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ヒゼンダニに寄生されると、約1カ月の潜伏期間を経て、手指の間、陰部、腹部、わきの周囲など、顔と頭を除いた全身にかゆく、赤いブツブツした発疹(ほっしん)が現れます。特徴的なのは、疥癬トンネルと呼ばれる、細くて灰白色で長さ5ミリ~1センチくらいの発疹が手首や手指の間にできることです。疥癬トンネの中では、雌のヒゼンダニが産卵します。近年流行している疥癬では、この疥癬トンネルが認められるものが少なくなっています。
とてもかゆいのが症状の特徴で、入浴の後や運動の後など血行のよい時は、耐えられないほどのかゆみを伴うことがあります。一般的には、かゆみは夜間に最も強くなり、布団に入って体が温まると、激しいかゆみを覚えて不眠を来すこともあります。1度治って、2回目、3回目の再感染の場合には、比較的短期間で、かゆみを自覚することもあります。
まれに、基礎疾患があったりして全身状態のよくない場合には、ヒゼンダニが極めて多数増殖し、全身が赤くなったり、手足などの角質層に厚いガサガサした肌荒れのような発疹がみられます。これをノルウェー疥癬、ないし重症型疥癬と呼び、感染力が極めて強くなります。角質層の中には多数の虫体と虫卵(ちゅうらん)が含まれていて、ひどい時には100万~200万匹のヒゼンダニが寄生することになります。
…………………………【疥癬(かいせん)】
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