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∥四百四病の事典∥
白血球増加症とは、骨髄は正常にもかかわらず、白血球が異常に増加する疾患。未熟な白血病細胞が骨髄の中で異常に増殖する白血病以外の疾患に起因したり、はっきりとした原因が見当たらないものが相当します。
白血球は、体内に進入した細菌や異物を取り込んで、消化分解し、体を守っています。健康な人の血液には、1立方ミリメートル中に4000〜9000個の白血球、平均して7000個くらいの白血球が含まれていますが、個人差が大きく、また同一人でも測定条件いかんによってかなり変動します。このために、はっきりした数を挙げるのは難しいのですが、1万個以上あれば一応、白血球増加症と見なされます。
白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類の細胞があり、そのどれかが増えれば白血球全体として増加することになります。なお、白血病では、正常には存在しない種類の白血球が出現し、白血球増加症が起きます。
最もしばしば起こるのは、好中球増加による白血球増加症。局所的な化膿(かのう)や、全身性の細菌感染症、がん、心筋梗塞(こうそく)、やけど、手術などに際してみられます。虫垂炎の診断では白血球数を調べますが、この時に増加しているのは好中球です。副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬などの薬剤で、好中球が増えることもあります。
好酸球増加は、ぜんそくやじんましん、そのほかの皮膚症状を起こすアレルギー疾患、寄生虫感染症、ホジキン病など、さまざまな原因で起こります。元来、好酸球の数は少ないために、白血球数全体に影響を及ぼすほど著しい増加を来すことは、あまりありません。
好塩基球増加、単球増加に至っては、いっそうまれです。単球が増えても普通、明らかな白血球増加症を引き起こすには至りません。
リンパ球増加は、百日ぜきやウイルス性感染症などで好中球が減った際に、見掛けの上で生じるにすぎません。絶対数は正常にとどまることが多く、リンパ球が増加したための白血球増加症は、まれといってよいでしょう。
白血球増加を指摘された場合、感染症や炎症性疾患、アレルギーなどの原因がはっきりしていれば、それぞれの担当科で原因疾患の治療を行います。原因疾患がはっきりしていない場合は、白血病などの重い疾患である可能性もあるため、血液内科への受診が必要です。
治療は、いずれも原因となっている疾患を治療することで、白血球の数も正常に戻ります。
しかし、健康でも基準値から外れる人もあり、白血球数が多いことが必ずしも異常でないこともあります。また、運動、寒冷、精神的ストレス、妊娠などにより、白血球が増えることもあります。
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