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∥下半身の出物が発する健康情報(1)∥
●腸の働きと選択力の妙について
人体の下半身からの出物として最初に取り上げるのは、腸からの大便という固形物、すなわちウンコである。
この大切な排泄物の出具合が悪くて、朝からやれ下痢だ、便秘だと、腹を抱えてうずくまったり、苦しんでいたのではいただけない。人間が健康を手に入れるには、やはり内臓の正常な働きが必要なわけである。
そこで、腸の仕組みについて、まず探ってみよう。
人間の体は、腸の上に位置する臍を中心にして、下半分が宇宙世界からくる他力と通じるところ、上半分が生きているという自力の働くところである。
その臍のある腹は、柔らかいもので、骨も何にもないようなものに思えるだろう。が、この腹を中心に存在する細胞の働きは、実に見事なものである。あらゆるものを感じ取り、想像し、判断をするという力が、腹の細胞の一つひとつに見事に備わっている。
目に見えないものがこの腹によって感じ取られると、その力が五官に送られ、五官の素晴らしい働きとなる。
同時に、腹というものは、「気」そのものを力として蓄えておく場所でもある。その中心はといえば腸である。腸は生理的な器官であるが、感覚意識、精神的能力もあるから、その本来の働きは二つの使命、機能を持っているといえるのである。
この腸は非常に吸収力の強いところであって、食べ物を吸収することが専門であるが、空意識から入ってくる「気」を蓄えて肉体の力とする中心である場合には、非常に大きな働きをするものである。
そういう人間の腹の働きは、驚くべき力を持っている。機能をなしている。例えば、内臓器官の胃や腸はもとより有能、有効のものである上、胃をとってしまっても腸を食道につないでおけば、やがて腸は胃の働きをするほど大変な力を持っている。
胃は胃液を分泌して消化をするのに対して、腸は消化と吸収を同時にするといってよいほど、最終的である。胃は食べ物を消化してもまだ形を残しているが、腸はその形の中から吸収する。後は残滓(ざんし)ばかりだが、吸収という力において、腸は素晴らしい働きを持っている。便に元の姿で出てきても、内容物は腸で吸収されているから、その力は強いものである。
まずい物を食べて吐くというのは、腸の力によって、胃が吐き出すのである。こうした微妙な、不思議な感覚と働きは、空意識から入ってくる「気」の働きである。
そして、腸の感覚の強さ、選択力の強さにも驚くべきものがある。目・耳・鼻・舌・皮膚の五官だけが感覚器官ではない。この腸の微妙な、不思議な働きは、胃にはできない。
腸の感覚というものは非常に微妙なものであり、機能もまた優れた力を持っている。また、生理作用、精神作用、意識作用といったものの選択力、識別力などに至る場合は、素晴らしい人間の機能、働きとなるのである。
私たちの気力はいったいどこから出るものかといえば、胃に食べ物のあるうちは、気力は出ない。胃が空になって腸に力が蓄えられる時に、腸から気力が出るのである。
●人間の「気」の中心は下腹にあり
腹と腰というものは、生まれてから死ぬまで肉体の底力となり魂となって、一生働き続けるものである。
すなわち、腹と腰の細胞というものが生命の基礎、根本となって、人の一生をコントロールする中心、基盤となるのである。年を取ればそこは円熟し、頑固性なるものがあれば、穏やかになるなどという調節ができる。
人間の精神的、意識的調整というようなものも腹がやり、腰がやる。そこに空意識器官(生殖機能)が存在するから、肉体全身の調節、調和が下腹でできるということになり、魂の存在するところとなるゆえんである。
空意識から入ってくる「気」は、腸で一応、止められる。下腹部、下半身の腹、腰という他力と無意識の力が上半身に作用する時、自力の力が働きというものになり、自力がさまざまに働き出すのである。
腸の吸収力、働きというものは若い時から十分に活達にさせ、働きを十分にさせておけば、一生涯を通じて気も若く、あらゆる問題に働く。
