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解離性混迷
解離性混迷とは、突然、意識がはっきりせず、もうろうとした状態になる体の機能障害。解離性障害の一種で、ヒステリー性混迷と呼ばれることもあります。
過去に虐待にあったり、心がひどく傷付けられたなどの心的外傷(トラウマ)があると、自分では意識していないような心理的ストレスが積み重なっており、過去の心的外傷の記憶が突然、かつ非常に鮮明に思い出されるフラッシュバックを契機として、心が無意識のうちに逃れようとします。
すると、体の機能には全く異常がないにもかかわらず、意識はあるがはっきりとせず、もうろうとした状態となって、長時間にわたってほとんど動かず、横たわったり、座ったりしている状態となります。外部からの接触や光、音などの刺激に対して、反応が鈍くなります。
症状が重くなると、外部から話し掛けたり、体を揺すったりと刺激を加えたとしても、反応しなくなってしまう場合があります。
この状態となっても筋緊張は正常なため、静止姿勢や呼吸機能は保持されたままとなっていますが、自分の意思によって体が動かせなくなります。症状が現れている間は、発語したり、眠ったり、食事を取ったりといった行動もできなくなります。
解離性混迷の発症により、意識が回復した後に精神的なダメージを受けてしまい、苦痛を味わうことになります。そして、解離性混迷を頻繁に発症してしまうことを気にしすぎてしまうことにより、うつ状態となってしまう恐れもあります。
解離性混迷を自分自身で解決することは、非常に困難です。周りの人の協力が必要となってきます。また、症状に気が付いたり、周りの人から指摘されたりした際には、直ちに精神科、神経科、心療内科を受診する必要があります。
精神科、神経科、心療内科の医師による診断では、症状を注意深く観察し、体を診察して、一般的な体の疾患を除外するための検査を行います。
精神科、神経科、心療内科の医師による治療では、症状が出現する背景となった心理的なストレスに焦点を当てた心理療法やカウンセリングを行います。
心理療法では、本人が無意識のうちに抑圧している心理的なストレスを明らかにする記憶想起法や、催眠療法、認知行動療法などを行い、発症者がストレス対処法を自ら身に着けていくことを目指します。
また、発症者の精神的な健康を回復させるために、抗うつ剤や精神安定剤が有効なこともあります。時には、家族などの協力も得ながら、生活上の問題の解決を支援し、現実生活への適応を促します。
解離性混迷の克服には、場合によっては非常に長い時間を要してしまうこともあります。しかし、正常な日常生活を送るためには、確実に努力して克服することが必要です。
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