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∥四百四病の事典∥


●やせ



●急にやせてきたら注意を

 やせて喜んでいたら、どんどんやせ続ける人には、重大な病気が隠れている可能性もあります。

 近年は「肥満」が悪役になっているためか、「やせ」のほうはあまり問題にされない傾向があります。とりわけ夏の場合、「夏やせだろう」、「夏ばてによる食欲不振が原因じゃないのかな」などと見過ごされがちですが、体重減少は病気のシグナルの可能性もあります。

 普通、自分の身長から割り出される標準体重より20パーセント少ない状態が、「やせ」と考えられます。

 女性の場合の標準体重の求め方は、標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×21(最も有病率の低い、理想のBMI<Body Mass Index>値)となります。男性の場合は、標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22で算出されます。

 「やせ」では、体の脂肪組織が目立って減少し、筋肉組織も減少している状態にあります。「病的」とは必ずしも断定できませんが、一般的には、病気にかかりやすい状態と見なされています。また、病気の初期症状や、やや病気が進行してからの症状として、体重の減少を伴うケースも多々あります。

 体重が徐々に減ってゆく場合はそれほど心配はいりませんが、一カ月の間に5キロも体重が減るなど急激に体が細ってきたら、注意が必要です。安易に自己判断せず、病院や診療所に出向いて、きちんと検査を受けることが大切となります。 

●やせる原因となる主な病気

■食欲がなくてやせるケース■

消化器系の疾患

 消化管である胃腸に病気があると、食欲不振に陥ると同時に、食べたものの消化・吸収も正常に行われなくなるため、やせてきます。消化器系の病気で多いのは、胃潰瘍(かいよう)と十二指腸潰瘍です。

 また、消化液や酵素を分泌する腺臓器である肝臓、膵臓(すいぞう)に、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎などの疾患があるケースでも、食欲が減退して、やせてきます。

がん

 体のどの臓器、組織にできたがんでも、初期症状として体重が落ち、やせてきます。がん細胞が体の栄養を奪ってしまうために起こり、特に消化器系に発生したがんでは顕著です。末期になると、体がやせ細ってきます。

■食欲があるのにやせるケース■

糖尿病

 糖尿病の初期には太り出すことがありますが、放置して進行すると食欲があるのに体がやせてきて、のどの渇き、多尿などの症状が現れます。

 糖尿病は膵臓から出るインスリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなる病気で、進行すると目、腎臓(じんぞう)、神経などに合併症を来す全身病。親や兄弟に糖尿病の人がいると、発症率が高くなります。

バセドー病(甲状腺機能亢進症)

 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気がバセドー病で、代謝が活発になって消費カロリーが増えるため食欲が増すが、それ以上に代謝が激しいので、急激にやせてきます。

 動悸(どうき)がする、汗をかきやすい、手が震えるなどの症状も伴います。男女比で見ると、約1対4で女性に多く、多くは20~50代で発症します。

■その他のケース■

拒食症(神経性食欲不振症)

 拒食症は若い女性に多く、肥満に対する強い不安などが原因で食欲不振になり、食べても自ら吐いてしまうこともあります。その結果、極度のやせ、無月経などを引き起こします。

 本人には、やせの自覚がないことが多い、とされています。

過度のダイエット

 減量を目的とした自己流の食事制限によって、栄養不足、摂取エネルギー不足に陥って、極端にやせるケースもあります。貧血や肝機能障害などの合併症を引き起こす危険性もあります。 

●心掛けたい「やせ」対策 

■症状に応じて専門医へ

 思い当たることがないのに、一カ月で2~3キロ以上体重が減ったら、念のため内科を受診しましょう。

 ほかに伴う症状があれば、下記の表を参考にして症状、状態に応じた専門医へ出向きましょう。

    症状、状態

   疑われる病気

  受診する科

口が渇く、多尿

糖尿病

内科(代謝内分泌科)

脈が速い、汗が出る

バセドー病(甲状腺機能亢進症)

内科(代謝内分泌科)

長期の下痢

消化管吸収障害、消化管腫瘍(しゅよう)、膵炎

内科(消化器内科)

微熱、せき、たん

肺結核

内科(呼吸器内科)

貧血、高血圧、吐き気

慢性腎不全

内科(腎臓内科)

すぐ満腹になる

通過障害、食道がん、胃がん

内科(消化器内科)

食べられない、食べても吐く

拒食症(神経性食欲不振症)

心療内科、精神科

下剤、利尿剤、甲状腺製剤による副作用

内科

■バランスのよい食事を

 医者の検査を受けても特に異常が見当たらなければ、バランスのよい食事を心掛けるようにすることです。

 全体の摂取カロリーに占める糖質、脂肪、蛋白質の割合は、およそ3対1対1になるのがよいとされています。特に牛乳、卵、大豆など良質の蛋白質を取りましょう。加えて、食事は一日3回、規則正しく取ることが大事です。 

■ストレスの発散を 

 ストレスが原因となって、やせるケースもあります。適度にストレスを発散しましょう。

■夏ばてでやせたら

 最近の夏ばての傾向として、体温調節機能の不調からくるケースが増えています。この不調は、冷房の利いた室内や車内と屋外の暑さとの温度差によって、引き起こされるものです。

 冷房で体が冷えると、血液循環が悪くなり、肩凝り、腰痛なども悪化します。体を内側から温めるショウガ、ネギ、サフラン、シナモンなどが入った温かい料理を取りたいもの。紅茶、カボチャ、エビ、牛肉も、体を温める食材とされています。

 一方、屋外などで多量に汗をかく人は、十分な水分、塩分に加え、豚肉、大豆製品、胚芽(はいが)米、ライ麦パン、ゴマ、ピーナツなど、ビタミンB1が多く含まれる食品を積極的に取りたいものです。

 ビタミンB1の吸収を助けるアリシンが多く含まれたニンニク、ニラ、タマネギなどを一緒に取ると、より効果的です。

 また、汗とともにビタミンCも失われるので、アセロラ、レモン、赤ピーマン、トマト、キウイなど、ビタミンCの豊富な果物や野菜がお勧めとなります。

 

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