知るべきことは、人間の体の「気」の中心は臍下丹田、下腹部、つまり腰にあり、腸にあり、下腹にあるということである。
生命の元なる中心、中核は、腸であり、もう一つは宇宙の空意識器官という生殖器官である。腸を中心とする吸収力は、食べ物のような生理的なものや、あるいは精神的、意識的なものを蓄積したり確かめたりして、その力を生きるという人間の中心とする。空意識器官の生殖器官は、ここから生命が到来するという事実がある。
無意識の世界が上半身に上って意識のある世界に流通する時には、意識的なものは五官で見る。無意識的なものは、臍下丹田、下腹部で見る、行う、感ずるのである。
この肉体の下半身から自然にエネルギーが湧き上がってくるような気合の人は、疲れるなどということはない。倦怠を覚えるとか、飽きるとかいうようなこともない。当然、何らの障害を外部から受けることもなく、スムーズに人生を送ることができる。
こういう人間になれば、腸が活発に働くだけでなく胃も丈夫だから、頭脳も明敏になり、体全体がバランスよく、すべてが当たり前に働くような人になる。
続いて、生理学的に腸の仕組みを探っていこう。
最近の生理学の教えるところによると、人間の小腸という消化器官は、取り出せば、七~八メートルにもなるという、とんでもなく長い管状の臓器である。自分の腹に手を当ててみても信じられないほどだろうが、通常、体の中では、およそ三メートルほどの長さに縮んで収まっている。
なぜそんなに長いかといえば、人間が生きていくためには、胃で消化された食物から栄養やエネルギーを摂取、吸収しなければならないからである。
しかも、小腸の内側は、絨毛(じゅうもう)の表面をまた絨毛でおおうという、無数の絨毛で埋め尽くされた構造で、必死に表面積を稼いでいる。その表面積は、何とテニスコート二面分に相当するという。さらに、一本の絨毛は約五千個の栄養吸収細胞からできており、小腸全体で千五百億個と推定される。驚くべきは、人体の機能、働きの素晴らしさである。
こうした構造を持つ消化管である小腸は、胃から、かゆ状となって送り込まれた食物を、改めて消化したり、栄養を吸収し、大腸へ送り出す重要な役割を持つ。
詳しくいうと、胃のほうから十二指腸、空腸、回腸に、小腸は大きく分けられる。それぞれが消化酵素を多量に含んだ腸液を分泌し、あるいは膵臓(すいえき)からの膵液、胆嚢(たんのう)からの胆汁も一緒に合わせて、最終的には、かゆ状食物から栄養を取り入れていくのである。
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●栄養を吸収する小腸、便を形作る大腸
かゆ状の食物が栄養のほとんどを吸収され、小腸を後にするのは、食後四~六時間といわれている。身ぐるみはがされた残滓、液状のカスとなって、大腸に到達する。
盲腸から始まる大腸は、時計回りに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、そして直腸に区別できる。
この大腸の大きな役割は、先の液状のカスから水分と電解質を吸収し、固形物、すなわちウンコを作ることである。
ウンコは、下行結腸からS状結腸にとどまる。その後、ある一定の量にウンコが達した場合や、胃に食物が入った刺激で起こる大きな蠕動(ぜんどう)運動があると、ウンコは直腸に送られる。この時の圧力を自律神経が察知して大脳に伝えると、便意を催すという仕組みだ。
この間、およそ二十四時間から七十二時間。口にした食物がようやく、腸の末端の肛門(こうもん)から出てくるのである。
このようにして、我々日本人は、一日に平均で百五十グラムから二百グラムほどのウンコを出すのである。一日当たり百五十グラムとして、八十年間生きれば、単純計算で五トン近くの排出となる。
では、出てきた我々人間のウンコは、なぜ一様に臭いのであろうか。実はみな、腸に住む細菌のせいである。
特別な環境で出生、飼育された無菌動物のウンコは、栄養を吸収された食べ物の残りカスだけだから、臭くない。一方、我々のするウンコは普通、三分の一から二分の一が腸内細菌ともいわれており、特有のにおいは腸内細菌の分泌物が原因なのである。言い換えれば、人間のウンコは細菌のウンコによって臭い、ともいえるのである。
