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∥上半身の出物が発する健康情報(4)∥

∥鼻をチェックする∥

 

●イビキは眠りや健康を損なうことがある

 人間の目の下にある鼻は、顔の中心、中核である。この鼻や口から発せられる出物の一種に、イビキがある。眠っている時に呼吸とともに出るイビキの音ほど、本人平気、はた迷惑という図式がはっきりしている現象も珍しいのではないか。

 対処法として、よく「姿勢を変えてやれば止まる」といわれるが、そうとも限らない場合もある。

 口を開けて寝ると舌が下がるため、口から喉(のど)への通路が狭くなる。その上、鼻腔(びこう)と口との境界にある、口蓋垂(こうがいすい)や軟口蓋と呼ばれる部分がゆるんでいると、ここが振動する。それがイビキになるのであるが、体が疲れている時ほど、そのあたりの筋肉のゆるみが激しく、イビキもひどくなるのが道理。

 一見、安眠の印のようにも見えてしまうイビキが、本人の眠りや健康を損なうこともあるし、病気の症状として出ることもあるから、注意をうながしておきたい。

 その病気の代表が、夜中に息が止まる睡眠時呼吸障害という特殊な病気である。睡眠時無呼吸症候群ともいい、起きている時は正常に呼吸しているのに、眠ると十秒から二分ぐらい、繰り返し呼吸が途切れる病気である。

 睡眠中の無呼吸は、健康な人でもよく見られるが、十秒以上の無呼吸状態が一時間の睡眠に五回以上ある時、この病気と診断される。

 脂肪が沈着するなど気道をふさぐ原因があって起きたりするもので、圧倒的に男性に多く、年を取るに従って増える。女性も閉経後に見られるので、性ホルモンが関係しているらしいといわれている。

 こういう病気の人たちは、睡眠時間をたっぷりとっているのに、昼間に眠気を感じる場合が多い。呼吸が再開する時は、覚醒(かくせい)時と同じ脳波が現れるので、無意識のうちに、夜中に何度も目が覚めているわけだ。酸素不足から、日中、頭の重さを訴える人も多く、高血圧や不整脈、赤血球の数の増加、心臓肥大など、さまざまな合併症も起こしやすい。これらが、睡眠中の突然死の原因の一部になっている可能性が指摘されている。

 睡眠時無呼吸症候群の人でなくても、イビキをかく人は周りへの迷惑を気にするだろうから、イビキ対策を述べよう。

 一番いいのは、鼻や喉に異常がないか、耳鼻咽喉科で診てもらうこと。扁桃(へんとう)がはれていれば、切除することもある。鼻づまりなら、治したほうがいいだろう。

 ただ、重症でなければ、生活面の工夫である程度は改善できる。太った人は、日頃から減量を心掛ける。お酒を飲む人は、飲酒をなるべく控える。アルコールというものは、喉の筋肉をゆるめ、イビキをかきやすくするからだ。

 鼻の粘膜が乾燥して荒れると、イビキをかきやすくなるので、部屋の湿度を保つことも必要。仰向けに寝ると、喉が狭められるので、横向きに寝るのもよい。枕(まくら)の下に本などを置いて、傾斜を作るのも効果があるそうである。

●鼻はホコリを排出する浄化機能も持つ

 さて、人間の鼻は顔の中核で、大切な顔面を引き立てる美の象徴でもあるとともに、人間の生死も、宇宙大自然との交渉も、鼻から始まって鼻に終わるといえよう。鼻は人間が死ぬ時には、一番最後まで残る。呼吸が止まれば、鼻の存在も終わる。鼻は最初で最後である。

 この鼻というのは、人間の腹部における臍(へそ)と同じように、五官の要になる大切な器官である。

 そして、鼻は宇宙からの「気」を受信し、発信するアンテナでもあるが、それは外部環境に対しての広がりを意味するだけではなく、肉体内部のあらゆる器官にも四通八達しているものである。

 鼻は五官の中央にあって、鋭敏な感覚力を持っている。五官と潜在性意識、無意識と空意識を一貫して、すべての感覚を調整し、神経を上手に制御したりする。

 こういうと、鼻といえば嗅覚(きゅうかく)をつかさどるだけが役目と思っている人がほとんどに違いないから、意外な機能にびっくりすることだろう。

 人間の鼻は、においを嗅(か)ぐだけではない。生きる上では、鼻腔の上部の粘膜上皮に約五百万個ある嗅細胞でにおいを嗅ぐ器官とされているが、生かされの世界では、鼻が素晴らしい感覚の中心となっているのである。わからぬものが、わかるという力さえもある。

