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●胸腔にたまる胸水
胸膜炎とは、肺臓を包んでいる二枚の膜である胸膜に炎症が起こり、胸水の量が増えて胸腔(きょうこう)にたまった状態です。別名、肋膜(ろくまく)炎。胸水がみられない乾性胸膜炎が起こる場合もありますが、胸水がみられる湿性胸膜炎の発症がほとんどを占めます。
二枚の胸膜は、左右の肺の表面を包む臓側(ぞうそく)胸膜と、胸壁、横隔膜(おうかくまく)、縦隔(じゅうかく)を包む壁側(へきそく)胸膜からなっています。臓側胸膜と壁側胸膜に囲まれた部分が、胸腔(胸膜腔)です。
健康な人でも、壁側胸膜から胸腔に向かって胸水が漏出しています。その量は1日に5〜10リットルといわれ、主に臓側胸膜から再吸収されるため胸腔に胸水が貯留することはありませんが、わずかに数ミリリットル程度が存在するといわれます。
胸膜炎によって胸腔に胸水が貯留すると、ほとんどの人は胸痛、背部痛を感じ、量が多くなると呼吸困難を起こします。また、原因によって差がありますが、発熱することが多く、咳(せき)、痰(たん)、血痰(けったん)、体重減少なども起こります。
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