ところで、人間は誰でも、一生に一度だけ臭くない通じをする。生まれて一番最初にするウンコが、それである。
胎内で、母親の免疫系に守られている胎児は、いわば無菌状態で、腸にも細菌がいない。そのため、赤ちゃんが胎内でためていて、生まれてすぐするウンコは、臭くないのである。しかし、生まれた翌日のウンコには、すでに大腸菌を始め、腸球菌や乳酸桿菌(かんきん)など、一グラム当たり一千億個の菌が見られるのである。
●便という体からの情報は役に立つ
先に、日本人の一日のウンコの量は平均で、百五十グラムから二百グラムと述べたが、アメリカ人はせいぜい百五十グラムである。
これは、日本人のほうが植物繊維を含む食べ物を多くとっているからなのだ。人間の腸は、植物繊維を分解する酵素を持っていない。だから、植物繊維はそのままカスとして出てくるのである。「便秘気味の人は野菜を食べよ」といわれるのは、繊維質が残ったほうが便がかさばって出やすくなるからなのだ。
よって、便秘も日本人よりアメリカ人のほうが多いのである。植物繊維を多くとっているアフリカ原住民には、一日に七百五十グラムもの便をする種族がいるとのこと。
比較ついでに、日本人とアメリカ人の一物はどちらが臭いかというと、ずばり答えはアメリカ人である。
一般の日本人の食事は、低蛋白、低脂肪、高炭水化物、高食塩、高繊維。欧米人はその逆で、高蛋白、高脂肪、低炭水化物、低繊維。ウンコのにおいで特に臭いインドールや硫化水素は、みな蛋白質のアミノ酸が細菌によって代謝されてできるのである。また、植物繊維には、腸内のビフィズス菌などの善玉菌を増やし、同時に悪玉菌が繁殖する前に排泄をうながすという働きも期待できる。加えて、ウンコの量を増すということは、薄めるということでもあるから、蛋白を多く摂取するアメリカ人のほうが一物が濃い。すなわち臭いといえるだろう。
しかし、最近は日本人の食生活も急速に欧米化しているから、排泄物もどんどん臭くなっているはずである。
もう一つ比較すると、動物はみんな排泄行為をするのに、お尻(しり)をふくのは人間だけである。が、動物も人間も、消化器官の仕組みはたいして変わらない。
コロコロとした丸いウンコができるウサギは、腸が長いために、水分を絞りとってしまうのである。我々人間も、便秘をすると固くてコロコロした一物が出るのは、徹底的に大腸で水分を絞りとられた結果のようである。
さて、体内で不要になって排泄された大便も、実は、体外に出た後も役に立つ存在なのである。今、世の中はリサイクル・ブームであるが、ウンコも負けてはいない。自然農法やウンコを飼料にした豚や牛の飼育が見直されているし、リンやビタミンB12を大量に含む資源としても注目されている。
リサイクルの極端な例は、先のウサギのコプロファジー(食糞症)である。ウサギは一日一回、普通の便とは違うコプロファジー用の便をするが、それを食べられないようにしてしまうと、衰弱して死んでしまう。ウサギは草や木の葉を一度体内のバクテリアで発酵させ、出てきたウンコを食べることで、不可欠な蛋白質やビタミンを補っているようだ。
人間の場合はそういう極端なリサイクルは無理にしても、体からの黄金の出物は健康の指標として役に立つのである。
ウンコはいわば食べ物の残滓であり、カスであるが、二十四~七十二時間にわたる自分の体の情報、とりわけ胃腸のメカニズムがはっきりと現れる。
体からのメッセージの解読法を心得ておくのは、誰にとっても決して無駄にはならないはずである。
基本となる正常便の量は、一日に百~二百五十グラム。形は太めのバナナ状で、色は黄褐色が理想的だ。水洗便所の水に浮けば、もういうことはない。一日にちょっと茶色いバナナ二、三本も出ていれば、内臓はたいそう健康である証拠。
平均百五十~二百グラムといわれる便の組成は、約七十五パーセントが水分、残り二十五パーセントが固形成分であり、意外なことに便の大部分は水分なのである。
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