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∥四百四病の事典∥


結節性紅斑

■皮膚の下に硬いしこりのある紅斑ができる炎症性の疾患

 結節性紅斑(こうはん)とは、皮膚の下に硬いしこりのある紅斑ができる炎症性の疾患。病理学的には、皮下脂肪組織を中心とする炎症です。

 若い成人、特に女性が最も発症しやすく、数カ月から数年に渡って繰り返し再発します。細菌、ウイルス、真菌などの感染アレルギーが、主な原因と考えられています。そのほか、サルファ系抗菌薬や経口避妊薬などの薬剤によるもの、内臓の悪性腫瘍(しゅよう)、ベーチェット病、結核、サルコイドーシス、クローン病などに伴うものがあります。

 円形ないし不規則形の紅斑が主にむこうずねに現れ、徐々に赤色から青みがかった茶色へと変化するところは、はれ物やあざに似ています。圧痛を伴い、時には何もしなくても痛みます。重症の場合は、紅斑が太ももや腕にまで広がることがあります。通常、数日から数週間で、紅斑、圧痛、しこりは消えます。繰り返して発症しますが、それ以上悪化することはありません。症状が出る時には、発熱や関節痛、全身の倦怠(けんたい)感を伴うこともあります。

■結節性紅斑の検査と診断と治療

 類似の症状を示す疾患が多数あるので、皮膚科専門医を受診し、皮膚生検により確定診断を受けることが勧められます。

 医師は、皮膚を数ミリ切り取って調べる検査である皮膚生検を行い、皮下脂肪組織を中心とする炎症であることを確認します。病理組織学的な特徴から、バザン硬結性紅斑、結節性多発動脈炎、スウィート病、深在性エリテマトーデス、ウェーバー・クリスチャン病などと区別します。血液検査では白血球の増加、赤沈やCRPなどの炎症反応の高進がみられます。

 治療では、ベッドで安静にしていることが最も重要です。薬物療法としては、非ステロイド性消炎鎮痛剤やヨウ化カリウムの錠剤の内服が一般的ですが、重症例では副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の内服も行われます。原因となる薬剤がある場合は、その使用を中止します。感染症など基礎疾患がある場合は、その治療を行います。

 

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