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∥四百四病の事典∥


不整脈

■心臓の拍動のリズムに乱れが生じる疾患

 不整脈とは、一定感覚で行われている心臓の拍動のリズムに、何らかの原因によって乱れが生じる疾患。私たちが平常測っている脈拍は、心臓の拍動によって送り出された血液の流れにより動脈に伝えられて起こるもので、厳密には心拍数そのものではありません。

 血管系統の中心器官である心臓には、4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が、血液を受け入れる部屋です。下側の右心室と左心室が、血液を送り出す部屋です。4つの部屋がリズミカルに収縮することで、心臓は絶え間なく全身に血液を送り出すことができるのです。このリズムを作っているのが心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分で、1分間に60~80回の電気刺激を発生させて、心臓を規則正しく収縮させています。この電気刺激が正常に働かなくことによって、拍動のリズムに乱れが生じてしまいます。

 不整脈は、脈が不規則になる期外収縮、脈が速くなる頻脈性不整脈、脈がゆっくりになる徐脈性不整脈の3つに分類されます。  

 期外収縮は、いわゆる脈飛びを伴う不整脈です。平均的な心拍数を考えれば、1秒間に1回は必ず心臓が拍動していることになりますが、期外収縮では急に1秒飛んで2秒後に拍動するといったリズムの乱れを伴います。期外収縮の場合、症状が健康な人にもみられることがあるため窮迫した疾患ではないといえますが、発作が連続して起こる場合は危険といえます。原因として考えられるのは、心房がけいれんすることによって起こる心房細動。

 頻脈性不整脈は、1分間当たりの心拍数が100回を大きく上回る症状をみせます。人間の血液量は一定なので拍動する回数が多くなると、1回の拍動で送り出される血液量が少なくなり、血圧の低下を招きます。頻脈性不整脈を来す病態には、心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍、心室細動、WPW症候群などがあります。

 徐脈性不整脈は、1分間当たりの心拍数が40回以下まで下回る症状をみせます。血流量が減少するため、貧血を起こしやすくなります。徐脈性不整脈を来す病態には、洞不全症候群、房室ブロックがあります。

 不整脈で現れる症状は、不整脈の種類によって異なります。期外収縮では、めまいや動悸(どうき)などを伴います。頻脈性不整脈では、動悸や血圧の低下による息苦しさなどが起こります。短時間、胸が痛くなることもあります。徐脈性不整脈では、貧血やめまい、ふらつきなどの症状が現れ、息切れが起こったり、失神することもあります。

 不整脈の原因としてもっとも多いのは、加齢によるものです。年を取ると誰でも少しずつ不整脈になっていきます。次に、ストレス、過労、睡眠不足が原因になってきます。基本的には狭心症や心筋梗塞(こうそく)とは別の疾患ですが、すでに心臓の疾患があると、不整脈になりやすいのも事実です。また、頻脈性不整脈の原因となっているのは、心臓の動きにかかわる電流に過電流を起こす部位があるためである、という研究結果もあります。

 なお、脈が触れなくなった場合は、心室細動と心停止が考えられます。心室細動は不整脈の中でも危険な状態で、心臓の心室がけいれんを起こし、血流が停止し、意識がなくなります。1分間の心拍数は300~600回になるといわれ、心臓から血液が送られないため、すぐに意識を失い、数分で脳死が始まるともいわれています。すぐに心臓マッサージを開始しなければ死亡に至る大変、危険な状態です。

■不整脈の検査と診断と治療

 不整脈の症状は、その原因や発症部位によって異なりますが、重症な疾患に至る恐れがあるので、早期に専門医の診断を受ける必要があります。

 医師による不整脈の治療に当たっては、検査による症状の特定が重要になってきます。普通の心電図検査を中心に、胸部X線、血液検査、さらにホルター心電図、運動負荷検査、心臓超音波検査などが行われます。いずれの検査も、痛みは伴いません。

 ホルター心電図は、携帯式の小型の心電計を付けたまま帰宅してもらい、体を動かしている時や、寝ている時に心電図がどう変化するかをみる検査。長時間の記録ができ、不整脈の数がどれくらいあるか、危険な不整脈はないか、症状との関係はどうか、狭心症は出ていないかなどがわかります。とりわけ、日中に発作が起こりにくい不整脈を発見するのに効果を発揮します。

 運動負荷検査は、階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらったりする検査。運動によって不整脈がどのように変わるか、狭心症が出るかどうかをチェックします。心臓超音波検査は、心臓の形態や動きをみるもので、心臓に疾患があるかどうかが診断できます。

 不整脈の内科治療では、抗不整脈薬という心拍数を正常化する働きのある薬を中心に行われます。ただし、不整脈そのものを緩和、停止、予防する抗不整脈薬での治療は、症状を悪化させたり、別の不整脈を誘発したりする場合があり、慎重を要する治療法であるといえます。抗不整脈薬のほかに、抗血栓薬など不整脈の合併症を予防する薬なども用いられます。

 不整脈の外科治療では、徐脈性不整脈に対して、ペースメーカーの埋め込み手術などが行われます。ペースメーカーは、遅くなった自分の脈の代わりに、心臓の外から電気刺激を与える装置です。この装置の埋め込み手術は、肩の皮膚の下に電気刺激を発する小さな電池と、その刺激を心臓に伝えるリード線を入れるだけですから、局所麻酔で簡単にすますことができます。

 最近では、頻脈性不整脈に対して、体内に挿入したカテーテル(細い管)の先端から高周波を流し、心臓の過電流になっている部位を焼き切って正常化する、カテーテル・アブレーション法という新しい治療法が行われています。この治療法は、心臓の電位を測って映像化する技術が確立したことで実現しました。

 薬物療法に応じず、血行動態の急激な悪化を伴い心房粗細動、心室頻拍、心室細動などを生じる重症頻脈性不整脈に対しては、直流通電(DCショック)が行われます。また、慢性的に重症心室頻拍、心室細動の危険が持続する症状に対しては、植え込み型除細動器(ICD)の埋め込み手術も考慮されます。植え込み型除細動器は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置です。

 

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