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異物誤吸入



気道内に異物が誤って吸入され、気道閉塞を起こす状態

異物誤吸入とは、肺に通じる空気の通り道である気道内に、いろいろな物質が進入して、気道異物として気道閉塞(へいそく)を起こす状態。ハイハイやつかまり立ちを始める6~11カ月の乳児を始めとして、1人で室内を移動できるようになる1歳前後以降の乳幼児に多く起こります。

飲み物や食べ物を飲み込む動作を嚥下(えんげ)といい、食道を通って胃に運ばれます。食道と太い気道である気管は隣り合わせで、気管の入り口である喉頭(こうとう)が大きく開いており、このままでは飲み物や食べ物が気管に入ってしまいます。それを防ぐために、フタの役目を持つ喉頭蓋(がい)という軟骨からなる部分が、嚥下の動作とともに気管の入り口をふさぎます。

大人でも、本来は胃の中に運ばれなければならない飲み物などが誤って気管内に進入する誤嚥を起こしますが、むせたり、せき込んだりして気管から吐き出そうとします。乳幼児では、せきの力が弱いため飲み物などが気管内に進入する誤嚥を起こしやすくなります。

異物の種類は豆類を中心とした食べ物が最も多いのですが、そのほか乳幼児の身の回りにある物はすべて気道異物の原因になる可能性があります。安静時でも起きますが、これらを口の中に入れて泣いたり、笑ったりした時などに、異物が肺に至る喉頭や、気管と気管支からなる下気道内に進入してしまいます。

異物誤吸入を起こしても症状に乏しくなかなか気付かれないものから、急激に呼吸が悪化し窒息となる場合もあり、さまざまな症状の出方をします。なかなか治らない喘息(ぜんそく)として治療されていて、検査してみて初めて異物誤吸入だとわかるといった長期の経過をたどるものもあります。

一般的には、誤嚥直後に乳幼児が突然激しくむせ込んだり、激しいせきをします。この時点で異物を出すことも多いのですが、せきの力が弱い乳幼児では下気道内に進入してしまうことがあります。

下気道内へ進入すると一時的に症状がなくなりますが、気道閉塞が起こるとヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)や、せき込み、呼吸困難の症状が現れてきます。ひどい場合は、窒息してしまうこともあります。

ピーナッツ、枝豆などの豆類では豆類に含まれる油分が化学炎症を起こすため、数日以内に肺炎を発症します。その他のビニール、プラスチック、シール、プラモデルの部品、魚の小骨、ボールペンのキャップ、乳歯、たんの塊などの異物でも、長期間、下気道内にあると細菌感染を起こしやすくなります。

異物誤吸入の検査と診断と治療

小児科、耳鼻咽喉(いんこう)科、呼吸器科の医師による診断では、受診するまでの経緯や、持続する呼吸器症状から異物誤吸入を疑います。胸部聴診を行うと、空気が入りにくい部分の呼吸音の低下や左右差が認められることがあります。

次に、胸のX線(レントゲン)検査を行い、異物がどこに詰まっているかを確認します。気道に入っているのか、食道に入っているのかは、側面の画像を撮るとわかることもあります。X線(レントゲン)検査で画像に映る物としては乳歯、ボタン型電池などの金属製製品があり、画像に映らない物としては食べ物、シールなどがあります。異物によって生じたX線(レントゲン)上の変化として、片側の肺が空気で膨らみすぎる過膨張や、肺がつぶれる無気肺などが認められることもあります。

異物誤吸入が疑われた場合は、内視鏡検査で直接、異物の観察も行います。喉頭異物の場合、喉頭ファイバースコープを用います。下気道異物の場合、全身麻酔を施した上で硬性気管支鏡あるいは気管支ファイバースコープを使って観察します。

小児科、耳鼻咽喉科、呼吸器科の医師による治療では、喉頭異物の場合、鉗子(かんし)で異物を摘出します。下気道異物の場合、全身麻酔をして硬性気管支鏡で異物を摘出しますが、異物が粉砕されてしまった場合は、異物を除去した後に気管内洗浄・吸引を行います。

異物の摘出後は、喉頭・下気道粘膜の浮腫(ふしゅ)などを予防するためにステロイド剤やエピネフリン(アドレナリンなどの吸入や、点滴によるステロイド剤投与を行う場合があります。異物を吸入した後、時間が経過し炎症が起きている場合には、ステロイド剤、抗菌剤を投与した後に、気管支鏡で異物を摘出します。

異物誤吸入の予防法としては、気道異物の原因としては豆類が大多数を占めるため、乳幼児にはこれらを与えないことが重要です。また、乳幼児は何でも口に入れてしまうものだという認識を持つことが重要です。日本人の3歳児の口の大きさから、38ミリ以下の物は誤嚥・誤飲の可能性があるといわれているので、このような大きさの物は日ごろから手の届かない所に置くということを、家庭内で習慣付けることも重要です。

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