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∥下半身の出物が発する健康情報(3)∥

∥オナラをチェックする∥

 

●放屁の効用で健康長寿が可能

 大便と同じ肛門からの出物に、オナラ、いわゆる放屁(ほうひ)がある。ことわざに「屁(へ)ひとつは薬千服に向こう」というが、オナラは健康に効果があるという意味であり、私がいう全身呼吸を行えば面白いように出るものである。

 そもそも、屁と長息とは相関関係にある。大きな深い全身呼吸をすれば、誰でも、体内の細胞や血液中の悪ガスが放屁となるのは、生理の原則である。私たち人間の体は、それほど見事にいらないものは捨て去る力を持っている。

 「百日の説法、屁一つ」などといって軽蔑し、「オナラをしては失礼だ」などという常識が災いして、意識をもってこれを止めてばかりいると、放屁という肉体本来の自然作用の恩恵にあずかれなくなる。

 現代人のように食事をとりすぎると、体内に不消化物が残って、不完全燃焼のために栄養にもならず、かえって濃厚なガスを発生するのが道理。体内にたまった有毒ガスを放出するオナラの効用は、もっと大きく認められてよい。

 日本人は屁を隠すが、外国人は生理現象として割り切り、人前でも平気でやりまくるともいう。屁は下品ではない。

 糞尿屁は自然作用で、正常人には当然なのである。論より証拠、真の長命者に聞くがよい。屁をよく出さないと健康長寿は保証しがたい。老人で屁をたくさんする人は、必ず長命である。

 アクビも居眠りもみな、自然作用の現れである。体の調子が兆候に現れたら注意が肝要。居眠りは睡眠不足、アクビは無理か倦怠かの原因、理由を知る機会になる。放屁にも、正常体からのと異常体からのものがあり、数と音と臭気とで調子とその内容がわかる。

 ある研究によれば、健康な人が一日にオナラをする量は二百~三千七百CC、回数にして八~二十回だというから、誰もが知らず知らずのうちに、オナラをしていることもありそうである。

 オナラの正体は、胃腸内にあるガス。正常な胃腸には、空腹時で百~百五十CCのガスが常に存在している。ガスが増えてくると、一部は腸管の毛細血管から吸収されるが、残りはオナラやゲップとして、体外に排出される。

 その腸内ガスは、どうして発生するのか。原因は二つで、一つは口からの空気の飲み込み、もう一つは小腸で消化されなかった食物が大腸で発酵、腐敗するためである。

 腸内ガスの主な成分は、窒素、水素、炭酸ガス、メタン、酸素などであり、そのうち最も多いのは窒素で、口から空気を飲み込んでしまうために増える。一般的には、腸内ガスの二十三~八十パーセントが、口から飲み込んで下まで通ってきてしまった窒素、すなわち空気なのである。

 食事を急いで食べたり、丸飲みにしたりすると、一緒に空気も飲み込んでしまいがち。炭酸飲料のかぶ飲みも同様だ。また、精神的な影響も強く、人によってはショックや興奮、怒りを覚えた時に、空気を飲み込んでしまう。

 窒素に次いでは、炭酸ガスが五~二十九パーセントといったあたりである。面白いのは、メタンと水素が含まれているから、オナラが燃えること。腸の手術をしようとして電気メスを使ったら、その火花がオナラに引火して爆発、手術する前に腸の一部をすっ飛ばした例が、いくつも報告されている。ただし、自分のオナラが燃える人は、三人に一人くらいしかいない。遺伝と生活環境の関係で、メタンを作らない家系、逆に大量に作る家系と、さまざまなためである。

●オナラの臭い時は体調に留意せよ

 さて、オナラの元になる食物は繊維質だ。小腸には繊維質を消化する酵素がないため、繊維質は大腸で腸内細菌によって発酵し、分解される。その際に、炭酸ガス、メタン、水素、酸素が発生する。

 といっても、繊維質によるガスと空気の飲み込みによる窒素は無臭で、このままならば、オナラは臭くも何ともない。臭くなるのは、ガス成分の一パーセントにもならないアンモニアや硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミン、揮発性脂肪酸などのガスが含まれている場合である。これら悪臭ガスは、蛋白質を分解する嫌気性菌や、大腸菌などの腐敗菌によって生み出されている。

 つまり、オナラというものは、人間だけでは作り出せないわけで、腸内細菌の仕業があずかっているのである。

 人間の腸内、特に大腸から直腸にかけてには、約百種類、百兆個の細菌が住み、常に増殖しているのであり、糞便の約三分の一から二分の一は細菌の固まりともいわれる。

 腸内細菌が住みついているメリットは、飼い主である人間にはほとんどない。せっかく消化液によって吸収しやすくした糖質、脂肪、蛋白質などを、勝手に分解してしまう。その過程では有害物質もできるが、ガスも生まれる。このガス成分の集まりがオナラというわけなのだ。だから、彼らがいなければ、オナラは出ない。

 何せ百種類もの菌が寄ってたかってガスを作るのだから、人間によって成分も違えば、においも異なる。また、同じ人間であっても、食べ物によって変化するなどということは、十分に経験済みのことであろう。

