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∥四百四病の事典∥


多形滲出性紅斑


■水っぽい紅斑が手足、ないし全身に多発する皮膚病

 多形滲出(しんしゅつ)性紅斑(こうはん)とは、手足の関節の背面に、あるいは全身にできる水っぽい紅斑。

 紅斑とは、血管が広がり、充血したために起こるもので、日焼けや軽いやけどの赤みも含みます。多形滲出性紅斑では、親指の頭くらいの円形から卵円形の紅斑が二重の輪郭を示し、辺縁が少し盛り上がり、中央がくぼんだ形をしたものや、平らなもの、紅斑の上に水疱(すいほう)やびらんを伴うものなどがあります。中心に白っぽい部分が残り、弓などの標的のような形になるのが特徴です

 この多形滲出性紅斑は、大きく3つのタイプに分けられます。

 第1は、手の甲から肘(ひじ)にかけてと、足の甲から膝(ひざ)にかけて、左右対称性に紅斑が生じる軽症のタイプです。かゆみはあるものの、全身的な症状はほとんどありません。若い女性に多くみられ、普通は2〜3週間で治りますが、春、秋に決まって数年間再発することもあります。

 第2は、紅斑が全身の皮膚の広い範囲に生じるやや重症のタイプです。紅斑が広がって環状となり、時には隣接した紅斑と一緒になって地図状となることがあります。発熱や口腔(こうくう)粘膜の症状を伴う場合もあります。

 第3は、口内炎や結膜炎など粘膜の病変を伴い、生命をも脅かす最も重症なタイプです。スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)とも呼ばれ、発熱とともに紅斑が現れ、水疱やびらんを伴います。口、目、陰部などの粘膜にも、高度のびらんがみられます。皮膚のびらんが体表面積の30パーセントを超えると、中毒性表皮壊死(えし)融解症とも呼ばれます。

 多形滲出性紅斑は、アレルギー性の疾患と考えられていますが、その原因はさまざまです。感染症、薬剤による影響、内臓の疾患が関係することもあります。

 紅斑が四肢に限られる軽症型では、感染アレルギーが考えられています。単純ヘルペスウイルスとの関連が明らかなケースもあります。全身に紅斑が多発するやや重症のタイプや、最重症のタイプのスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症では、薬剤が原因のことが多いとされています。肺炎マイコプラズマが原因と考えられるケースや、原因がわからないケースもあります。

■多形滲出性紅斑の検査と診断と治療

 紅斑が四肢だけで、発熱や粘膜症状がなければ、近くの皮膚科専門医を受診します。紅斑が広範囲に多発し水疱やびらんのある場合や、発熱や目の充血、唇、口内、陰部のびらんを伴う場合は重症と考えられますので、速やかに入院可能な総合病院の皮膚科を受診します。

 やや重症型の多形滲出性紅斑やスティーブンス・ジョンソン症候群が疑われる場合は、皮膚を数ミリ切り取って調べる病理組織検査である皮膚生検を緊急に行い、診断を確定する必要があります。麻疹や水痘(すいとう)などのウイルス感染症との区別が難しい場合にも、病理検査が役立ちます。

 多形滲出性紅斑の原因が薬剤であれば、疑わしい薬剤を中止するだけで快方に向かいます。原因がほかのものでも、軽症では塗り薬と内服薬で軽快しますが、重症な場合は副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の内服が必要なこともあります。

 病理検査の結果、スティーブンス・ジョンソン症候群の早期であれば、十分量の副腎皮質ステロイド剤の点滴注射が行われます。すでに広範囲の皮膚がびらんの状態であれば、重症のやけどに準じた治療になります。スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症では、死亡を免れても失明を含む目の後遺症を残すことがあります。

 

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