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∥周囲と調和できる人格をつくる∥

 

●人脈を広げるには自分を高める必要がある

 読書とともに、サラリーマンなどが投資しておくべきことは、自分を高めてくれる人脈作りである。

 人脈がなぜ大切かというと、よい人と付き合えば、自分の器量を大きくしてくれるし、自分の能力を何倍かに高めてくれるからである。

 人間一人の能力は限られている。人脈を広げて、いろいろな人とつながりを結んでいれば情報は入るし、その人のコネクションでいろいろな人も紹介してもらえる。問題解決のための知恵も貸してくれる。人脈をどれだけ持っているかは、その人の能力でもあるわけだ。

 ただ、編集子のいう人脈とは単に、友人や知己が多いというのとは違う。その友人や知己がどれだけ自分にとって啓発的であり、自分に力を貸してくれる人たちであるかということである。

 会社に長く勤めている人なら、社内や取引先にたくさんの仲間や友人ができる。ところが、ポストが換わったり、転職したり、退職してしまうと、この社内人脈はあらかた消滅する運命にある。だから、会社関係の人脈ははかないことを承知しておくべきだろう。遊び仲間というのも、遊び以外は役に立たない場合が多い。

 一方、長い人生の範囲で考え、会社の軸とは関係ない人脈を作っておけば、そのネットワークは自分個人に帰属するから、転職しようと、退職しようと永続する。

 学生時代の親友などは、苦楽をともにした過去を共有しているので心が結び合っているのに比べて、学校を卒業すると、なかなか純粋な友を作る機会がないものだ。社会に出てからは、特に意識的に努力して、そういう友人、知己を作っていくことが大切になる。

 そこで、社会人が人脈を広げるためには、自分を高めることが必要となる。人間というものは大概、横並びに集まるもので、同じ程度の相互扶助能力のある人が集まる。

 従って、自分の人間の幅が大きくなったぶん、それなりの人と付き合うことができるようになるというものだ。

 あなたの人柄がよく、相互扶助能力があれば、黙っていても人はあなたの評判を聞いて近づいてくる。また、いろいろな人が喜んで、他の人を紹介してくれるものだ。

 結局、人脈を広げようとする人間は、周囲と調和できる人格を持っていなければならないことになる。周りから信頼もされず、反感を持たれている人物には、誰も近づいてくるものではないだろう。

 人間というものは、周囲と調和できるのが自然で、調和できないのは自意識が強すぎ、我が強すぎるからだ。本当に自己を生かす者は、我が強くては駄目である。

 我の強い者は依怙地(いこじ)である。他と調和するには、我に執着しすぎる。自分を生かすためには他をやっつけることを辞さない。素直になり切れない。自分さえよければいいは、実は一番自分のためにならないのだが、今の時代では、引っ込んでばかりいると生活ができない。どうしても、がむしゃらにならないと生きてゆけない面がある。

 例えば、朝夕の満員電車に乗り込むようなもので、他人に譲ってばかりいては、自分の約束も守れない。自分の義務も果たせないということになる。どうしてもある程度は、他人を押しのけて、自分を生かす必要がある。

 だから、この世に生きてゆくには、時に我の強い者が、得をするのは事実で、人がよすぎては、社会的敗残者になってしまう場合もある。他人に譲ってばかりいては生活できないから、適当な我がなければならない。

●周囲と調和できる人格を持つことについて

 しかし、我が弱すぎるのも困るが、強すぎるのも困る。当人も困るが、周囲がなお困る。そして、はたから反感を持たれ、ついひねくれることになる。

 何事も程度問題だが、我が強すぎて、他のことはわからないという人がある。そこまでゆかない人でも、自力ばかりを頼って、自分の世界に入り込んで、他の世界を拒絶する傾向の人がいる。

 自分の自力で、何でも解決できると思う。その結果、自力以外を信ぜず、他人の他力の世界を認めなくなる。

 ともかく、人間は自力だけでは救われないもので、人間が自己を救おうと思うには、他力によらなければならないのだ。

 一番簡単な他力である他人の助力についてみても、他人から嫌われる人、信用されない人、愛想をつかされる人などは、幸福にはなれない。その反対に、多くの人から愛されることは幸せであり、生きる喜びを得る。

 やはり、人間はともに生き、ともに生かし合うことが必要なのである。

 一例を挙げれば、あの太陽が燃えているのは、太陽自体が燃えているのではなく、周囲の作用で水素の核融合反応を起こして、燃焼しているのである。宇宙に存在するすべてのものは、何一つ独立し、孤立して存在しているものではなく、互いに相関し、助け合って全宇宙の中のものとして、宇宙と一体で現象しているのである。