 とりわけ、胃腸の弱い人、あるいは体調を崩している人は、オナラが臭くなりやすい。蛋白質が小腸で消化されず、そのまま大腸に回り、そこで分解される際に腐敗し、アンモニアや硫化水素など臭い成分が発生するからである。

 オナラを減らすには、食事をよく噛んで、ゆっくりと食べ、一気に飲み込んだり、がぶ飲みは避けること。精神的な安定と肉体的な健康を保つために、規則正しい睡眠と休息をとることが大切である。

 しかしながら、オナラが出るのは健康な証拠として、むしろ歓迎すべきである。臭いオナラが出た場合だけは、消化不良を起こしている可能性が強いので、注意すること。

 スカンクまがいのすかしっぺをする人は、ガンになりやすい。体調不良か、食べすぎか、宿便か、運動不足か、いずれにしても血液がひどく濁り、酸性の強い証拠には違いない。

 放屁をどんどんやればガンにかからないし、自然作用に任せていれば、見事に面白いほどガスはできる。それだけ血液が浄化され、大腸でガス化されているということである。

 このガスをたくさん発生させて、この際オナラにして放出してしまわないと、何百CCものガスをしまっておいたのではたまらない。調子が悪くなってしまうから、このガスを出たとこ勝負で外部に出してしまわねばならない。

●自由自在に出すには全身呼吸に限る

 人前をはばかるエチケットの心配なら、トイレで思う存分やればいい。屁こそ健康の基。屁とも思わず、ひり出すがよい。ガンにかかりたくないのなら、うんと放屁することが最善。

 ちなみに、もしオナラを我慢したらどこへゆくだろうか。腸から血液へゆき、尿中に出る。窒素や水素は肺や皮膚から出る。当然、においはない。いくら我慢しても、幽門括約筋というガードのため、胃に出てしまうことはない。

 ともあれ、屁をこらえると腹が痛くなるのが常である。屁はとにかく、悪ガス、メタンガスのようなものに変わりはない。こんなスモッグを体内に温存していては体によくないことは、どんな素人にも否定できまい。

 昔、浜口雄幸首相が東京駅で右翼の凶弾に倒れ、手術の結果、ガス一発が出ぬために命を終わった話は有名である。まさに、百日の療養より屁一つが実際に勝敗を決する例であった。

 人間の腸の運動は、手術などで、周りの臓器が安静を必要とする時、あまり激しくないほうがよいわけである。腸は多くの臓器とさまざまな促進、抑制の反射を持っているが、例えば膀胱や腹膜との間にも、このような反射がある。

 虫垂炎などで腸を手術した時は、腸の運動は起こらなくなる。ところが、手術がうまくいって、感染も腹膜炎もないことがわかると、腹膜と結腸を結ぶ抑制反射などがなくなってきて、腸は徐々に運動を始める。

 すると、大腸が動き出し、これとともに、オナラが出たりする。腸の手術の時、オナラが出たといって皆が喜ぶのは、順調に回復している証拠だからである。

 日常、この放屁を自由自在にするためには、全身呼吸をするに限る。精神が落ち着かない時に、全身呼吸をして放屁をすれば、必ず心身ともにしゃんとして、商談が成功するという体験者もいるくらい、空気の呼吸とガスの放出のご利益は多大である。

 ヨガの秘伝のうちで、空腹を直すのに空気を胃に吸い込む方法がある。空気の中には「気」、プラナがある。呼吸を肺で行わず大腸で行え。口で吸って屁に出せ。古来、真人はかかとで息をするといったのは、こういうことである。

 人間の生理は、新陳代謝の連続である。呼吸の役割は、新鮮な酸素および宇宙の「気」を自由自在に受け入れて、それと引き替えに老廃物を確実に放出することにある。呼吸作用は同時に、血液の浄化作用をもつかさどる。

 私は、上からの呼吸と、下への排気ガスをもっと奨励したい。全身呼吸という、上下両半身を一貫、連係して、全身全霊をもって徹底的に行う呼吸法では、排便、排ガスも見事に調整され、肉体内部は完全に生理作用化されて、健全体となる。

 そこで、毎日何回でも、体の力を抜いて、大きく息を吐き、伸び、アクビをして、自然作用、自然機能の回復をはかろう。体の圧力をゼロにすれば、面白いほど放屁ができ、一日が二日に使えるだろう。

 また、もっと水をたくさん飲めば、ガスは自然に分解されて、放屁一発とともに体の圧力が雲散霧消することも、付け加えておきたい。

 屁は生理的現象である。本来、屁には何の悪気もないばかりか、人間の生理の違和を浄化して下された神の恩顧である。

 屁は恥ずかしいものではない。神が身代わりとなって、人間生理のスモッグをすり替えて下されたものである。

 屁よ、よくぞ、お出まし下された。屁よありがとう。もう一発、屁よお出まし下さい。屁よありがとう、だ。 

 体の調子がよいと、思わず冗談も出る。ユーモアも出る。顔もほころび、心が温かく、愛も情も豊かになるので、自然と人格も高まってくる。

 

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