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好酸球性副鼻腔炎


血液中の白血球の一種である好酸球が活発になって、副鼻腔粘膜を破壊する疾患

好酸球性副鼻腔(ふくびくう)炎とは、血液中の白血球の一種である好酸球が活発になって、副鼻腔粘膜を破壊する難治性の副鼻腔炎。多くは喘息(ぜんそく)を合併します。

好酸球は、免疫にかかわる白血球の一種で、ある種の寄生虫に対して体を守る免疫機能を担い、アレルギー反応の制御を行う一方で、喘息、アレルギー性鼻炎などの疾患を引き起こす一因にもなる細胞です。副鼻腔は、鼻の周囲にあって骨で囲まれた空洞で、ほおの奥の上顎(じょうがく)洞、鼻の両わきの篩骨(しこつ)洞、まゆ毛の部分の前頭洞、篩骨洞の奥のほうの蝶形骨(ちょうけいこつ)洞の4種類があります。

好酸球性副鼻腔炎はまだ不明点が多い疾患ですが、難治性副鼻腔炎の多数を占めているといわれます。成人に多く発症し、約3万5000人から5万人の発症者がいるとされます。

ウイルス感染とそれに引き続く細菌感染で発症し、上顎洞の病変が中心となる一般的な副鼻腔炎と異なり、好酸球性副鼻腔炎では篩骨洞の病変が中心で、嗅覚(きゅうかく)障害が多くみられ、副鼻腔全体の病変がみられることも多くみられます。血液中の好酸球値が高く、気道や副鼻腔粘膜組織に好酸球の浸潤がみられます。

喘息の中で、引き金となるアレルゲン(抗原)が特定できない非アトピー性喘息、特にアスピリン喘息に合併することが多いものの、引き金となるアレルゲン(抗原)が特定できるアトピー性喘息にも合併するという報告もあります。非アトピー性喘息、特にアスピリン喘息では、鼻茸(はなたけ)、すなわち鼻ポリープが合併することが非常に多く、鼻茸のための鼻閉と、粘り気があって濃い鼻汁を示します。鼻茸の中にも好酸球の浸潤がみられます。

進行すると鼻の症状以外に、著しく好酸球が含まれた耳漏が出現します。好酸球性中耳炎という疾患ですが、難治性であり徐々に聴力障害が進行し、難聴から最終的に聾(ろう)に至ります。嗅覚障害も進行し、においが全くわからなくなることが多くみられます。

好酸球性副鼻腔炎の検査と診断と治療

耳鼻科の医師による診断では、鼻茸(鼻ポリープ)の多発、喘息の合併、早期の嗅覚障害の出現などの症状のほか、鼻汁細胞診による好酸球に富む粘性の鼻汁の確認、CT検査やMRI検査による画像所見の確認、あるいは病変の一部を採取して顕微鏡で調べる生検による気道や副鼻腔粘膜組織への好酸球浸潤の確認が行われます。

耳鼻科の医師による治療では、まず内視鏡手術によって鼻茸を除去し、鼻と副鼻腔内の通気性を確保した後、通院による保存的治療が必須となります。

通院治療では、経口および局所の副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を主体に、鼻と副鼻腔内の洗浄や、抗生剤(抗生物質)、抗アレルギー剤も併用されます。

手術することによって、鼻閉や鼻汁が少なくなり、喘息の症状も著しく改善するケースも少なくありませんが、手術後も風邪を引いたり、喫煙を継続していると鼻茸が再発する場合が多く、治療は長期化する傾向にあります。一般的な副鼻腔炎では95パーセント以上が改善しますが、好酸球性副鼻腔炎の場合は60パーセント程度になり、2~3年後には再発の可能性が高くなります。

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