがする疾患

外耳道真菌(がいじどうしんきん)症とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの空洞である管腔(かんくう)、つまり外耳道の皮膚に、アスペルギルス、カンジダなどの真菌が寄生する疾患。

真菌はカビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称で、葉緑素を持たない真核生物であり、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。この真菌には、健康な人の体内に常にいるものや、空気中のあらゆる所に浮いている胞子が体内に入ってくるものなど、さまざまな種類があります。

外耳道真菌症は外耳道炎の一種で、多くの外耳道炎が耳かきなどで傷付けた外耳道の皮膚表面に細菌が寄生、繁殖して炎症が発生するのに対し、外耳道真菌症は傷付いた外耳道の皮膚表面に真菌が入り込んで寄生、繁殖するものです。

耳掃除のやりすぎ、強く耳掃除をする習慣、汚れた耳かきの使用、爪(つめ)による耳の穴のいじりすぎなどで皮膚に傷が付いた時点で、外耳道にある自浄作用がなくなると、外耳道湿疹(しっしん)、または細菌による外耳道炎を発症し、ここに真菌が入り込んで外耳道真菌症に進展するケースが少なくありません。

また、わずかな耳垂れ(耳漏)の出る慢性中耳炎、抗生剤やステロイド剤の長期投与、外耳道への水の侵入、中耳炎手術後に、外耳道真菌症が起こることもあります。

発症すると、白色、黒色、黄色、青緑色の膜状、または耳垢(みみあか)のような物質が外耳道に大量に、繰り返し付着し、時に、その表面が白色または黄色の粉を吹いたようになることがあります。これらの物質は、真菌が作る菌膜です。耳垢を除去すると、発赤、びらん、湿潤が現れます。

自覚症状としては、耳の中のかゆみが頑固に続き、耳の穴が詰まったように感じる耳閉塞(へいそく)感、耳内異物感がみられます。耳の痛み、耳垂れ、白・黒・黄色などの菌糸を含むフワフワ状の耳垢、外耳道の肥厚、外耳道の充血、難聴がみられることもあります。また、慢性中耳炎に併発する場合は、多量の耳垂れが出てくることもあります。

外耳道真菌症の検査と診断と治療

耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による診断では、耳鏡検査、検鏡を行うほか、真菌培養検査を実施し、寄生しているアスペルギルスなどの真菌の種類を確定します。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、刺激の少ない消毒薬で十分に真菌を清掃した後、抗真菌剤を患部に塗ります。同時に、ブロー液という薬で外耳道を一定時間満たす、耳浴と呼ばれる治療を行うこともあります。

真菌が原因のため、治療には1カ月から数カ月の通院が必要になります。症状が治まったと自己判断して、短期間で治療を中断した場合には再発につながりますから、こまめに通院することが必要です。

日常生活では、できるだけ患部を乾燥させるよう外耳道を湿らせないように努め、耳掃除などで再度外耳道に傷が付くと再発することがあるので、必要以上の耳掃除はやめます。耳かきにも真菌が付着している恐れがあり、使い回すと家族にも迷惑をかける恐れがあるので、思い当たる耳かきは捨てるようにします。

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