 これは鼻とか、臍とか、生殖器官という神秘的なところに、空意識、無意識という意識できない大きな力が潜んでおり、発揮できるからなのである。

 一般的に知られているところでは、感覚器官としての鼻には、嗅覚機能のほかにも、呼吸作用を効率よく行うための役割がある。まず、冷たい空気がそのまま肺に入るとよくないので、鼻甲介の血管の収縮によって、空気を吸い込んだ瞬間に三十度くらいまでに温度を上げる暖房の機能、加温機能がある。

 その次は加湿機能で、鼻の中の粘膜は水分が九十五パーセント前後あり、入ってきた乾燥した空気に湿り気を与え、喉などの粘膜を保護するわけだ。

 また、鼻腔内の数百万本も生えている繊毛によって、外から侵入するホコリを体外へ排出する浄化機能という役目も果たしている。

 人間の鼻は、霊妙な五官作用の働きのシンボルといえよう。

●頭脳の疲労素も排出する鼻水

 鼻の感覚機能が訓練されて高まると、においのあるものだけを嗅ぎつけるだけでなく、目に見えない世界にあって、まだ香りになってこないものまで嗅ぎつける能力を持つようになる。

 例えば、夜、眠っている時は目と口は現象世界と交通遮断をしているが、耳と鼻とは、生かされているという世界において、開けっ放しになっている。

 といって、無用、不要なことは聞きもしないし、嗅ぎつけもしないが、泥棒が入ったり火事のような時には、その不審な物音に気づく。異常を察知した時には、耳と鼻が協力をして、かすかなものでも聞きつけ、嗅ぎつけるのである。

 最近は、人の鼻も耳もマヒしているから、そういう微妙な問題に対処する力がない。社会の雑音の多い生活の中にいるから、必要な音さえ聞こえないのである。

 この鼻に力を入れると腹も締まるし、全身も、「気」も、心も締まってくる。鼻から下の顎(あご)まで軽く力を入れると、魂が落ち着くものである。

 さらに、鼻に「気」を集中して物事を考えると、無心のうちに真相が解けるものである。精神集中も、鼻に「気」を集めることが要領である。坐禅の時にも、鼻を中心に静寂、空寂になれる秘訣があり、人生のポイントがある。

 鼻は空気だけではなく、宇宙の生気、「気」というものを吸い込み、吐き出している。

 「気」とは、エネルギーとか、単なる働きではない。生命である。この宇宙生命という「気」の存在、働きは万物万象のすべてに現れているが、その「気」を吸収するところも、発揮するところも、頭部では鼻が主なのである。

 だから、「気」が生じ、力がある時、鼻が何かと感じる。しっかりした鼻からは、着想や名案が出てくる。

 人間は五官の中で、鼻というものをすっかり忘れている。目と耳と口があって、その中央に位する鼻のアンテナが、まるっきり遊んでいる。無視されているのである。人間の体には、まだ忘れられている大切なものがある。

 鼻のよい人、完全な人は、頭脳にも関係がある。そこで、鼻腔の呼吸で頭脳を内部から冷やすこともできる。大きな徹底呼吸をしたならば、鼻からの空気で、頭脳を養うこともできる。

 頭脳の排泄物などは、鼻に下ってくる。鼻には、頭脳の疲労素を鼻水という出物に変えて、排出する機能があるわけである。ヨガでは、鼻の浄化によって頭脳が爽快となり、視神経が強くなるという。

 これも巧妙に仕組まれた自然作用の一つだが、自己意識がのさばってこの自然作用を妨げると、鼻づまりや蓄膿(ちくのう)症にかかることになる。

 また、唾液や胃液が気化されて熱に変わった時も、鼻が詰まったり、詰まり加減になったりする。鼻は「気」神経の集まるところだから、鼻にさしたる故障がない時でも、鼻づまりで困ることがあるし、体に水分が不足したり、エネルギーの燃焼や気化に異常があると、すぐ鼻に現れる。

 簡単なことながら、意外な原因で意外なところに現象が起こるものである。その影響もまた無視できない。

 そこで、変わった健康法として、毎朝の洗面の時、冷たい水を手にすくって、鼻に七十回から百回ぐらいかけるのを習慣にすると、真冬でも風邪を引くことがない。少々の鼻づまりなども、てきめんに治ってしまうから妙である。

 朝の洗面の時に、鼻から薄い塩水を吸い込むことも、鼻の健康法としては抜群の効果がある。

 鼻づまりを治すもう一つの方法は、昔から言い伝えられてきた頭寒足熱で、足を温めることである。足は鼻ばかりではなく、目とも関連があって、フクロウの足を折ると瞳孔(どうこう)の周囲の光彩に傷が現れるというデータもある。目の悪い人は、多くの場合、足も弱い例が多いことを付け加えておこう。

 

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