 ここに示した宇宙の全体性原理は、そのまま世の中の動きも、互いに相関し合っているもので、その相関する力なしには、存在も現象もあり得ないものだ、ということである。

 人間は各人別々、互いにバラバラに、自分と他と区別するが、区別は同時に関係ということであるから、世の中一般は、この関係を生かし、ともに生きること、互いに生かし合うことが、宇宙の原理に従うわけである。

 宇宙には、何一つ同じものはなく、人間にしても決して同じ人間は二人といないのである。

 人間にはすべて、長所があり、短所のあるもので、すべてが性格を異にしているが、実は、人間相互の長短と差異が、お互いに引き合う力となるのである。このことをお互いに心して、生かし合いたいものである。

 「彼はエゴイストだ」、「彼女は利己主義者だ」といって他人に嫌われ、愛想をつかされたならば、自分が損するにちがいない。物質的にも、精神的にも、他人に嫌われて得をするわけはない。

 しかし、そんなことを考える余裕もないほど、利欲心の強い人が存在する。そういう人が不幸になる時、自業自得といわれるのも致し方ないところである。

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●楽しい気性を養ってつながる人間関係

 自己性が強いと、それはみな欲になってしまう。悠々として、自然作用的な「気」を豊かにして生きていけば、好き嫌いや疎むということもない。いかなることがあっても、人と人との和を欠くようなことはない。

 人間は、動物や植物に対しても、何となく気に入らぬ、気に食わぬということがある。気に入って、好きでたまらなくなることもある。

 同じ人間に対しても、気に入る、何となく気に掛かる、そして気が合う、気遣うなど、人間関係のジョイントとしての「気」の効用をいう言葉を使う。反対に、はじめからどうも気が合わぬ、気が染まぬ、気兼ねするなどということもあって、出雲の神の気をもませることもある。

 すべては普遍的な「気」の働きなのであって、宇宙の森羅万象とも「気」によってつながっているのである。「気」でつながるとは、肉体でこそ知り得る味で、自己意識の強い人には、この味は体得できない。

 人間は生まれてから死ぬまで、「気」のお世話になっているのに、その醍醐味(だいごみ)に気づかずにいる人は不幸である。

 人間は本来、おのおの「気」でつながるべきもの。「気」を働かせるコツは、相手が黙っていてもその「気」を察し、「気」を合わせて、相手の望むように振る舞うことである。

 ところが、現代人は「気」でなしに物でつながる。金でつながる。権力でつながる。趣味でつながるのは、まだしも上等の部類に入れねばならない。

 口先では「気が合う」などといっても、その「気」と称するものが多分に意識的な、社交辞令的なものであることも多い。何よりも「気」というものについての認識が欠如しているから、聞きかじりの言葉として使われているような気味合いもある。

 人間の内なる世界と、外なる自然との統合はもとより、肉体と精神との根源的統一も、「気」が存在するからこそ可能なのである。

 人間の腹には、宇宙から吸収された「気」がプールされている無意識層がある。昔から臍下丹田を気海というが、活力の源泉はすべて、そこから湧き出すものである。胸中に「気」を集めず、丹田に「気」を集めるよう心掛ければ、自然に「気」が養われてくる。

 そして、この「気」の流れ、「気」の交換というものは、肉体の健康、家庭生活、社会生活の中で最も大きな価値を持っているものである。

 人脈を広げようとする人間ならば、「気分のいい人」とか、「気性がいい人」だとかというように、人は天候、気候と同じように気性に支配されることが大きいから、楽しい気性を養わなくてはいけない。楽しい気性を養えば、人のよいところが見えてくる。

 世に、君子に対するに、小人という言葉を使う。君子とは人のよいところのみを見る人、小人とは人の悪いところのみを見る人だともいう。やはり我々は普通、人を悪く見ることのほうが多くて、よいところというのはなかなか見えないものだから、日頃の心得、人格修養のポイントと考えてもいいのではないか。

 いい人と付き合う、あるいはすべての人のいいところのみ見ていくということを、今後の指針としていく人は、おのずと人脈も広がっていくはずである。

 人脈が広がり、異質の人を受け入れた場合、そのぶん失敗や回り道や空振りも多いことだろう。しかしながら、失敗とか回り道、空振りとかいうのも、長い目で見ると、案外そうでないことが多い。その時にできた友人、知己や温めた知識、経験が、後で役に立って生きてくることがあるのである。

 

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