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∥四百四病の事典∥


角膜潰瘍

■黒目の表面を覆う角膜に、潰瘍が起きる眼疾

 角膜潰瘍(かいよう)とは、黒目の表面を覆う透明な薄い膜である角膜に、潰瘍が起きる疾患。角膜の表面の上皮だけでなく、その奥の実質にも濁ったり、薄くなったりといった影響が出ます。

 主たる原因は、外傷によって角膜に傷がついたり、コンタクトレンズの誤用で角膜の抵抗力が弱まっている際の、細菌、真菌(かび)、ヘルペスウイルス、アカントアメーバなどの感染です。中で最も多いのが細菌の感染で、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、緑膿(りょくのう)菌などが感染します。アカウントアメーバーとは、汚染された水の中にみられる原生動物。

 そのほか、自分の角膜を濁らせたり溶かしたりするような異常な自己免疫反応によって生じる場合、酸やアルカリが目に入って起こる場合、糖尿病や神経系の腫瘍(しゅよう)などで角膜の知覚神経が障害されて起こる場合、ビタミンAの欠乏または蛋白(たんぱく)栄養の不良に続いて起こる場合もあります。

 異常な自己免疫反応によって生じる場合は必ず角膜潰瘍になりますが、それ以外の場合は重症例が角膜潰瘍になります。

 症状としては、目やに、涙がいつも流れ出ている流涙、異物感、ずきずきする疼痛(とうつう)、まぶしさを覚えます。まぶたの裏側から白目の表面を覆っている薄い膜である結膜も、充血します。瞳(ひとみ)にかかる部分に潰瘍ができると、白く濁り、かなり視力が低下します。涙もたくさん出ます。

 細菌や真菌の感染による場合は、目やにがかなり多量に出ます。時に痛みを伴わないことがありますが、この時は角膜の知覚神経が障害されており、かえって治りにくいのが特徴です。場合によっては、角膜に孔(あな)が開いてしまう角膜穿孔(せんこう)を生じることもあり、失明に至るケースもまれにあります。

■角膜潰瘍の検査と診断と治療

 角膜潰瘍は速やかな治療を要する緊急の疾患ですので、目に少しでも傷を受けた時などはすぐに眼科を受診します。

 医師による診断では、潰瘍の状態を観察しやすくするため、潰瘍に一時的に色をつけるフルオレセインという色素が含まれた点眼薬が使用し、角膜の表面の上皮の欠損、その奥の実質への影響を調べます。細菌などの感染が疑われた場合は、角膜の悪い部分を少し削って、そこに細菌や真菌、ヘルペスウイルスなどがいないかどうか検査します。角膜の知覚の低下をみる検査や、血液検査で、糖尿病や自己免疫疾患がないかを確認することもあります。

 治療法は、角膜潰瘍の原因によって異なります。細菌などの感染による角膜潰瘍の場合は、その原因となっている微生物に対する薬剤を点眼、眼軟こう、点滴、内服、結膜下注射などの方法で投与します。結膜下注射では、白目の部分の最表面の結膜とその下の強膜の間に薬剤が入るようにします。

 細菌などの感染によらない角膜潰瘍の場合は、抗炎症薬を投与したり、角膜の上皮の治癒を促進するために眼軟こうを入れて眼帯をしたり、治療用のソフトコンタクトレンズを入れたりします。

 以上の治療法で治らない場合や、角膜穿孔を起こした場合は、角膜移植を行う必要があります。また、うまく治った場合でも、角膜の中央に強い混濁が残って視力が不良の際には、やはり角膜移植を行います。

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