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仮性小児コレラ
仮性小児コレラとは、米のとぎ汁のような白い水様便を頻繁に繰り返し、 激しい嘔吐(おうと)を伴う、乳幼児にみられる腸炎。別名は、乳児嘔吐下痢症、白色便性下痢症、ロタウイルス腸炎など。
冬季に気温が5℃以下になると、流行することがあります。オーストラリアのビショップが1975年に発見したロタウイルスの感染によるもので、コレラとは関係ありません。
発展途上国では乳児死亡の主な原因の一つに挙げられていますが、生後6カ月から2歳までの乳幼児が好発年齢であり、発症すると重症化しやすくなります。3カ月未満では母親からの免疫で守られ、3歳以上の年齢層では発症しても一般には軽症です。
症状としては、48時間未満と短い潜伏期間をへて、1日に数回から十数回の下痢が5~7日続き、酸っぱい臭いの、白い水様便が出ることが特徴です。目に見えるほど大量の血液や粘液が混じることはあまりありません。発症初期には嘔吐、吐き気を伴うのが普通ですが、通常、半日から1日で落ち着きます。軽い発熱と、せきを認めることもあります。
ロタウイルスは感染力が強く、下痢便中に大量に排出されるウイルスなので、便に触った手から、口に感染することがほとんどです。乳幼児の世話をする人は、便とオムツの取り扱いに注意が必要です。せっけんを使って十分に手洗いをし、漂白剤や70パーセントアルコールの消毒液で、オムツ交換の場所や周辺をふきましょう。
仮性小児コレラには特効薬はありませんが、現在はロタウイルスの抗原を検出する検査が簡単に行えるようになっています。小児科、内科の医師による治療では、嘔吐の時期には絶食、絶飲、吐き気が治まると、下痢による脱水症状を改善するための対症療法が用いられます。水分投与から始まり、徐々に増量し、さらに野菜スープなどへと進め、脱水と電解質の補給が行われます。
脱水症状の兆候としては、ぐったりしている、機嫌が悪い、顔色が悪く目がくぼんでいる、皮膚の張りがない、唇が乾燥しているなどが挙げられます。これらの脱水症状の兆候が見られたら、できるだけ速やかに医療機関を受診することが、体力のない乳幼児にとって大切なことです。
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