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∥四百四病の事典∥


大腿骨頭壊死

■血液供給が断たれて、大腿骨の頭の部分が壊死

 大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)とは、大腿骨の頭の部分への血液供給が断たれて、骨頭の一部、あるいは大部分が生命力を失う疾患。  

 原因不明で起こるものを突発性大腿骨頭壊死といいます。これに対して、もとに何か疾患、あるいは疾患的状態があるために、大腿骨頭壊死を来す場合もあります。例えば、老人によく起こる大腿骨頸部(けいぶ)骨折では、大腿骨頭に栄養を送っている血管が骨折を起こした際に損傷され、後に大腿骨頭壊死を生じます。

 突発性大腿骨頭壊死は、30〜40歳代の成人、しかも男性に多く起こり、アルコール愛飲者や副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の投与を受けた人に多くみられます。原因は完全には明確になっていませんが、大量のアルコール飲酒による肝臓障害が骨まで侵す危険性があることは否定できませんし、副腎皮質ホルモンの投与については、期間の長さより1日の投与量の多さが原因となりやすいことがわかってきています。

 しばしば、股(こ)関節、大腿、ひざにかけての痛みが、突発的に起こります。多くのものは安静にしていれば2〜3週間で軽快しますが、次第に運動時にも安静時にも、痛みが持続して起こってくるようになります。

 片側に発症すると、約半分くらいの割合で1年くらいのうちに、反対側にも骨頭壊死が生じてきます。

 X線写真を撮ると、疾患の初期には骨頭輪郭の不整や、骨陰影の濃い部分の存在などの変化にすぎませんが、次第に進行すると、骨濃厚部が陥没して関節面が不整となります。

 さらに経過すると、大腿骨頭変形に基づく変形性股関節症を合併します。

■大腿骨頭壊死の検査と診断と治療

 大腿骨頭壊死の診断には、単純X線撮影、骨シンチグラム、CT、MRIなどの検査が用いられます。早期に確実な診断ができるのはMRIで、骨シンチグラムなどと併用して確実な診断が下されます。

 骨頭の変形が軽度で進行が遅いような場合は、つえの使用、体重のコントロール、筋力トレーニング、長距離歩行の制限、重量物の運搬禁止などでカバーすることができます。痛みに対しては、鎮痛消炎剤の服用で対処します。つえを使うことには最初は抵抗があるかもしれませんが、痛みを軽減するには有効です。また、つえの正しい使い方、筋肉トレーニングの方法は、整形外科医やリハビリの専門医から指導を受けます。

 しかしながら、これらの保存的治療では症状の進行防止は大きく期待できないため、進行が予想される場合は手術が行われます。骨頭壊死がそれほど進行していないものに対しては、骨頭を温存して荷重部を変えることを目的とした骨切り術を行って、陥没を防止します。骨切り術としては、前方回転骨切り術、後方回転骨切り術、内反骨切り術、骨移植術などがありますが、骨移植術はあまり行われません。

 最も多く行われている前方回転骨切り術は、骨頭を一度切り離して前方へ回転させ、壊死している部分を前のほうへ持っていく手術。壊死は骨頭の前方の部分に発生しやすいため、後方の正常な部分を一番上に回してきて、体重を受け止めるという方法です。切り離した骨頭は約10cmのボルトで固定し、数年後に骨が完全に結合していることを確認して、ボルトを抜き取ります。使用する金具類はチタン合金製で、体内に長期間入れておいても体への影響はほとんどありません。

 壊死範囲が広いものや、すでに骨頭変形が進行したものに対しては、人工骨頭や関節置換を行わざるを得ません。関節置換では、全関節を人工関節に置き換えます。

 この疾患の好発年齢が30〜40歳代と、人工骨頭や関節置換の適応年齢よりもかなり低いために、長期間に渡って挿入された場合、緩みや摩耗などの問題が生じます。近年、人工骨頭自体の構造も改良され、摩擦による骨の障害をできるだけ少なくする工夫もされています。

 

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