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∥四百四病の事典∥


子宮内膜炎

■細菌の感染で炎症が起きる疾患

 子宮内膜炎とは、子宮に何らかの原因で細菌が入り、子宮内腔(ないくう)を覆う子宮内膜に炎症を起こす疾患。子宮内膜症とは異なる疾患です。

 急性子宮内膜炎と慢性子宮内膜炎とに分類できます。急性子宮内膜炎は、子宮内膜の機能層に感染が起こるもので、月経の際に機能層がはがれることにより、侵入した細菌も体外に排出されて、自然に治ることもあります。

 慢性子宮内膜炎は、子宮内膜の基底層まで感染が波及しているもので、月経の際に基底層が排出されないため、感染は慢性化します。基底層に残る細菌は、再生されてくる機能層で再度、感染します。

 多くの子宮内膜炎は、妊娠や出産、流産、中絶後の子宮頸管(けいかん)が開いている時に、細菌が上昇しやすくなって発症します。

 また、女性ホルモンの分泌が減る更年期や老年期には、女性ホルモンの作用が弱まるために細菌が入りやすくなって、炎症を起こすことがあります。この老年期の子宮内膜炎では、慢性に経過し、子宮頸管の狭窄(きょうさく)や閉鎖を伴うと、子宮瘤(りゅう)膿腫(のうしゅ)を形成することもあります。

 原因となる細菌は、大腸菌、腸球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、結核菌、淋(りん)菌などで、性感染症として増加しているクラミジアなどの病原体に感染して、炎症を起こすことも増加中。

 腟(ちつ)炎や子宮頸管炎から、子宮内膜炎に移行することもあります。女性にとって腟や頸管がヒリヒリ痛かったり、かゆいというのは珍しいことではありませんが、子宮の中まで菌が入り、炎症が拡大する可能性があります。

 細菌の感染経路は、膣からの上行性感染によるものが大部分で、まれにリンパ行性、血行性、下行性感染も認められます。下行性感染は腹腔内から卵管を介して、主に結核菌に感染するもので、卵管結核から子宮内膜へ波及します。この結核性の子宮内膜炎では、慢性に経過します。

 さらに、医療機関において、子宮内膜生検、子宮卵管造影、卵管通水術などの子宮内操作時に、細菌が侵入することもあります。

 症状としては、下腹部の不快感、下腹部痛、微熱などの症状が多いのですが、悪臭のある膿性の下り物、褐色の下り物、不正出血、排便痛、排尿痛などもみられることがあります。 一般に、全身的な症状はあまりみられません。

■医師による治療と生活上での注意点

 下腹部痛や異常な下り物があれば、産婦人科を受診します。炎症後に不妊症になる恐れがありますので、完全に治療する必要があるのです。

 医師の内診により、子宮に圧痛が認められます。子宮からの分泌物の培養により、炎症を起こしている起炎菌が特定された場合には、その菌に感受性のある抗生物質が使用されます。起炎菌が特定されるまでの間は、通常、効果の範囲が広い抗生物質を使用します。また、消炎剤、解熱剤を併用することもあります。

 流産後や出産後では、子宮収縮薬を併用することで、子宮内腔に残った組織の排出を促すこともあります。子宮瘤膿腫を形成している場合には、頸管を開いて、膿(うみ)を排出する必要が生じます。

 病気が進行して、卵管、卵巣、腹膜などの周囲の臓器にも影響が及ぶ時は、入院治療や手術が必要になる場合があります。

 生活上での注意点として、子宮が炎症を起こしている期間は、下腹部を温めるのは避け、入浴はシャワーのみとします。性行為もパートナーの理解を得て、控えます。特に、流産後、人工妊娠中絶後には、十分に休養して、出血中は性交を控えることが、予防としても大切です。ふだんから、不潔な性交を避けることも大切。

 

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