自らの体と心と病を知り/自らの健康を創る/健康創造塾//人体 人体 人体 人体 人体

∥全身の出物が発する健康情報(4)∥

∥体の凝りをチェックする∥

 

●内臓の悲鳴が体の凝りに現れる

 さて、心のストレスが頭皮の異常なフケになって現れるように、人間の内臓のストレスが皮膚などいろいろなところに、出物、腫れ物となって姿を現すこともある。

 朝、起きて鏡に向かったら、何だかまぶたがはれぼったい。これは、単なるものもらいのこともあるが、場合によっては心臓病や腎臓病の可能性もある。目ではほかに、白目に黄色っぽい症状がある場合は、黄疸(おうだん)が疑われる内臓疾患である。

 口から強い口臭が出ていたら胃腸病や肝臓病、舌が鮮明な赤だったり、深い赤だったら肝臓病や糖尿病、舌苔(ぜったい)が黄色かったら消化機能の低下が考えられる。

 肌にしみやそばかすが増えた場合は、肝臓や腎臓の機能低下。肌の見た目はきれいだが、かゆい場合は、糖尿病や肝臓病。爪(つめ)が丸みを帯びた太鼓バチ状になっていたら、心臓の異常。半月が消えたら、肝硬変。それらに注意したいし、手のひらを見て親指、小指の付け根の赤みが強い際は肝炎、肝硬変が疑われる。

 このように、私たちの体は、内臓の悲鳴、内臓疾患の兆候を移す鏡である。もちろん、今、挙げた症状が、内臓以外の他の原因によるものだということもある。だが、ちょっとした異変が起きたら、それを見逃さないことが大切なのであり、迷わず病院にいって診察を受けることをお勧めする。

 人間の体の凝りというものも、体の内部から発せられる出物情報の一つに挙げてよいと思う。

 現代人の体はみな凝っている。疲れ切っている。四十歳くらいまでは無理もきくが、内臓の悲鳴が首や肩や背中の凝りとなって現れている場合もあるから、この無理が人生の後半になって、成人病として一度に現れかねないのである。

 そこで、人体の首の凝りについて、その影響と解消法を述べておく。

 この人間にとって重大な急所である首について、平素、世間では案外なおざりにしているが、実は、人間が生きてゆくためにも、意識的働きの上にも首筋は大きな役目をしている。喜怒哀楽、緊張弛緩などに首筋の働きは大きい。

 人体において首ほど前後、左右、上下、自由自在に曲がるところはなく、馬や牛やイノシシなどと比較して、同じ脊椎(せきつい)動物の中でも霊長類や鳥類などは、天地創造神に、大いに感謝しなければならない。

 人間の首が、自由に動くのは、首の両脇の筋肉が強いからで、その上、どんなショックでも緩和してくれている。といっても、自動車の追突とか、断崖からの転落などのように、受け切れないショックを受けた場合には、致命傷となるのもやむを得ないこと。

 首筋の左右には、大動脈があり、強力な筋肉が重い頭を支えているので強く堅そうであるが、実は意外に弱いところである。人間の急所中の急所は、心臓と首である。

 例えば、首筋が柔らかく自由に働かぬと、唾液ホルモンの分泌に影響が起こる。口が渇く。特に首の病気というものはなくとも、首の不調からくる人間性の低下は意外に大きいものがある。

 首筋が凝ると頭は重く、何か圧迫感を常に受ける。肩凝りの人は、首筋から和らげることが肝心である。頭の重い人、目のかすむ人など多くはここに起因する。首筋が凝るのは、「俺が俺が」という自我意識の強い人に多い。絶えず我意、我執が強く胸内圧が高いから肩に力が入り、自然と首が凝るようになるのだ。

 胃が悪くても首筋が凝る。背中が疲れると首筋が凝る。首筋を凝らせないように、いたわりながら日数をかけて気長に、根気よく、柔らかく、軽くもみほぐすならば、ムチウチ症などもいつか治る。この時、精神が安定しないと、もんでも治らない。

 首筋は微妙な急所であり、細胞も神経も血管も、繊細にして巧妙に働いているところだから、ちょっと寝違えただけでも、ひどく不自由をするもの。寝ていて首筋の張るのは、脳と内臓に欠陥のある証拠、寝違いは、機械的な違和からきたものである。

 一日に何回でも、気がついた時に、フッと息を吐き、胸圧を抜き肩の力を落とすと、首に詰まっていた力が抜けてくつろげる。首筋を和らげるには力はいらぬ。むしろ、力を抜くこと。そのためには、下半身に力を入れること。それは呼吸法のコツでもある。

 もみほぐして首を和らげる場合には、指圧をするほど強く圧してはいけない。肩や、背中の疲れが首にくる。首に響く筋肉を、その線でほぐすのがよい。

 また、右か左かが、凝りすぎている時、悪いほうを一度に治そうとせず、反対側をまず和らげることを忘れてはならない。

 後頭部や前顔部、喉、胸などのもみほぐしも柔らかく、ゆっくり時間をかけてやること。頭を指圧する時も乱暴に扱ってはならない。コメカミも首につながるツボである。

 首の手入れは軽くてよいから自分でできる。入浴後に欠かさずやるとなおよい。慢性肩凝り症は、首筋を和らげることを繰り返せば、いつの間にか自然にいえる。

 誰もが割合に気づかぬところに、首筋をはじめ身体各部の凝りという健康上の大問題がある。体の凝りや疲れをとることこそ大切。

 

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