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∥四百四病の事典∥


逆さまつげ



■まつげが内側に向き、眼球表面に触れている状態

 逆さまつげとは、本来は外向きに生えているまつげが内向きに生えて、眼球の表面に触れている状態。まつげが角膜を刺激するため、目やにや涙が多くなり、目が充血します。

 目の縁に沿って生えているまつげは、いわば目の門番。目にゴミや虫などが入ろうとすると、すぐに察知して、まぶたを閉じさせます。そのまつ毛が角膜側を向く原因には、まぶた自体が内向きにまくれ込んでいる眼瞼(がんけん)内反と、まぶたには問題はなく、毛根からのまつ毛の生え方がいびつで角膜側を向く睫毛乱生(しょうもうらんせい)とがあります。

 眼瞼内反には、先天性のものと加齢性(老人性)のものが多く、いずれもまぶたの皮膚や皮下脂肪の過剰やたるみ、皮下の筋肉の筋力低下などによるものです。 

 先天性の眼瞼内反で、まぶたの内反の程度が軽く、皮膚などが過剰なため、まつ毛全体の生える方向全体が内向きである場合、特に睫毛内反と呼ぶことがあります。乳幼児、若年者に多くみられるのが、睫毛内反の特徴です。

 乳幼児の場合まぶたの特に下まぶたの脂肪が過剰なためにふっくらとしていて、まぶた自体が内側を向いているもので、小学校入学時までにその脂肪も成人とほぼ同じになり、自然にまぶたが外側を向いてきて、ほとんどの場合、自然に治癒します。

 高齢者に多い加齢性(老人性)の眼瞼内反では、皮下脂肪が少なくなって、上まぶたがやせてたるんでくるために、まつげが内反することもよくあります。加齢によって涙の分泌も減っているため、目の症状が出やすいのが特徴です。

 また、これらのほかに、炎症などの結果、まぶたが変形して起こる瘢痕(はんこん)性の逆さまつげや、まぶたがけいれんして起こる逆さまつげなどもあります。いずれも、一並びのまつ毛全体が角膜側を向くので、多くのまつ毛が角膜に当たることになります。

 一方、睫毛乱生は眼瞼縁炎など、まつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、角膜に当たるまつ毛の数は1本のみの場合から多数の場合までいろいろです。

 症状としては、幼児ではまばたきが多くて、目をよくこすったり、光をまぶしがったり、目やにや涙が多くなったり、目が充血したりします。生後間もない乳児では、まつげが細く軟らかいため、症状はあまり出てきません。小児、成人では、幼児の症状に加え、異物感、痛みなどが生じます。成長するとまつげが硬くなるため、角膜の傷がひどくなり、角膜が混濁して視力が低下してくる場合もあります。

■逆さまつげの検査と診断と治療

 涙や目やにが多いなど同様の症状でも、結膜炎、眼瞼縁炎などの場合もあるので、早めに専門医を受診して、原因をはっきりさせることが大切です。

 眼科外来での診察では、まぶたの形状、まつ毛が角膜に接触していること、角膜の傷の程度などを診断します。常時まつ毛が角膜に接触している場合のほかに、眼球運動やまばたきの強さ次第で、まつ毛が角膜に接触する場合があります。

 先天性の眼瞼内反、睫毛内反の場合、成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、それまでは抗生物質入りの点眼液や眼軟膏(なんこう)を用いて眼球を保護し、様子をみるのが普通です。

 2歳以上で治らない場合、さらなる成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では手術を考えます。4~5歳になっても症状が軽減しない時などは、手術をします。

 加齢性の眼瞼内反では、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、再びまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。また、抜くにしても、一並びのまつ毛全体を抜く苦痛も決して軽くはありません。手術して治すほうが効果的です。

 睫毛乱生でも、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、まつ毛が生えるとやはり同じことの繰り返しです。抜く本数が少なくても、繰り返せば炎症を引き起こしたり、さらに太いまつ毛が生えてくる場合もあります。

 きっちり治すには手術が必要で、まつ毛の毛根を電気の針で焼く睫毛電気分解や冷凍凝固、あるいは眼瞼内反手術に準じた手術などが行われます。簡単には治らない場合もあります。 

 

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