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∥四百四病の事典∥


脊椎分離症、脊椎すべり症



■脊椎が前後に分離、および椎体が前方へすべり出し

 脊椎(せきつい)分離症とは、脊椎が前方部分と後方部分に切れている状態。円柱状の椎体から出ている弓状の部分である椎弓が、上下の関節突起の間でひびが入ったり分離したりします。

 主に、第5腰椎に起こります。脊椎(背骨)の中でも腰椎は特に頑丈にできていますが、日常生活やさまざまな運動で強い力がかかることが多く、比較的弱い椎体と椎弓の結合部分にひびが入ったり、切れたりするのです。背筋が衰え、骨が弱くなっている中高年や、背筋や骨の形成が未成熟の小学校高学年に多くみられます。

 脊椎分離症で骨が前後に分離すると、体重や上体への荷重はすべて前方の椎体に集中してかかるために、やがて椎体が前方へすべり出すことがあります。これが脊椎すべり症です。

 脊椎すべり症は普通、脊椎分離症が前提にありますが、時には、分離症がないのに椎体がすべっているものがあります。これを無分離すべり症といいます。中年以降の人の第4、または第5腰椎に多くみられ、椎間板が薄く狭くなる椎間板変性や、変形性脊椎関節症の時に起こりやすいものです。

 脊椎分離症および脊椎すべり症の原因としては、先天性の骨形成の不全であるとする説が有力ですが、外傷による骨折で分離が生じることもあります。年齢的には、20歳ごろから症状が現れ、年を加えるにつれてひどくなる場合と、あまり進まない場合とがあります。

 分離があっても、多くのケースでは痛みがありません。分離した部分が動きすぎると、周囲の組織に炎症が発生し、痛みを感じることもあります。この場合は、脊椎の後方へ出っ張った骨の突起で、背中の正中線上の皮下に触れる骨である棘(きょく)突起を押すと痛み、また、体を動かすと痛むのが主症状。

 脊椎すべり症が強くなると、腰椎部の反りが強くなり、棘突起の配列に段差が生じ、腰痛だけでなく、下肢のほうにも頑固なしびれや痛みが出てきます。これは、神経の根元が圧迫されて起こる症状です。

 無分離すべり症では、ひどいすべり出しにならないので、神経を圧迫することはほとんどありませんが、変形性脊椎関節症があるために、局所の圧痛や運動痛が起こります。

■脊椎分離症、脊椎すべり症の検査と診断と治療

 腰の疲労感や鈍い痛みを感じたら、早めに整形外科を受診しましょう。脊椎分離症では、軽症ならば痛みがあまり感じられないこともあるため、無理をして悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。

 医師のよる治療では、安静、牽引(けんいん)療法、コルセット装着のほか、薬物療法などが行われます。手術が必要な場合には、椎弓の分離した部分を固定する分離部骨接合術や、骨を移植して、2つ以上の脊椎を癒着させて動かないようにする脊椎固定術などが行われます。

 脊椎分離症、脊椎すべり症の改善、予防に有効なのは、腹筋運動とストレッチです。腹筋が弱いと腹圧も弱く、腰が反り気味の姿勢になり、腰椎が前にすべりやすくなります。腹筋のトレーニングとともに、腰痛ベルトを併用するのもよいでしょう。中でも、腹圧を高めやすく、不用意に反る姿勢を制限できる幅の広いタイプの腰痛ベルトが、お勧めです。

 

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