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喉頭乳頭腫


声帯や仮声帯に好発する良性の腫瘍で、声がれが発生

喉頭乳頭腫(こうとうにゅうとうしゅ)とは、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染によって、のどの奥の喉頭に発生する良性の腫瘍(しゅよう)。

喉頭には、良性腫瘍の発生がほとんどみられない中で、比較的多く発生がみられるのが喉頭乳頭腫です。喉頭のあらゆるところに生じ、声帯や仮声帯に好発します。

ヒト乳頭腫ウイルス6型および11型が乳頭腫の形成に関与していると見なされ、生まれた直後の新生児や乳幼児に喉頭乳頭腫が発生した場合は、出生時の母親からの産道感染であると推定されています。通常の生活では、周囲の人へ感染することはありません。

ほとんどが乳頭腫により声帯の振動が妨げられ、声がれ、すなわち嗄声(させい)が起こります。徐々に症状が出ますが、声帯全体に腫瘍が広がった場合には、全く声が出なくなることもあります。

幼児では、放置していると腫瘍の増殖から気道狭窄(きょうさく)を起こし、ゼーゼー、ヒューヒューといった音を伴う呼吸となったり、呼吸困難を来すこともあり、注意が必要です。

乳頭腫自体は本来良性の腫瘍ですが、再発することが多く、治療が長期戦となることが多い厄介な疾患です。従って、幼児期に発症すると、成人になるまで付き合わざるを得ない場合もあります。また、成人の場合は、悪性化することもまれにあります。

喉頭乳頭腫に気付いたら、速やかに耳鼻咽喉科の医師の診察を受け、焦らずに治療を進めることが勧められます。

喉頭乳頭腫の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、喉頭ファイバースコピー検査、喉頭ストロボスコピー検査、発声機能検査などを行います。組織を採取して調べる病理組織検査や、ヒト乳頭腫ウイルス検査を行うこともあります。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、乳頭腫が限局した腫瘍を形成している場合には、レーザー照射で腫瘍を蒸散します。再発を繰り返す場合には、インターフェロンの局所注入を行うこともあります。また、抗腫瘍効果、抗ウイルス効果、免疫力高進を期待して、漢方療法を行うこともあります。

治療の基本となっているのは、炭酸ガスなどを用いた喉頭内視鏡下レーザー手術により、腫瘍を切除することです。一度発症すると再発率が高いため、複数回の手術を行うなど長期治療が必要となります。

一部の医療機関では、原因となるヒト乳頭腫ウイルスの感染予防のために、ガーダシルというワクチンを注射し、手術後の再発を抑制できる可能性を探っています。

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