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知的能力の低下した状態には、痴呆(ちほう)もあります。こちらは、いったん知的能力が正常に発達した後に、何らかの理由で二次的に低下するもので、老年痴呆はその代表例です。知的障害は痴呆と違って、生まれた時点、あるいは早期の乳幼児期に知的能力の発達そのものがあまり進まない状態です。
知的障害とはどのような障害なのか、日本の法律では定義はされていませんが、厚生労働省の平成17年調査によると、知的障害のある人は54万7000人で、そのうち施設で暮らしている人が12万8000人、地域で暮らしている人は41万9000人です。現在、日本国内で運営されている施設は、3600を数えています。
知的障害を起こす要因は、おおまかに3つに分けて考えられています。
1つは生理的要因で、体には特別の異常が見られませんが、脳の発達障害によって知能が低い水準に偏ったと考えられるものです。生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、知的障害がない親から偶然に、知能指数が低くなる遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因。
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