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∥四百四病の事典∥


●味覚障害

■突然の味覚障害にご用心■

 「近頃、何を食べても、おいしく感じられない……」。もしかして、味覚障害の始まりかもしれません。

 「食べ物の味がわからない」、「味の感じ方がおかしい」などの症状が、味覚障害です。味の感覚は加齢に伴って自然に減退しますが、最近では高齢者のみでなく、若い世代にも味覚障害を訴える人が増え、年間24万人が新たに味覚障害になっている、と推定されています。 

 この味覚障害の多くは、舌の表面にあって、味を感じるセンサーである味蕾(みらい)の働きが衰えるために、起こると考えられています。味蕾は、活発に新陳代謝を行う多数の味細胞からなっています。その新陳代謝には、亜鉛を始めとしたミネラルが必要不可欠となります。

 ところが、下記に述べるさまざまな原因によって、私たちの体内で亜鉛などが不足すると、うまく味蕾を再生できなくなってしまいます。3~6カ月が、味蕾の再生のリミットと見なされています。長期間、放置すれば、味蕾の数が減り、味覚が戻らなくなってしまいます。 

■味覚障害の原因をチェック■

●亜鉛の欠乏

 血液検査で「亜鉛欠乏症」と診断された場合だけでなく、原因が特定できない特発性の味覚障害でも、多くは潜在的に亜鉛が欠乏していると見なされます。つまり、血液検査では正常でも、実際には体内に亜鉛が足りていない状態なのです。

 亜鉛は、味蕾の再生だけでなく、味を感じ取る脳や神経の再生にも、必要不可欠なものです。 

●舌の乾燥や炎症

 歯の疾患で物をよく噛めなくなると、唾液(だえき)の分泌が少なくなる結果、舌が乾燥して味蕾の数が減少します。また、唾液が少ないと、味蕾に味が伝わりにくくなります。自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群にかかった場合も、口が乾いてしまいます。

 やけどや咬み傷、あるいは口の中を不潔にしていることにより、味細胞付近に炎症を起こし、味覚障害になる場合もあります。

●全身疾患

 全身疾患、すなわち糖尿病や肝臓障害、腎臓障害などが原因となって、味覚障害が発症することもあります。突然、味覚に異常を感じたなら、このような重大な病気が隠れている場合もありますので、注意が必要となります。

●心因性

 神経症や鬱(うつ)病など、心理的な要因から味覚障害が発症する場合は、「朝方だけ、味覚の具合が悪い」という症状がしばしば見られます。

●薬剤性

 抗生物質や抗がん剤などの薬剤には、亜鉛の吸収をブロックするものがあります。この場合、薬剤を変えることで、症状を改善できるケースもあります。

 精神科で処方された薬によって、脳の味を感じ取る部分が刺激され、口の中に何も入っていないのに味を感じる、といったケースも、時にあるようです。

■対策へのアドバイス■ 

●バランスのよい食事を

 加工食品や清涼飲料水に含まれる食品添加物は、亜鉛を始めとしたミネラルの吸収を妨げますので、控えめにしましょう。

 亜鉛を多く含む代表的な食材といえば、ゴマ。特に黒ゴマは栄養価が高いので、すりつぶしてご飯に振り掛けるとよいでしょう。その他、亜鉛を多く含む食材としては、カキやアカガイなどの貝類や、カニ、レバー、海藻類などがあります。

 また、アワ、キビ、ヒエなどの雑穀にも、多くの亜鉛などのミネラルが含まれています。雑穀を主食にするなら、よく研ぎ、30分は水にさらすことです。白米と半々で炊くのがお勧めで、その場合は別々に研ぎ、水気を切ってから混ぜ合わせて、炊く際にひとつまみの塩を加えましょう。

 味蕾を形成する味細胞の新陳代謝には、鉄分、ビタミンB12、ビタミンB2、蛋白質も不可欠となります。先にも挙げたレバーは亜鉛に加えて、鉄分なども豊富に含んでいますので、お勧めの食材です。

 逆に、過度のダイエットは、栄養バランスが崩れるので禁物。また、近年は土壌からミネラル分が減ったために、野菜からミネラルを摂取しにくくなっている、と考えられています。

●口の中の疾患を治す

 口の中を清潔にするように心掛け、歯の疾患があれば治療をしましょう。舌苔(ぜったい)を取る舌ブラシを使う場合、味細胞の多い舌のへりは避けて、舌の中央部だけ、こするようにしましょう。やりすぎると舌を傷付けるので、注意を。

●禁煙を実行する

 たばこの喫煙者と非喫煙者で、味覚の感度を比較検査すると、明らかに喫煙者のほうが悪くなっています。

 味覚障害が気になる人は、ぜひ禁煙を。

●早めの対策が大事

 人間がストレスを感じると、体内では亜鉛を始めとして、さまざまなミネラルが消費されます。ぜひ、ストレスをためない工夫をしたいものです。

 そして、味覚障害では、早めの治療が大切なので、変調が2週間以上続いたら、耳鼻咽喉科へ出向くべきです。自己判断して亜鉛のサプリメントを取ると、原因となる病気が隠れてしまうケースもありますので、まずは検査を受けましょう。

 

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