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若木骨折



成長途中の軟らかい子供の骨に強い力が一度にかかった際に、折れずに曲がったままになった状態

若木骨折とは、成長途中の軟らかい子供の骨に、強い力が一度にかかった際に折れずに曲がり、そのままになった状態。子供特有の不完全骨折の状態で、若木屈曲骨折とも呼ばれます。

幼少児の骨というのは、大人の骨に比べて、有機成分であるコラーゲンが豊富で、弾力性に富んで軟らかく、元々折れにくい特徴を持っています。従って、転倒や転落によって本来ならば骨が折れてしまうような無理な力が加わった際に、割りばしが完全に破断するようにポッキリと折れるのではなく、みずみずしい若木の枝を折り曲げたように、あるいは千歳飴(ちとせあめ)を折り曲げたように、 骨の一部に亀裂(きれつ)が入ってグニャリと変形します。

若木骨折は、外から見て、はっきり盛り上がるように曲がっているのがわかる場合も、微妙に曲がってわからない場合もあります。

症状の軽い場合、骨折直後にあまり痛みを感じません。骨折してから2、3日が経っても痛みが引かず、医師の診察を受けて骨折と診断されることがあります。

少しはれる程度で、触らなければ痛みを感じず、骨折だとわからないこともあります。特に、赤子や小さな幼児の場合、見た目の変形が感じられず、あまり痛がらないため、見過ごされてしまうこともあります。

なお、若木骨折は管状骨に屈曲力が作用して骨折を生じますが、同じ管状骨に長軸方向への圧迫力が作用した場合は、部分的に押しつぶされて、骨折部の外周が竹節(たけふし)のように膨隆します。このようなタイプの若木骨折は、竹節状骨折と呼ばれます。

若木骨折の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、骨の痛みがある部位と症状、受傷した時の状況、およびX線(レントゲン)検査で確定します。

軽度の場合、外見上のはれも少なく、痛みだけが手掛かりで、X線検査を行ってもほとんど異常を示さず判断が難しいこともありますが、骨折後1カ月程度で骨膜反応という骨折の修復により異常がわかります。骨シンチグラフィー検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査を行うと、骨折の初期の段階の病変でも判断することが可能です。

整形外科の医師による治療では、患部をギプスなどにより固定し、負荷がかからないようにします。

若木骨折は、成人の骨折に比べると早く治癒する特徴があります。患部を固定しておけば、多くの場合は数週間後に骨は真っすぐに戻ります。

場合によっては、麻酔をかけて骨の形を戻す手術を実施します。また、子供の骨の端には骨端(こったん)線という骨の成長に欠かせない重要な部位があり、ここに損傷を受けていた場合は、骨が変形して成長したり、成長が止まったりする場合があるので、きちんとギプス固定をしたり、手術をするなどの処置をします。

成長期の子供の骨折は治りが早く、骨折した部位を数年後にレントゲン検査してみても、骨折の跡がほとんどわからないくらい完全に治癒することも珍しくありません。ギプス固定を外した後のリハビリでも子供の回復は目覚ましく、一般的には関節が固まって動きが悪くなる拘縮を残すこともありません。

ただし、成長期にある子供では、成長が終了するまでしっかりと経過観察する必要があります。過成長といって、折れた骨が過度に成長して長くなってしまうことがあるからです。

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