健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾


アルミニウム骨症



腎不全に伴ってアルミニウムが骨に沈着し、骨折を起こしやすくなる疾患

アルミニウム骨症とは、アルミニウムが骨に沈着して骨軟化症的な変化を生じ、骨折を起こしやすくなる疾患。

腎(じん)不全に伴って起こる特有な骨の障害である腎性骨症の一つに、相当します。

自然界ではアルミニウムはいろいろな化合物の形態になっており、鉱物や土壌、水、空気、植物、動物などに含まれています。そして、食べ物や飲み物、水や空気などを通して、人間は毎日アルミニウムを摂取しています。また、食品添加物や医薬品、飲料水の浄化剤などにも、アルミニウムは広く使用されています。

飲食物と一緒に体内に入ったアルミニウムは、約99パーセントが吸収されずにそのまま大便中に排出されることがわかっています。また、わずかに残ったぶんの大部分は腸管を通して吸収された後、腎臓を通って尿とともに排出されます。

腎臓の機能が極端に低下して、正常な体の調節機能が働かなくなった腎不全の状態になると、水道水など日常生活の飲食物、アルミニウム製剤(消化性潰瘍〔かいよう〕剤、制酸剤など)から体内に取り込まれたアルミニウムは、腎機能の廃絶に伴って腎臓から排出できないために、体内に蓄積します。

特に血液透析患者では、透析液中に含まれるアルミニウム、高リン血症に対するアルミニウム製剤(水酸化アルミニウムゲル)の投与、あるいは日常生活の飲食物から体内に取り込まれたアルミニウムが貯留し、アルミニウム中毒を招くことが、1970年代から知られていました。現在では、透析患者へのアルミニウム製剤の投与禁止、透析液にはアルミニウムを除去した逆浸透水を使用するなどの対策がとられ、アルミニウム中毒は激減しました。

アルミニウム中毒を起こし、体内に貯留したアルミニウムが骨に沈着すると、アルミニウム骨症となります。体内に貯留したアルミニウムが脳に沈着すると、アルミニウム脳症となります。

アルミニウム骨症では、骨のカルシウム沈着部位(石灰化前線)へのアルミニウムの蓄積により、骨の石灰化障害を生じます。この骨の形成に必要不可欠な石灰化障害の結果、骨組織の基質要素の1つである類骨量が増加した状態である高度の骨軟化症を招きます。

アルミニウム骨症を発症すると、体幹、膝(ひざ)や足などの四肢の広範囲に関節痛、骨痛がみられ、足腰の筋肉低下が起こり、歩行障害を引き起こします。骨折も起こしやすくなります。

アルミニウム骨症の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、アルミニウム、カルシウムなどの血液検査や骨X線検査を行います。

泌尿器科の医師による治療では、活性型ビタミンD3製剤の服用や、腎臓の機能低下時にアルミニウムを含んだ胃腸薬を避けることが有効です。活性型ビタミンD3を服用することは、骨の軟化による痛みや骨折を防ぐのに有効です。

骨に沈着したアルミニウムは、キレート剤(金属封鎖剤)の一つのデフェロキサミンを筋肉注射、または点滴静脈注射によって投与して除去します。

コンテンツのトップへ戻ります ページのトップへ戻ります ホームへ戻ります

健康実用辞典のトップへ戻ります ページのトップへ戻ります ホームへ戻ります


Copyright 2003〜 kenkosozojuku Japan, Inc. All rights reserved.