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∥四百四病の事典∥


膀胱炎

●女性に多い膀胱の炎症

 膀胱(ぼうこう)炎とは、膀胱内の粘膜に炎症が起こる疾患です。女性に多いのが特徴で、特に妊娠可能な年齢で多発しますが、男性にも起こります。細菌の感染による急性膀胱炎がすぐに治るのに対して、慢性膀胱炎は完治が難しいといえます。

 急性膀胱炎の場合、症状は急激ながら経過は短く、泌尿器科の疾患では最も普通にみられます。原因の大部分は細菌感染で、大腸菌が最も多く、ブドウ球菌、連鎖(状)球菌などによることもあります。

 感染経路としては、尿道からの細菌の侵入が最も多く、腎(じん)臓からの感染、周囲の臓器からの感染もあります。この疾患が女性に多発する理由として、尿道が男性に比べて短いために細菌が尿道に入りやすいこと、細菌のいる腟(ちつ)や肛門と尿道との距離が近いことなどが挙げられます。

 膀胱は細菌に対して抵抗力があるので、単に細菌が侵入してきただけでは炎症は起こりにくいのですが、体力の低下、尿の停滞、排尿の我慢のしすぎ、便秘、不潔な性交、妊娠、冷えなどが誘因になって発症します。

 男性では、膀胱炎は女性ほど一般的ではありません。男性はまず尿道が感染し、その感染が前立腺(ぜんりつせん)から、膀胱に広がって発症します。

 症状としてみられるのは、頻尿、残尿感、尿の出が悪い、排尿時の痛み、尿の濁りが特徴。発熱はほとんどみられません。

 医師による治療では、原因菌に有効な抗生物質、抗菌剤が投与されます。一般に女性では、合併症が起こっていなければ、2~3日で症状は軽快します。感染が長引く際には、抗生物質を7~10日間服用します。男性では投与期間が短いと再発を繰り返すため、一般に抗生物質を10~14日間服用します。

 男女とも、水分の摂取を多くして尿量を増やし、細菌を洗い流すほか、尿の刺激性を低下させて症状を和らげます。症状の強い際は、十分な休息、睡眠を確保するようにします。

●慢性膀胱炎と間質性膀胱炎

 慢性膀胱炎の場合、症状は比較的軽く、ほとんど自覚しないこともあります。尿検査で偶然に発見されることが、普通です。膀胱に腫瘍(しゅよう)、結石があったり、結核、前立腺、腎臓の病気などが膀胱炎の陰に隠れている際に、慢性化しやすいものです。

 治療では、抗生物質や抗菌剤が2~4週間、使用されます。原因疾患がある際には、そちらを治療しない限り、完治しません。特に原因疾患もなく、症状のほとんどない際は、経過観察となることもあります。

 また、間質(かんしつ)性膀胱炎という特殊な膀胱炎が近年、増加しています。感染症がみられなくても膀胱が炎症を起こす疾患で、痛みを伴う頻尿などの症状があります。顕微鏡で検査すると、尿中に膿(うみ)や血液が認められ、尿に血が混じっているのが肉眼で見えることもあります。

 中年女性に多くみられ、男性がかかることはめったにありません。欧米では以前から割合多くみられていて、いくつかの病因による症候群と見なされていますが、いまだ治療法は確立されていません。

 長期に渡る慢性的な炎症によって膀胱は委縮し、重症の場合は外科手術による膀胱の除去が必要になることも、まれにあります。小腸の一部である回腸を使って代用膀胱を作るか、腎臓にチューブを直接挿入し、体の外に装着した袋に尿を排出することになります。

 

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