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‖四百四病の事典‖
季節の変わり目に悪化しやすいのが、この病気です。子供のうちに症状を改善させるためには、きちんと治療を続け、アレルギーを起こす物質である「アレルゲン」を生活から取り除くことが、大切となります。
●小児喘息の原因と症状について
喘息(ぜんそく)とは、肺に流入する空気の通路に当たる「気道」に炎症が起こったために、空気の通り道が狭くなった状態を指します。
小児喘息の原因のほとんどは、アレルギーです。気道にアレルギーを引き起こす物質である、ホコリやダニ、カビ、動物の毛といった「アレルゲン」が入ると、気道の粘膜が刺激されて炎症が起こり、小さな刺激にも過敏に反応するようになります。
従来は3、4歳から小学生に多かった病気でしたが、最近では1歳以下の乳幼児にも発症が増えています。
見られる症状は、軽いものから重いものまでさまざま。せきが出る。たんが出る。胸が圧迫される感じがする。呼吸が苦しい。息を吐く際に、のどがゼーゼー、ヒューヒューと鳴る。のどがイガイガする。ちょっとした刺激で、ひどくせき込む。風邪をひきやすい。
こういった症状がもっとも悪化しやすい時季は、初夏や初秋といった季節の変わり目ですので、気をつけたいものです。
●どのような治療が行われるのか?
医師による治療では、発作が起きないように薬物療法でコントロールすることが、重要と見なされます。炎症を抑える吸入ステロイド薬、アレルギー反応を弱める抗アレルギー薬などが、主に用いられています。
霧状にしたものを口から吸い込むのが吸入ステロイド薬で、気道の粘膜に直接、薬が届きます。症状によって、吸入する量や回数は異なります。吸入した後、うがいで口の中に残った薬を洗い流せば、副作用が起こることはほとんどありません。抗アレルギー薬のほうは飲み薬で、吸入ステロイド薬と併用するケースがよくあります。
こうした薬をきちんと服用し、気道の粘膜の状態を整えることで、喘息の発作を起こりにくくしますので、症状がよくなったからといって、勝手に薬をやめないことが大切。何かの刺激によって、大きな発作が起こることもあります。
発作の時には、狭くなっている気道を広げる薬が用いられます。薬が効かず、ふだんと小児の様子が違う際には、すぐに医師の診断を受けてください。
●日常生活における留意点について
小児喘息は、きちんと治療を続ければ生活に支障がなくなります。薬の量を減らしたり、使わなくてすむようになることもあります。
そのためには、ふだんの暮らしの中で、次のような点を心掛けましょう。まず、風邪に対する予防策を十分にとること。風邪を切っ掛けに喘息が悪化することが少なくないためで、日ごろから、うがいや手荒いを実践し、天気や気温の変化に気をつけましょう。
次に必要なのは、原因となるアレルゲンを身の回りからできるだけ減らすこと。部屋のホコリやダニ、カビ、ペットの毛などがアレルゲンとなる場合には、こまめに掃除をしたり、ペットを室内で飼わないといったことが、悪化を防ぐことにつながります。
アレルゲンになりやすい食べ物にも、要注意です。タバコの煙も気道を刺激しますので、家族は子供の近くでタバコを吸わないこと。また、周りの大人が気を配って、タバコの煙に子供を近付けないようにしましょう。
これらに加えて、軽い運動を続けて体を鍛え、基礎体力をつけることも大切です。
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