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∥四百四病の事典∥
骨髄腫(しゅ)とは、形質細胞という血液の中のリンパ球に似た特殊な細胞が腫瘍(しゅよう)化して、骨髄の中で増殖し、全身の骨を破壊する悪性の疾患。
原因は、よくわかっていません。発症頻度は低く、まれな疾患に属します。年齢層は、70〜80歳代の人に多く発症します。
発症は多くの症例では、いつから始まったか明確ではなく、ゆっくりと進行します。何の症状もないまま、定期検診を受けたところ、血液と尿の蛋白(たんぱく)異常を指摘され、それがきっかけで疾患が見付かるケースも少なくありません。
骨髄腫の自覚症状は、胸、背中、腰などの痛み、体重減少など。骨はほとんど全身の骨が侵されますが、脊椎(せきつい)、肋骨(ろっこつ)、胸骨などから現れるケースが多いようです。普通、長い経過をたどって悪化していきます。骨折して受診し、疾患が発見されるケースもあります。
血液中の蛋白の数値が高く、分析すると免疫グロブリンといわれる蛋白質の一種が、異常に高い数値を示していることから診断されます。骨髄を調べると、この免疫グロブリンを分泌する形質細胞が多数認められます。骨のX線検査では、打ち抜き像といわれる輪郭の明確な所見があり、骨が薄く、もろくなっています。
治療としては、化学療法でコントロールすることを主体とします。よく用いられるのは、メルファランとインターフェロン。近年では、強力な化学療法と自家造血幹細胞移植を組み合わせて、異常な形質細胞を絶滅させる方法が研究されています。
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