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∥四百四病の事典∥


ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSS症候群)

■広い範囲の皮膚が赤くはれ、表皮がむける疾患

 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは、細菌である黄色ブドウ球菌が産生する毒素が血流を介して全身の皮膚に達し、熱傷のように広い範囲の表皮がむける疾患。SSS症候群とも、SSSSとも呼ばれます。

 とびひ(伝染性膿痂疹)も、同じ毒素によって発症しますが、皮膚の一部に水膨れを生じるものです。

 多くは、10歳以下の幼児、特に小学校に入る前の乳幼児に、秋から冬にかけて発症します。成人にはほとんどみられないものの、非常に全身状態の悪い人では発症することもあるといわれています。

 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、風邪のような症状で始まって37~38度の微熱があり、目や鼻、口の回りに赤みが現れます。1、2日中に赤み部分がびらんし、黄色のかさぶたが付着します。目やにがみられ、口の回りのかさぶたに放射状の亀裂(きれつ)がみられるのが、特徴です。

 次いで、首、わきの下、鼠径(そけい)部などに、赤みと容易に破れる大きな水膨れができます。接触痛を伴うため、発症した乳幼児は体に触れられたり、抱いたりされることを嫌がるようになります。

 半数弱では、赤みが現れた部位を指でこすると、表皮がずるりと容易にむけ、赤くただれた真皮が現れます。新生児、乳児では、全身の皮膚が真っ赤になることもあります。口の中や陰部などの粘膜は、侵されません。のどは赤くはれ、首のリンパ節がはれます。

約 10日後に全身の赤みは消失し、首より手足に向かって皮膚がむけ始め、3~4週で治癒します。経過中に、脱水、食欲不振など全身症状がみられることもあります。

 生後1カ月以内の新生児がブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群を発症した時には、リッター新生児剥脱(はくだつ)性皮膚炎とも呼ばれ、重症です。脱水症状、敗血症を起こすこともあります。

 原因は、のどや鼻の中などに感染した黄色ブドウ球菌が増殖し、産生する表皮剥離性毒素(エクスフォリアチン)が血流を介して全身に送られ、広い範囲の表皮に熱傷様の剥離を起こすことにあります。多くのケースで、ウイルス性上気道炎が引き金になります。

■ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の検査と診断と治療

 乳幼児に発熱があり、顔、首、わきの下、またなどが突然赤くなって痛がり、また不機嫌となれば、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群が疑われます。特に、新生児、乳児では重症になりやすいので、直ちに皮膚科専門医を受診します。

 医師による検査では、全身投与する抗生物質の感受性を知るために、原因となる黄色ブドウ球菌の培養を目やに、のど、鼻水などから行います。黄色ブドウ球菌は遺伝子の違いにより、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)に分けられます。皮膚にできた水膨れの中には、原因菌はいません。

 血液検査では、白血球が増え、CRP(C反応性たんぱく物質)も高くなります。

 診断は、皮膚の状態などから比較的簡単です。

 治療では、黄色ブドウ球菌によく効く抗生物質を内服するか、点滴注射をします。投薬後5~6日で、皮膚は赤みが減り、痛みも楽になります。次に、皮膚が乾燥してきて、全身の皮が細かくむけ始め、10日ないし2週間ほどで軽快します。

 新生児、乳児では重症になることが多いため、原則として入院した上で全身管理を行い、必要に応じて水分を補給する点滴をします。

 皮膚が乾いてガサガサになり皮がむけてくると、皮膚に亀裂が入って痛みが出ることがあるので、適切な保湿用軟こうを塗ります。また、解熱したらシャワー、入浴などで皮膚を清潔にします。

 

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