リウマチ/四百四病の事典

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∥四百四病の事典∥


●リウマチ●



●慢性関節リウマチとは?

【リウマチとは違うのか?】

 あなたは、「リウマチ」という言葉をよく耳にしませんか? 手足の関節が腫れあがり、「リウマチで辛くて…」と訴えている人が身近におられるのではないでしょうか?

 本来、リウマチという言葉はギリシャ語で「流れ」を意味し、この病気が「悪い液が脳から流れて、関節や体の各部分に痛みや腫れを起こす」と考えられていたためです。

 一般的にリウマチという時は、「慢性関節リウマチ」を指します。全身の関節の痛みや腫れを伴う病気を「リウマチ性疾患」といい、全身性エリテマトーデスや全身性進行性硬化症や皮膚筋炎などの膠原病や、脊椎関節症、骨関節症などが挙げられます。その中で、リウマチ性疾患の代表的な病気が「慢性関節リウマチ」です。

【慢性関節リウマチとは?】

 慢性関節リウマチとは、手足を始めとする全身の関節に激しい痛みや腫れを起こす病気です。医学の発展した現在でも原因は不明のため、完治することは難しく、進行すると関節が変形して日常生活にも支障をきたすことがあります。

 さらに、心臓や消化器などで血管炎を起こしたり、心筋梗塞や重い肺炎を引き起こすような「悪性関節リウマチ」へ進展することもあります。悪性関節リウマチは厚生労働省の「特定疾患治療研究事業対象疾患」、いわゆる原因が不明で治療法が確立されていない難病に指定されており、医療費の自己負担分について公的な補助を受けることができます。 

●慢性関節リウマチに関するデータ 

 慢性関節リウマチの患者さんは、毎年約1万5000人が発症し現在の日本で約70万人、人口の約0.6%に当たると推定されています。

 男女比は、女性が男性の4倍以上。女性に多い病気なのです。

 発病する年齢の傾向は30~50歳の働き盛りの年代であるため、症状が重い場合は日常生活に支障をきたすなど、患者さんにとって精神的にも、経済的にも大きな負担となっています。 

●慢性関節リウマチの原因

 前述したように、慢性関節リウマチの原因は現在も解明されていませんが、本来は自分の体を守るべき「免疫」機能に異常が起こり、誤って自分の体を攻撃してしまうことから起こると考えられています。

 免疫機能に異常を起こす要因としては、慢性関節リウマチになりやすい体質(遺伝的な素因)であることや、ウイルスや細菌の感染の関与が考えられています。

●どんな症状が現われるのか? 

【関節に起こる症状】

 慢性関節リウマチは、滑膜に炎症が起こり慢性化していく病気ですが、まず初めに手足の指や手首に痛みと腫れが起こることが典型的な症状といわれています。慢性化して進行すると、四肢の大きな関節が腫れてくるようになります。 

 関節の痛みや腫れは、初めに1、2個所の関節が同時に腫れ、左右の同じ場所が腫れることも特徴的です。

 腫れている部分は、滑膜の炎症が起こっているために関節液の分泌が増え、水が溜まったような状態になります。その部分は柔らかく、強く圧迫すると痛みがあります。タオルを絞ったりしても痛く、時には何の動作もしていないのに激しい痛みを感じることもあります。

 また、体を動かし始める際にこわばりが強く、動かしにくく感じられます。特に朝起きた際によくみられるので「朝のこわばり」と呼ばれています。曲げ伸ばしをしているとこわばりは解消されますが、炎症が重い時には、こわばりが一日中続くこともあります。

 関節の痛みや腫れは放置しておくと次第に炎症が重くなり、関節軟骨の破壊から骨の破壊まで進み、関節の脱臼などによって関節の変形が始まります。そうなると、痛みが激しく曲げ伸ばしも不自由になるため、筋肉を縮めたり延ばしたりする働きも衰えて、よりいっそう関節が動かなくなって変形の度合いが強くなります。 

