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気管支ぜんそく


●気管支ぜんそくとは

気管支ぜんそくとは、原因物質であるアレルゲンや個人の生活環境から生じる刺激物質などによって、気道が過敏に反応して内腔が狭くなった結果、突然、咳(せき)が出て、ゼーゼー、ヒューヒューといった音を伴う呼吸となり、息苦しくなる病気です。しかも、繰り返すことが特徴です。

 この病気の怖い点は、重症の発作を起こすと死亡するケースもあることです。年間の死亡者は、6000人前後を数えています。年齢別に見ると、男女とも15~29歳の若年層で増加の傾向を示しています。さらに、死亡例を気管支ぜんそくの重症度別に見た時、軽症、中等症の気管支ぜんそくでの増加が、小児、成人ともに指摘されています。

 小児の気管支ぜんそくが増加していることも、注目されています。また、以前は乳幼児の気管支喘息は比較的まれでしたが、最近では著しく増加しています。増加の原因として、さまざまな説がありますが、明確な答えが出ていないのが現状です。

●気管支ぜんそくの症状

 成人でも小児でも、生まれ付きアレルギー反応を起こしやすいアトピー素因がある人では、突然、出現する呼吸困難、息苦しさ、息を吐く時にゼーゼー、ヒューヒューといった音がする喘鳴(ぜんめい)、夜間、早朝で出現しやすい咳が繰り返し起こり、軽い場合は特別な治療もせずに治まってしまうことがあります。

春先とか秋口になると毎年、喘鳴や咳が見られ、1~2カ月続くという人もいれば、1年中発作が続く人もいるなど、繰り返すパターンは人によって異なります。

 気管支ぜんそくは多くの場合、アレルギー性の病気ですから、さまざまな病気を合併していることがあります。アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹(じんましん)などが、代表的な病気。

よく見られるものとして、運動誘発性ぜんそくがあります。運動をした直後に、ぜんそく発作を起こすタイプと、運動後6時間以上経って発作を起こすタイプがあります。特に、後者の診断には注意が必要です。

●気管支ぜんそくの予防法

  気管支ぜんそくの予防については、発病しないための一次予防と、すでにかかっている人の発作を防ぐ二次予防に大別できます。

発病に関係する因子と一次予防

気管支喘息の発病には、三つの因子がかかわっていると考えられます。

かかりやすくする因子:環境アレルゲンに反応しやすいアトピー体質があります。また、小児では女児より男児に多く見られます。成人では、男女に差がなくなります。

原因となる因子:ちり、ダニ、ペット、カビなどの室内アレルゲンや、花粉などの屋外アレルゲンがあります。特に小児では、室内のちり、ダニなどが多い環境で生活すると発病しやすいので、室内環境を整えなければなりません。また、職業によっては、頻繁に接する物質が発病の原因になることがあります。さらに、アスピリンなどの消炎鎮痛剤や着色料などの食品添加物が、原因になることもあります。

発病の可能性を高める因子:たばこの煙や花火の煙、線香の煙なども、気道粘膜を刺激します。光化学スモッグなどの大気汚染も、悪影響を及ぼしているのではないかと考えられています。また、新建材や接着剤などから放出される化学物質なども、悪影響があります。

その他、乳幼児期のウイルス呼吸器感染症や出生時体重、母乳栄養や出生後の食事、寄生虫感染などの関与も、無視できません。

遺伝子が関与する因子については予防できませんが、生活環境の整備は大切です。これを一次予防といいます。具体的には、下記のようなことが考えられます。

〇室内のちり、ダニをできる限り除去する

〇妊娠中の人や小児に受動喫煙させない

〇職場での感作(アレルギーの素地を作ること)を避けるための衛生対策を講じる

〇 妊娠中の栄養状態を良好に保ち、早産や出生児の低体重の原因を回避する

症状の悪化に関係する因子と二次予防

 すでに気管支ぜんそくを発病してしまっている人にとっては、薬によるコントロールとともに、発病の原因となった物質などを回避することが、何よりも重要となります。これを二次予防といいます。

 室内のちり、ダニの除去に努め、発病の原因となった物質や悪化させた因子を避けるようにして生活しましょう。

 ただし、例えば運動誘発性ぜんそくが起こったとしても、小児における運動は心身の発育に不可欠ですので、医師の指導に従って運動種目を選択し、時には予防のための薬を使用して、適切な運動をしましょう。

 また、悪化させた因子をすべて回避することは困難ですので、掛かり付けの医師や看護師、学校の先生などとよく相談して、望ましい環境を整えていきたいものです。 

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