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アルコール性ケトアシドーシス



アルコール摂取と飢餓状態に伴う合併症

アルコール性ケトアシドーシスとは、アルコール摂取および飢餓状態に伴う合併症で、血液中に過剰な酸が生じて嘔吐(おうと)や腹痛を起こす疾患。

多量飲酒は1日当たり日本酒3合以上が目安とされ、体重60キログラムの健康男子の1日のアルコール処理能力は、純アルコールで144ミリリットル、すなわち、日本酒で5合、ビールで大瓶5本です。これ以上をほぼ毎日飲み続けていると、常に体の中にアルコールが残っている状態になり、アルコール依存症になる危険性が大です。

このように多量飲酒を続ける人は、もともと食事をバランスよく摂取しない飲み方をする人が多く、しばしば大量飲酒後に嘔吐や下痢などの消化器症状を繰り返し、食事を摂取できなくなります。嘔吐と飢餓状態が1日以上続くと、肝臓に貯蔵されている糖分(ブドウ糖)が減少します。食べないことに加えて、ブドウ糖の貯蔵量が減少すると、低血糖が起こります。

低血糖になると、血糖値を一定に保つホルモンで、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの分泌量が減少します。インスリンが欠乏すると、ほとんどの細胞は血液中にあるブドウ糖からエネルギーを得ることができません。それでも細胞は生きるためにエネルギーが必要なので、エネルギーを得るために予備のメカニズムに切り替えます。

すると、脂肪細胞が分解され始め、脂肪酸からできるケトン体という代謝物質が産生されます。ケトン体は細胞にエネルギーを供給しますが、同時に血液を酸性化(ケトーシス)したり、ひどく酸性化(ケトアシドーシス)したりして、アルコール性ケトアシドーシスが発症します。

このアルコール性ケトアシドーシスは、糖尿病で発生するケトアシドーシスに似ていますが、糖尿病性ケトアシドーシスと異なり、血糖値は低くなります。

 アルコール性ケトアシドーシスの症状には、強いのどの渇き、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛があり、血液の酸性度を是正しようと、呼吸は深く速くなる傾向があります。意識の混濁や昏睡(こんすい)に陥るケースもあります。

アルコール性ケトアシドーシスの検査と診断と治療

内科、内分泌科、内分泌代謝内科の医師による診断では、特徴的な症状とアルコール乱用歴があることに加え、血液検査で血液中のケトン体と酸が増加しているものの血糖値が正常または低いことがわかれば、アルコール性ケトアシドーシスと判断します。

鑑別すべき疾患には、同様の症状がみられる急性膵炎、メタノール中毒、エチレングリコール中毒、糖尿病性ケトアシドーシス、飢餓性ケトアシドーシスがあります。

内科、内分泌科、内分泌代謝内科の医師による治療では、ビタミンB1(チアミン)を静脈内に投与し、その後に5%ブドウ糖含有生理食塩水を静脈に点滴します。初期の点滴には水溶性ビタミンおよびマグネシウムを追加し、必要に応じてカリウムを補充します。血液のひどい酸性化(ケトアシドーシス)と消化器症状は通常、迅速に反応して回復します。

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