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∥四百四病の事典∥


ウイルス性肺炎


■細菌よりも小さいウイルスが原因となって発症する肺炎

 ウイルス性肺炎とは、細菌よりも小さいウイルスが原因となって発症する肺炎。代表的なウイルスには、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。

 ウイルスによる肺の疾患は風邪症候群として広く知られ、多くは自然に治るものの、中には下気道へと進み肺炎を起こします。ウイルスそのものが肺炎を起こす場合、ウイルスと細菌が混合感染して肺炎を起こす場合、ウイルスが先行感染し、これに続いて細菌が二次的に肺炎を起こす場合の3つがあります。

 また、感染するウイルスは、呼吸器を標的とする気道ウイルスと、呼吸器以外の臓器を標的とするウイルスに大別されます。後者のウイルスは、被感染者の免疫状態の低下により、全身感染症の合併症として肺炎などを発症します。

 気道ウイルスには、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスがあります。また、2003年に世界を震撼(しんかん)させた重症急性呼吸器症候群(SARS、サーズ)の原因となった新型コロナウイルスもあります。インフルエンザウイルスは、A型、B型と呼ばれる2種類が肺炎を起こします。パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスは、小児や高齢者に肺炎を起こします。

 後者のウイルスには、麻疹(ましん)ウイルス、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスがあります。麻疹ウイルスは、特に栄養状態のよくない小児に肺炎を起こすことがあります。水痘・帯状疱疹ウイルスは、成人に肺炎を起こします。サイトメガロウイルスは、年齢にかかわらず免疫力が低下している人に重症の肺炎を起こします。

 ウイルス性肺炎の主な症状は、頭痛、発熱、筋肉痛、倦怠(けんたい)感など。せき、たんは比較的少なく、細菌性肺炎のように激しくはありません。しかし、インフルエンザウイルス肺炎では、重症になると高熱が出て、呼吸困難などを引き起こし、経過は2〜3週間にも及びます。

■ウイルス性肺炎の検査と診断と治療

 呼吸器症状に気付いたら、呼吸器疾患専門医のいる病院を受診します。

 医師による診断では、胸部X線撮影をすると肺全体が白く写るため、肺炎にかかっているかどうかをすぐに判断することができます。ただし、細菌性肺炎でみられるようなはっきりした陰影のあるパターンは認められません。気道からの分泌物の染色は、RSウイルスやインフルエンザウイルスなど、特定のウイルスの検出に使われます。特定のウイルスに対する抗体が増えているかどうかを調べることもあります。

 多くのウイルス性肺炎は、原因であるウイルスを殺す薬で治療できます。ウイルスがいなくなった後も、しばらくの間せきが続きます。その上、ウイルスが気道の内部を傷付けるため、多くの人はウイルス性肺炎の後で二次的な細菌性肺炎を発症します。このような場合、抗生物質による治療が必要になります。

 インフルエンザウイルス肺炎の場合、近年、治療に大きな進歩があり、塩酸アマンタジン(シンメトレル)とノイラミニダーゼ阻害薬という薬が使用可能になり、発症36時間以内の早期治療で高い有効性が示されています。ただし、塩酸アマンタジンはA型にしか効かず、また耐性ウイルスを生じやすいといった欠点があります。ノイラミニダーゼ阻害薬には、吸入ドライパウダー型のザナミビル(リレンザ)と内服のオセルタミビル(タミフル)があり、A・B型両方に効果があります。

 予防面では、ワクチン接種が推奨されます。特に高齢者を中心としたハイリスク群には、2001年以降、国から公的補助が与えられています。

 

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