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院内処方、院外処方



診察を受けた医師が処方せんを出し、病院、診療所などの医療機関内で調剤した薬を受け取る仕組みを院内処方といい、医師が出した処方せんを医療機関外の薬局に持参し、薬剤師が調剤した薬を受け取る仕組みのことを院外処方といいます。

この診察を受ける病院と薬(医療用医薬品)を受け取る薬局に分かれていることを、医療分業といいます。

院内処方は、薬局で薬が処方される院外処方と比べて手数料が不要なぶん、患者の負担金額が少なくてすみます。また、院外の薬局までの移動が不要、薬の変更があればすぐに対応してもらえるというメリットもあります。ただし、薬をもらうまでの時間が長かったり、医療機関に在庫のない薬は処方できなかったりといったデメリットもあります。

一方、院外処方は、処方された薬は正しいのか、薬の飲み合わせはどうかなどを医師と薬剤師の立場から二重にチェックしてもらえます。また、丁寧な服薬指導を受けられる、待ち時間が少ないといったメリットもあります。ただし、そのぶん医療機関内で調剤した薬より患者の負担金額が高くなったり、薬局へ行くまでの手間がかるといったデメリットもあります。

さらに、医薬分業が推進されてからの院外処方のメリットとして、患者が複数の病院や診療所から発行された処方せんを、同じ薬局で一元管理することが可能となったことが挙げられます。これによって患者の薬剤服用歴などを管理することが実現可能となっており、複数の医療機関にかかる場合などは、掛り付けの薬局を決めておくとメリットが享受できます。

2008年4月からは医師の許可がなくても、変更不可でない限り、患者の求めに応じて処方薬を薬剤師が選んだ後発医薬品(ジェネリック医薬品)に変えることができるように、処方せん様式が変更されました。これにより、患者が新薬(先発医薬品)と後発医薬品の選択がしやすくなっています。

2010年10月時点で、薬局は全国に約5万3000軒あります。2006年6月の医療法改正で、薬局は病院、診療所などと同じく医療提供施設として位置付けられ、医薬品の安全使用と管理のための体制整備が義務化されました。現在、病院などに通院する外来患者の半数以上が、薬局で医療用医薬品の調剤を受けています。

在宅患者向けに無菌室を備えた薬局も増えつつあるなど、調剤も幅が広がっています。薬局で相談に乗るだけでなく、通院困難な患者の自宅を訪問し、医師の指示により薬学的な指導や服薬についての説明を行うというケースが増加しています。

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