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労働が精神労働のほうに片寄っていて、肉体は眠くなく精神だけが疲労していると、眠いようで眠れないという現象が起こることもあるが、この時は丹田呼吸が役立つ。
眠る時に、眠りたいと考えたり、眠らなければならないと考えたりするから、眠れないのである。丹田に入っている息を、ゆっくりゆっくり鼻から吐いていると、眠れる。丹田に息があるわけもないのだが、そう錯覚して息を吐いていればよいのである。
要は、落ち着きは体から出るもので、気持ちからは落ち着けないものだから、フーッと大きく息を吐いて体の力を抜き、肉体をゆったりとくつろがせること。体がピリピリと張り詰めていては、睡眠物質の分泌も止まってしまうだろうが、肉体が意識から解放されることによって、再び眠りの潮時が訪れてくるはずである。
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