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∥四百四病の事典∥


 亜急性甲状腺炎

■甲状腺の痛みや高熱を伴う疾患

 亜急性甲状腺(せん)炎とは、甲状腺が比較的急に腫(は)れて、痛みを伴う疾患。原因としてウイルスの感染が疑われており、自己免疫疾患である慢性甲状腺炎(橋本病)とは全く別の病気です。この亜急性甲状腺炎から、慢性甲状腺炎に移行するわけではありません。

 ウイルスによって起こるのではないかといわれていますが、まだ確証はありません。ほかの人に移ることはありません。30~40歳代の女性に圧倒的に多く発症し、夏に多くみられます。風邪のようなウイルス性疾患の症状から引き続いて起こることが、よくあります。

 多くの人が初めに、のどの痛みを感じますが、実際は甲状腺に限局した頸(けい)部の痛みです。腫れは甲状腺全体に及ぶこともありますが、多くは右か左の甲状腺1カ所が硬くなり、その部分を押すと跳び上がるほど痛むことがあります。極度の疲労感を覚えることもあります。特に皮膚が赤くなったりすることはありません。

 甲状腺の痛みと腫れがますます強くなり、38度を超える発熱がみられることもあります。痛みと腫れの部位は、しばらくすると頚部の右側から左側、あるいは左側から右側へ移ることもあり、あごや耳に痛みが広がり、頭を回したり、飲食物を飲み込む動作で痛みが強くなります。この亜急性甲状腺炎の初期には、歯、のど、耳の感染症とよく間違えられます。

 多くのケースでは、甲状腺機能亢進(こうしん)症の症状を伴います。これは炎症により甲状腺組織が破壊され、甲状腺に蓄えられていた甲状腺ホルモンが急激に血液中に流れ出すことによります。

 ほとんどのケースでは、甲状腺機能亢進症に続いて、一時的な甲状腺機能低下症を発症し、最終的には甲状腺機能は正常に回復します。

■副腎皮質ホルモンが有効で、予後もよい

 医師による検査では、血沈が著しく速くなります。血液中の甲状腺ホルモンを測定すると、一時的に増加し、その後は減少します。

 原因がはっきりしないので根治治療法はありませんが、アスピリンや他の非ステロイド性抗炎症薬は、痛みと炎症を緩和します。比較的重症の時は、ステロイド薬の副腎(ふくじん)皮質ホルモンがたいへんよく効きます。多くのケースでは、この薬を服用して安静にしていると、翌日には痛みが取れ熱が下がります。

 しかし、すぐに服薬を中止すると、ぶり返します。経過をみながら減量し、少なくとも2カ月ほどかけて中止します。甲状腺機能亢進症の症状が重い場合は、ベータ遮断薬の服用が行われます。

 炎症の強い時期には、なるべく安静にし、入浴も控えたほうがよいでしょう。食事に関しては、特に制限はありません。

 この亜急性甲状腺炎にかかった人の多くは、完全に回復します。一般的に、数カ月のうちに自然に回復し、しかも、甲状腺機能も最終的にはほぼ全例が正常になりますが、時には再発したり、まれに甲状腺をひどく損なって、永続的な甲状腺機能低下症を引き起こすこともあります。

 

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