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‖脳内ホルモンの活性化‖

 

●「ああ、眠くなった」というのは、脳細胞が「もう疲れました」と危険信号を発しているものと思っていいだろう。

 自分の脳細胞を自然作用的に維持するには、眠ることが一番肝要である。眠って起きれば、目や耳を始めとした五官的はすっきり、はっきりとして新鮮になるから、物事がてきぱきと処理できる。

 人間は一日ざっと、七、八時間くらい眠る人が多いようだから、生涯の三分の一は床の中という計算になる。「睡眠に費やす時間がもったいない」からと、省略するわけにもいかなければ、まとめてすます寝だめもできない。

 それはなぜかといえば、まさか人間を使って試してみるわけにはいかないが、小犬を眠らせない実験をすると、脳細胞は一週間もすると壊れ始める。

 つまり、脳細胞は鋭敏な代わりに、すこぶる疲れやすいものなのである。人間は脳細胞の疲労回復のために、眠るわけだ。「ああ、眠くなった」というのは、脳細胞が「もう疲れました」と危険信号を発しているものと思っていいだろう。

 よく「眠れない、眠れない」と嘆いている人がいるが、脳細胞は疲労がぎりぎりのところまでくると、必ず休息、すなわち睡眠を要求する。極論すれば、眠くない人は眠る必要がないのだ、といってもよいくらいである。

 いずれにしても、一度壊れたら最後、いくら養生しても埋め合わせのきかない貴重な脳細胞の要求は、尊重したいものである。

●肉体に生じる「気」が湧きいずる座の一つは、大脳辺縁系にあり、精神と肉体のバックボーンになっているのである。

 手足の皮膚の細胞などは、少々の切り傷、擦り傷ではびくともしないが、脳細胞はちょっとわけが違う。眠りによって脳細胞を休ませる必要は、誰もが拒めない義務のようなものであるわけだ。

 脳については、すでにギリシャ時代に、医学の祖ヒポクラテスが、次のように書き残している。

 「人間は脳によってのみ、喜びも、楽しみも、笑いも、冗談も、はたまた、嘆きも、苦しみも、悲しみも、涙の出ることも知らねばならない。特に我々は、脳あるがゆえに、思考し、見聞きし、美醜を知り、善悪を判断し、快不快を覚えるのである」。

 現代の日本の脳生理学者は、「脳が人間のすべてであり、高度に分化発達した大脳皮質である新皮質のすべてが人間性の根源である」と言い切っている。近年では、右脳と左脳の役割分析が注目されているところ。

 私は脳も体の一部分で、人間は脳とすべての器官を使って考えているという見解に立つにしろ、真理生活研究所で説く真理生活においても、精神と心の問題は、脳の働きと切り離すことができない。「気」によって、健康が大きく左右されることは、日常体験していることであるが、肉体に生じる「気」が湧きいずる座の一つは、大脳辺縁系にあり、精神と肉体のバックボーンになっているのである。

 人間の若さは大脳に集約されて表れる、といってもいい。よく「足が衰えると長生きできない」といわれるのも、足の筋肉から大脳へゆく信号が減り、弱くなるためである。

●脳細胞を健全に保つには、まず気を若く持ち、いろいろなことに興味と関心を持ったらどうだろう。

 実は、この脳細胞を老化させる原因は、足などの筋力低下だけではない。日常生活で過剰なストレスや不安が続いたり、気疲れしたりすると、強いダメージを与える危険がある。

 逆に、喜びの心、たくましく生き続けようとする盛んな意欲などは、大脳の若さを保つ特効薬である。

 会社の定年後、いわゆる楽隠居をあまり早くから決め込むと、生きていく前向きの意欲や、物事を成し遂げた満足感からくる喜びといった、脳の働きを高めるものがなくなり、脳の老化、退化を早めてしまう。

 この点、老人のボケや、もうろくは年齢に伴う老化よりも孤独が原因だ、というアメリカの老人医学界の学説もある。社会生活に参加していれば、八十歳になっても知的発達があり、進歩するもので、隠居などすると脳の退化が早いとしている。

 そこで、脳細胞を健全に保つには、まず気を若く持ち、いろいろなことに興味と関心を持ったらどうだろう。

 つまり、自ら老け込まず、いつまでも壮年の気概を持つこと。老化を防ぐには、気を若く保つことも大切なのである。

 「自分はまだ若い」と思っている人は、若い人と同じようにさまざまな物事に対する興味や関心が強く、また意欲が盛んであるから、脳は絶えず新しい刺激に対処していることにもなる。

 当然のこととして、喜びを感じる機会も増えるはずだし、体もよく動かすことになり、肉体の老化を防ぐのにも役立つわけだ。

●気になることは、ストレス状態になる前に取り除くこと、それが集中力低下、頭の老化防止のための前提条件なのである。

 脳細胞を健全に保つには、気を使わないことも大切。気を若く持ちながら、つまらないことを気にしない、苦にしない、心配しない。のんきに楽しく生きて、余計なことに頭を使わないように。頭脳を休ませておくことも、肝心である。

