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遺伝性非ポリポーシス大腸がん



遺伝性大腸がんの一つで、多種類のがんが発症する疾患

遺伝性非ポリポーシス大腸がんとは、大腸がんや子宮体がん、胃がん、腎盂(じんう)がん、尿管がんなど多種類のがんが異時性、あるいは同時性に発症する疾患。疾患を詳細に調査したアメリカの医師にちなんで、リンチ症候群とも呼ばれます。

この遺伝性非ポリポーシス大腸がんは、遺伝性大腸がんの一つです。遺伝性大腸がんは、血縁者の中にがんにかかる人が何人もおり、遺伝的な要因が強く影響して発症したと考えられる大腸がんです。

がんなどの腫瘍(しゅよう)は、遺伝的な要因である親から受け継いだ遺伝子の情報と、環境的な要因である食生活、生活習慣、生活環境などが関係し合って発症すると考えられています。大腸がん全体の約5〜10パーセントが、遺伝性大腸がんであると見なされています。

遺伝性大腸がんの一つである遺伝性非ポリポーシス大腸がんは、常染色体優性遺伝し、性別に関係なく、子供(次世代)に50パーセントの確率で遺伝します。その遺伝子の変異を持つ子供(次世代)では、約80パーセントが生涯の間に大腸がんを発症します。

大腸がん全体の約2〜5パーセントが、遺伝性非ポリポーシス大腸がんであると見なされ、最も頻度が高い遺伝性腫瘍の一つとされています。発症しても、大腸にはポリープがなかったり、少数だけあったりします。

原因としては、遺伝子を含むDNA(デオキシリボ核酸)が細胞分裂の際に複製される時に起きた間違いを見付けて、直すミスマッチ修復遺伝子(MSH2・MLH1・MSH6・PMS1・PMS2)の生殖細胞系列が変異し、その働きがうまく行われないことによります。

遺伝性非ポリポーシス大腸がんは、比較的若年の50歳未満で発症します。平均発症年齢は43歳〜45歳と考えられ、20歳未満での発症は比較的少数です。

遺伝性非ポリポーシス大腸がんの検査と診断と治療

消化器科などの医師による遺伝性非ポリポーシス大腸がんの診断では、ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の変異が決め手となります。採血を行い、血液から遺伝子を抽出して調べる遺伝子検査を行います。しかし、家族歴から強く遺伝性非ポリポーシス大腸がんが疑われる場合でも、必ず変異が見付かるわけではありません。

大腸がんや子宮体がんを若い年齢で発症する可能性が高いため、未発症で遺伝子変異を持つ人や、家系内でリスクが高いと考えられる人については、早い時期から大腸内視鏡検査や、婦人科の受診による定期的な検診を開始することが大切となります。また、胃がんや腎盂がん、尿管がんの検診も行います。

発症前の大腸全摘出術は一般に行われていませんが、大腸がんを発症した際には多発がんの発症を視野に入れ、大腸亜全摘出術を検討することもあります。

また、一度がんを発症して治療した後も定期検診(サーベイランス)を行い、新たに発症するかもしれないがんの早期発見に努める必要があります。

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