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混合性結合組織病(MCTD)

2つ以上の膠原病の症状が混合して現れる疾患

混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease: MCTD)とは、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎・多発性筋炎、強皮症などの膠原(こうげん)病の症状が少しずつ混在した疾患。関節リウマチの関節症状が現れることもあります。

性別では圧倒的に女性に多い疾患で、30〜40歳代の女性に多くみられます。1972年に米国のシャープらによって提唱された疾患概念で、日本では1993年から厚生労働省が特定疾患に指定していることもあり、MCTD診断名は広く用いられています。

他の膠原病と同様に混合性結合組織病の原因は不明ですが、自分の体の細胞核成分を攻撃する抗核抗体(自己抗体)の一つである、抗U1—RNP抗体の産生が関係していると考えられています。この抗核抗体の産生には、多くの遺伝的要因とウイルス感染などの環境因子が関与していると推定されています。

初発症状として、寒冷時や精神的に緊張した時に手指の皮膚が白色や青紫色になるレイノー現象、手指のはれ、手指の皮膚硬化、顔面紅斑(こうはん)、関節痛、筋力低下、筋肉痛、リンパ節のはれなど、さまざまな膠原病の症状がみられます。食道運動低下による嚥下(えんげ)困難、胸焼け、肺線維症(間質性肺炎)による空ぜき、息切れを認めることもあります。

そのほか、肺の血管の抵抗が強くなって心臓に負担がかかる肺高血圧症、顔の一部がピリピリする知覚障害がみられる三叉(さんさ)神経痛、胸や心臓に水がたまる胸膜炎、甲状腺(せん)のはれ、シェーグレン症候群を伴うこともあります。

混合性結合組織病の検査と診断と治療

混合性結合組織病の診断に必須なのは、血液検査を行って、抗核抗体の一つである抗U1—RNP抗体を調べることです。皮膚筋炎・多発性筋炎の合併例では、クレアチンキナーゼなどの筋由来の酵素の増加を認めるほか、筋電図が異常を示します。胸部X線検査では、約30パーセントの頻度で肺線維症を認めます。

原因が不明で、原因に基づく治療を行うことができない混合性結合組織病では、症状や重症度に応じて、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を中心とする薬物療法が基本となります。また、関節痛に対しては非ステロイド性消炎鎮痛剤が用いられます。レイノー現象に対しては、寒冷やストレスを避けるようにし、血管を広げて血行を促す血管拡張剤が用いられます。

予後は良好な疾患ですが、治療が難しい肺高血圧症の頻度がやや高く、死因の第1位となっているので注意を要します。肺高血圧に対しては、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、血管拡張剤、抗凝固剤などが用いて、症状の進行を遅らせます。

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