 人間の頭の健康度は、集中力に比例する。頭の老化、ひいてはボケは、集中力の低下によって表れる。つまらないことを気にして、イライラ、クヨクヨすることは、頭の正常な働きを妨げる。

 物忘れをしたり、やる気が起きなかったり、ちょっとしたことでもすぐ気になったりといった自覚がある場合は、注意したほうがよい。気になることは、ストレス状態になる前に取り除くこと、それが集中力低下、頭の老化防止のための前提条件なのである。

 こうして集中力があり、心にゆとりがあり、体に落ち着きがある老人は、喜怒哀楽を上手に表現し、セーブすることができる。

 感情というものは、人間の体や性格に微妙に影響を与えるもの。プラスの感情とマイナスの感情をうまくコントロールすることが、幸せにつながる。

 人間の心と体は、いつも対話をしている。例えば、人から何かいわれて「嫌だな」という感情を抱くと、老化が早まったり、発ガンを促進する物質が体内に発生したりする。反対に、「ありがたいな」と思うと、脳や体の若さを保ち、健康にする物質が作られるのである。

 心の持ち方、感情の在り方そのものの影響によって体内に生じる物質は、一般にホルモンと呼ばれている。ホルモンとは、細胞間の情報伝達物質のことで、いわば脳の指令を細胞に伝えるものだ。

 だから、気分がいい、楽しい、やる気が出るというプラスの状態は、感情の問題であると同時に、ホルモン分泌がかかわっているわけだ。

●快感が湧くような、前向きの考え方ができる人には、全身の若さを保つ脳内ホルモンが出る。

 いつもニコニコして物事をよいほうへ、よいほうへ捕らえるプラス思考、プラス発想のできる人は、すべてがよくなっていく。

 実際、こういう快感が湧くような、前向きの考え方ができる人には、全身の若さを保つ脳内ホルモンが出るということは、医学的にも解明されていること。よい働きの脳内ホルモンが出れば、脳細胞の働きが活発になって脳が若返り、体の若さも保たれるようになるのである。

 よい働きのホルモンの代表としては、大脳基底核、大脳新皮質の前頭葉、側頭葉、大脳辺縁系に分布するドーパミンが挙げられる。ドーパミンが分泌することで、意欲的な精神状態を作り、プラスの方向に作用する。

 また、脳内ホルモンとして最も効力があるのは、ベータ・エンドルフィンである。このホルモンは、若さを保ち、ガン細胞をやっつけ、人を楽しい気分にさせたり、エネルギーを増強させて、体の働きを高めたりする。

 例えば、脳には記憶をつかさどる海馬という部分があるが、海馬の働きをよくして、物忘れが起こらないようにしているのも、ベータ・エンドルフィンなのである。

 記憶に関係する海馬は、エー・テン神経という快感神経の支配下にある。しかも、よい働きの脳内ホルモンを出す神経の塊の根本が、エー・テン神経である。従って、快感が湧くようなプラス思考、プラス発想をすると、ベータ・エンドルフィンが分泌されて、記憶力もよくなるわけだ。

●怒りをほほ笑みに変え、マイナスのホルモンを分泌させないことが、幸せな人生を過ごすための秘訣である。

 私たち人間は通常、細胞間の情報伝達物質たるホルモンをコントロールすることはできない。だが、精神の力で感情をコントロールすることは可能なのである。

 ドーパミンなどがプラスのホルモンであれば、当然マイナスのホルモンも存在する。恐怖のホルモンといわれるアドレナリン、怒りのホルモンといわれるノルアドレナリンである。逃避や不満の感情が高まった時は、必ずこれらのホルモンが分泌されている。

 具体的にいうと、人間が怒ったり、緊張したりした場合に脳内に分泌されるノルアドレナリンによって、怒りの情報が伝達されると、体はシャキッとして活動的になる。その意味では、生きていくのに欠かせない物質なのだが、強い毒性も備えている。血管を収縮させて、血圧を上昇させる働きである。

 会社で上司からしかられて、ムカムカする。取引先との交渉に失敗して、意気消沈する。妻と口げんかして、カッとなる。みな強いストレスになるが、すべてをマイナス思考、マイナス発想でクヨクヨと受け止めていると、ノルアドレナリンがどんどん出てくる。

 一日中、一年中、こういうホルモンを脳から出し続けていたら、体はたまったものではない。血圧がどんどん上昇し、動脈硬化が進行して、血管の詰まりを引き起こす結果、脳梗塞や心筋梗塞を招くことになる。

 しかも、ノルアドレナリンによって血管が収縮し、血流が滞ると、万病のもとと恐れられている活性酸素という、酸化力の強い酸素が大量に発生して、遺伝子を傷つけたり、体にとって有害な脂肪分である過酸化脂質という老化物質を作り出したりして、ガンなどの成人病にかかりやすくなるのである。

 これだけでも、いつもクヨクヨとしているマイナス思考、マイナス発想より、何事も前向きに考えるプラス思考、プラス発想のほうが、いかに大切かがわかるだろう。

 怒りをほほ笑みに変え、マイナスのホルモンを分泌させないことが、幸せな人生を過ごすための秘訣である。生きていることを喜び、楽しく感じ、そう努めることが、脳の若さを保ち、人生をより充実させるのである。

 

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