 関節の変形には慢性関節リウマチ特有のものが、いくつかあります。ものは、

「尺側偏位(しゃくそくへんい)」・・・手指の付け根から小指側に曲がる変形。

「スワンネック変形」・・・白鳥の首のように曲がる変形。

「ヒッチハイカー変形」・・・親指がヒッチハイクするときに合図する指の形に曲がる変形。など。

 足の関節でも同様の変形が起こります。歩く時に体重を支えクッションの役目をしている土踏まずのアーチがつぶれたり、歩行困難になる重大な変形もみられます。 

【関節以外に起こる症状】

 慢性関節リウマチは関節で起こるだけでなく、全身的な症状が現われる場合もあります。脱力感、疲れやすさ、体重減少、貧血などが代表的です。

 また、「リウマチ結節」といって皮膚の下にすぐ骨があるような肘関節の外側や後頭部などに“こぶ状”の固まりができることもあります。

 重症の場合には、血管の壁に炎症が起こる「血管炎」によって皮膚潰瘍、神経炎などがみられます。

●慢性関節リウマチの検査と診断 

【検 査】

 慢性関節リウマチの検査のおもなものには、「リウマトイド因子(RF)」「血沈」「CRP」「MRI」があります。 

○リウマトイド因子(RF)

 リウマトイド因子は、体の防御反応としてつくられた免疫グロブリンに対する自己抗体で、血清中のリウマトイド因子の有無を調べます。慢性関節リウマチ患者で陽性を示すのは約80%陽性ですが、肝硬変でも約50%が陽性を示すといわれており、かならずしも陽性だからといって慢性関節リウマチとはいえないので注意が必要とされています。 

○血沈

 赤血球の沈降速度を測ることで、炎症の強さを調べます。通常は1時間に10mm以下ですが、慢性関節リウマチの場合40~100mmの異常値を示します。 

○CRP(C-反応性タンパク)

 血清中にタンパク質の一種が増えているかを測定することで、炎症の度合いを調べます。陽性で増えている場合は慢性関節リウマチが疑われます。 

○MRI(核磁気共鳴撮像法)

 初期の関節の異常を発見するにはMRIによる画像診断が有効です。 

【診 断】

 慢性関節リウマチの診断基準として、アメリカリウマチ協会(ARA)(現 アメリカリウマチ学会(ACR))の「ACR改訂診断基準」が用いられています。 

 

■■慢性関節リウマチの診断基準(ACR)■■

(1)1時間以上続く朝のこわばり(主に手指)

(2)3個所以上の関節の腫れ

(3)手の関節(手関節、中手指節関節、近位指節関節)の腫れ

(4)対称性の関節(左右同じ関節)の腫れ

(5)手のエックス線写真の異常所見

(6)皮下結節

(7)血液検査でリウマチ反応が陽性

 上記の(1)から(7)のうち、4項目以上を満たせば、慢性関節リウマチと診断される。

 ただし、(1)から(4)までは、6週間以上持続することが必要。

  

 この診断基準や検査の結果、問診、全身症状の観察などから慢性関節リウマチを診断します。

 また、進行度を表す基準については、アメリカのスタインブロッカーによる「進行度の病気分類」と「日常動作における機能分類」があります。 

●慢性関節リウマチの治療

 原因がまだ解明されていない慢性関節リウマチは、完治させるための治療は難しく、現在は症状を軽減したり、進行を防ぐことに重点が置かれています。とくに関節の痛みや腫れを放置することは、関節の変形を引き起こすことにもなるので、早期にしっかりと治療することが大切です。

【病気を理解し、前向きに治療に取り組む】

 慢性関節リウマチは原因が不明の病気ですが、恐れずに前向きに病気と付き合うことが肝心です。わずかな変化を見逃さないことが進行を防ぎ、症状の軽減にもつながります。

【安静と運動】

 関節の痛みや腫れがひどい炎症の激しいときに体を動かすことは、炎症を助長させることになります。炎症が激しいときには安静が第一です。

 痛みや腫れがひどくなく、炎症もおさまっているときには、運動機能訓練を行います。筋肉は使わないと筋力がどんどん低下し、日常生活を不自由なく過ごすことが難しくなることもあります。プールでの水中運動訓練をはじめ、無理のない運動で筋力を高めます。

【薬物療法】

 病気への理解、安静と運動と同時に、関節の痛みや炎症を抑えるために「非ステロイド性抗炎症薬」や「副腎皮質ステロイド剤」などを用います。その他、「抗リウマチ薬」で炎症を抑えます。また、抗リウマチ薬が効かない場合は、「免疫抑制薬」を用いる場合があります。

【外科的手術療法】

 滑膜の炎症が激しい場合には滑膜切除術が行われ、関節の骨が破壊されてしまった場合には人工関節置換術などが行われます。

【理学療法】

 関節の痛みを和らげ、筋肉の緊張をとるための「温熱療法」、関節の動かせる範囲をゆっくりと十分に伸ばし、筋力を強化する「関節可動域体操」と「筋力強化」や関節の変形予防やすでに変形していても残った機能を支えるための「補助具」などがあります。

 

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