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偽性アルドステロン症


副腎からアルドステロンが過剰に分泌されていないのに、高血圧、むくみ、カリウム喪失などの症状が現れる疾患

偽性アルドステロン症とは、血圧を上昇させるホルモンであるアルドステロン(鉱質コルチコイド)が副腎(ふくじん)から過剰に分泌されていないにもかかわらず、アルドステロンが過剰に分泌されているかのような高血圧、むくみ、筋肉の弱化、高ナトリウム血症、低カリウム血症などの症状が現れる疾患。偽アルドステロン症とも呼ばれます。

アルドステロンは副腎から分泌され、体内にナトリウム(塩分)と水をためこみ、尿の中へのカリウムの排出を促して、血圧を上昇させるホルモンです。このホルモンが過剰に分泌された結果、高血圧、むくみ、筋肉の弱化、ナトリウムの蓄積による高ナトリウム血症、カリウムの喪失による低カリウム血症などの症状を起こす疾患が、アルドステロン症と呼ばれています。

偽性アルドステロン症は、アルドステロンが過剰に分泌されて血中のアルドステロンが増えていないのに、アルドステロン症と同様の症状を示します。

主な症状は、体からカリウムが失われることによる筋肉の弱化により、手足の力が抜けたり弱くなったりする、体内にナトリウムと水がたまりすぎることで、むくみが起こり、血圧が上がるなどです。

これに次いで、筋肉痛、体のだるさ、手足のしびれ、こむら返り、まひ、頭痛、顔や手足のむくみ、のどの渇き、食欲の低下、動悸(どうき)、気分の悪さ、吐き気、嘔吐(おうと)などがあります。

症状が進むと、意識がなくなる、体を動かすと息苦しくなる、筋肉が壊れて歩いたり立ったりできなくなる、赤褐色の尿が出る、尿がたくさん出たり、出にくくなったりすることもあります。低カリウム血症によるインシュリン(インスリン)分泌不全により、糖尿病が悪化することもあります。

主な原因は、甘草(かんぞう)、あるいはその主成分であるグリチルリチンを含む医薬品の服用です。甘草やグリチルリチンは、漢方薬、風邪薬、解熱鎮痛剤、健胃薬、胃腸薬、婦人用薬、肝臓の病気の医薬品、口中清涼剤の仁丹(じんたん)などに含まれています。

甘草はマメ科の多年草で、根に配糖体の一種であるサポニンを含むため、古来から醤油(しょうゆ)などの調味料、菓子に用い、根や根茎を乾燥したものを薬に用いてきました。甘草の主成分であるグリチルリチンは腸内細菌によりグリチルリチン酸となり、強い抗炎症作用を示します。また、体内の水分を保つ働きもあります。

このような理由により、約7割の漢方薬に配合されており、甘草による偽性アルドステロン症は、漢方薬による副作用としては最も頻度が高いことで知られています。女性、高齢者、低身長・低体重など体表面積が小さい人に、とりわけ生じやすいとされています。

また、ほかの鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)作用を有する医薬品や、サイアザイド系(チアジド系)利尿薬、ループ利尿薬、薬局などで購入した一般用医薬品の服用が、偽性アルドステロン症の原因になることもあります。

さらに、リドル症候群、鉱質コルチコイド過剰症候群(AMA症候群)、先天性副腎皮質過形成など遺伝子の異常による疾患、DOC(11ーデオキシコルチコステロン )産生腫瘍(しゅよう)などが原因になることもあります。

偽性アルドステロン症の初期症状に気付きながらも放置し、起立困難、歩行困難になるなど重症化させてしまうケースが多いため、何らかの医薬品を服用していて初期症状が認められた場合には、内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科などを受診することが勧められます。数週間あるいは数年にわたって医薬品を服用してから、初めて症状が出る場合もあります。また、複数の医薬品の飲み合わせで起こる場合もあります。

受診する際には、服用した医薬品などの種類と量、どれくらいの期間にわたって服用したのかなどを伝えてください。その際、ほかの医療機関で処方された医薬品や、一般用医薬品などについても、服用しているものがあれば、伝えてください。

偽性アルドステロン症の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科などの医師による診断では、医薬品の服用に伴い、副腎皮質から分泌されるアルドステロン、および腎臓から分泌され血圧を上昇させるレニンの両ホルモンが低値を示すとともに、血圧上昇や低カリウム血症が生じ、これらが医薬品の服用中止により正常化した場合に、医薬品の副作用としての偽性アルドステロン症と確定します。

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科の医師による治療では、原因と推定される医薬品の服用を中止することが第一です。

甘草やグリチルリチンを含む医薬品を原因とするものでは、甘草含有物の摂取中止後、数週間の経過で多くは症状の消失と血清カリウムの上昇を認めます。

低カリウム血症に対してカリウム製剤を投与することも多いものの、尿中へのカリウム排出を増すばかりで、あまり効果がないとされます。抗アルドステロン薬でカリウム保持性の利尿薬であるスピロノラクトン(アルダクトン)の通常用量の投与が、有効です。

適切な対応が行われれば、偽性アルドステロン症の予後は良好です。

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