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∥四百四病の事典∥
顔の筋肉が、自らの意思と関係なく動いたりする運動異常。原因はいくつかあり、対処の仕方が異なります。
疲れた時に、まぶたや口の周りピクピクするのは誰でも経験することで、放っておいても自然に治ります。しかしながら、症状が長く続いたり、範囲が広がったりしたら、注意が必要です。
人体の中でも、顔は特に、精密な運動を行っている個所です。たくさんの筋肉があり、それらの筋肉は細かい表情を作るために絶えず、複雑な動きを要求されていますから、顔を支配している神経は通常でも、かなり無理をしています。
結果的に、いろいろな運動異常が起こりやすい、と考えられています。
顔の運動異常の多くは命にかかわる病気ではありませんが、隠すことができないため、日常生活に深刻な影響を与えかねません。
それだけに、病気をきちんと識別して、適切な対処をすることが重要になってきます。
■症状のチェックを■
1.片方の筋肉がピクピク動く→片側(へんそく)顔面けいれん
通常は下まぶたがピクピクすることから始まり、次第に広がって、片方の顔の筋肉が全体にピクピク動きます。痛みはありませんが、けいれんは寝ている間も続き、不快感が強く、生活に支障をきたします。
顔面神経が脳から出てきたところで動脈と接触し、その拍動で神経に傷がついて発病すると考えられています。頭が小さくて血管が神経を圧迫しやすい女性に多く、40~50代で多く発症します。
2.まばたきが増え、目が開けにくい→眼瞼(がんけん)けいれん
光がまぶしい、目がショボショボするなどの症状から始まり、次第にまばたきが増えて目が開けにくくなり、2、3年の間にうまく目が開けられなくなります。
目の開閉にかかわる眼輪筋が意思に関係なく収縮するもので、脳の中の目の運動プログラムをつかさどる個所が機能障害を起こしている、と考えられています。50代で多く発症しますが、20代で発症する人もいます。
3.筋肉が動かなくなる→顔面神経まひ
発症年齢は、子供から高齢者までにおよびます。ウイルス感染が引き金になるとされ、急激に起こって、症状は数日でピークに達します。片側だけに起こるものが多く、まひの程度は軽いものから、完全に動かなくなるものまで、さまざまです。
多くはヘルペスウイルスが原因となっており、そのうち水痘帯状疱疹(ほうしん)ウイルスによるものは重症になります。後遺症で、片側顔面けいれんと同じ症状が出ることもあります。
4.瞬間的にまぶたが閉じる→チック
自らは意図していないのに、まばたきをしたり、口をゆがめるなど瞬間的な動きが出るのが、チック。意思で止めることはできますが、ずっと止めておくことはできません。
顔に限らず、手、足、声でも起こり、長期的には症状の現れる個所が移動するのが、チックの特徴です。精神的なストレスでチックを起こす子供が多いのですが、遺伝の場合も。小児期と青年期が中心の症状です。
5.疲れた時にピクピクする→ミオキミア
疲れた時などに、目じりやまぶたがピクピク動く現象。健康な人なら、ほとんどが2、3日で治ります。ただし、脳に腫瘍(しゅよう)があるなどの重大な病気が隠れていることもあり、けいれんが両側に同時に起こったり、強さがいつもと違ったり、続けて起こったりしたら、医療機関へ。
■治療へのアドバイス■
顔の運動異常の症状が現れたら、まず神経内科や脳神経外科、または眼科を受診することをお勧めします。病気によって、治療法は異なります。
1.片側顔面けいれん
通常は命にまでかかわりませんが、まれに腫瘍や血管の奇形が見付かることがあるので、検査を受けておく必要があります。
治療法は、2種あります。根本的に治すことを望む人は、耳の後ろから頭蓋骨(ずがいこつ)に穴を開けて、神経に接触している血管を離す手術をします。
もう一つがボツリヌス療法。このボツリヌス療法とは、食中毒を起こすボツリヌス毒素が持っている、神経の働きを抑える作用を利用したものです。顔のピクピク動いているところに、筋肉内注射をします。
神経から筋肉へ情報が行かないようにするもので、副作用はほとんどありません。注射は約3カ月ごとに繰り返す必要がありますが、治療を続ければ効果が持続します。
この治療により、90パーセント以上の患者で症状が抑えられる、と見なされています。ただし、ボツリヌス療法ができるのは、特定の講習を受けた医師に限られております。
2種の治療法とも、有効率は90パーセントを超えます。
2.眼瞼けいれん
上記のボツリヌス療法が第一選択です。それがうまくいかない場合は、眼輪筋を切離する手術も行われます。
3.顔面神経まひ
まひの程度にもよりますが、大半は放っておいても治ります。ただ、早めに受診して治療をしたほうが、患者にとっては楽です。
決定的な治療法はなく、医師によって各種の治療が行われており、1年以内に8割の人は治癒します。後遺症でけいれんが起こった際には、ボツリヌス療法が有効とされています。
4.チック
チックには、抗精神病薬がある程度、効果を発揮します。心理的な影響が強い人には、心理療法が施されます。
小児期、青年期のチックの多くは、長期間を経て軽減しますが、遺伝性の場合もありますので、医師の診察を受けることがお勧めです。
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