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新生児肺炎



新生児期に発症する先天的、または後天的な肺の感染症

新生児肺炎とは、新生児期に主に細菌やウイルスなどの病原体が肺に入り、酸素と炭酸ガスの交換を行う肺胞や肺間質など、肺の奥の領域に炎症が起きる感染症。

新生児のおよそ2パーセントが、肺炎にかかるといわれています。母親の子宮内での感染による先天的な肺炎と、生後の感染に基づく後天的な肺炎とに大きく区別できます。

母親の子宮内での感染による場合は、梅毒、風疹(ふうしん)、サイトメガロウイルス、トキソプラズマなどの原因になる細菌やウイルスが母親の血液の中を流れ、胎盤を経由して胎児の肺に侵入し肺炎を引き起こすほか、破水してから出産までに時間がかかった時や、破水がなくてもお産が長引いた時には、羊水に細菌が入り、胎児が子宮内でこの羊水を吸引して肺炎を引き起こします。

また、出産時に腟(ちつ)に存在するB群溶血性連鎖球菌、大腸菌、クラミジア、ヘルペスウイルス、カンジダなどの細菌やウイルス、真菌に接触したり、吸い込んだりすることによっても肺炎を引き起こします。

先天的な肺炎の場合、出生直後から数時間以内、あるいは数日以内に発症します。

新生児は、仮死状態で生まれることもあります。生まれた時には異常がなくても、間もなくチアノーゼ、浅く速い呼吸、うめき声、元気がなく授乳力が弱いなどの全身症状が目立ちます。発熱することは少なく、せきもありません。

胃液の中に多数の白血球があったり、へその緒の炎症を伴うことがしばしばあります。

生後の感染に基づく場合は、生後3〜4日過ぎると母親など周囲の人たちから飛沫(ひまつ)感染したり、乳や吐物を気道内に吸い込んで発症することがあります。

次第に元気がなくなり、顔色が悪く、授乳力も弱く、呼吸困難を示してきます。腹が膨れて、吐くこともあります。

また、肺炎が進んで、二重になっている肋膜(ろくまく)の間に膿(うみ)がたまって膿胸(のうきょう))を起こしたり、空気がたまっって気胸を起こしたり、肺胞が破れてくっ付き合い、風船のよう膨れ上がる肺気腫(しゅ)を起こしやすいのが特徴です。

新生児では、肺炎に共通するせきや発熱という症状なしに、急に呼吸困難が現れることがあるので、早急に小児科を受診しなければなりません。

新生児肺炎の検査と診断と治療

小児科の医師による診断では、聴診器を胸に当てて聞くと、プツプツという水泡がはじけるような音がしたり、呼吸音が聞こえなくなったり、気管支を通る空気の音が聞こえたりします。肺炎の初期や間質性肺炎では、これらの特徴がみられないこともあります。

聴診のほかに、胸部X線検査と血液検査を行って、肺炎の炎症を確認します。肺に炎症が起こっていると、胸部X線検査で白っぽい影が認められ、血液検査で白血球の増加、CRP(体内に炎症が起きたり組織の一部が壊れたりした時に現れる蛋白〔たんぱく)〕質の一種)の上昇、赤血球の沈降速度(赤沈)の高進が認められます。

さらに、たんの検査で原因となっている細菌やウイルス、真菌を特定します。必要に応じて、CT(コンピュータ断層撮影)検査、胸水検査、呼吸機能検査、嚥下(えんげ)検査、細菌培養検査を行います。

小児科の医師による治療では、呼吸困難に対しての酸素補給、体の水分と栄養分を補給するための点滴による輸液、原因となっている病原体に対する抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤の使用を中心に行います。

また、輸血やガンマグロブリンの注射、強心剤の投与を行うこともあります。膿胸や気胸を起こしている場合は、チューブを入れて膿や空気を抜くなど、合併症に応じた処置を行います。

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