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∥四百四病の事典∥


子宮頸管炎

■女性の半数以上が経験する炎症

 子宮頸管(けいかん)炎とは、子宮の下部にある頸管粘膜が病原菌に感染して、炎症が起きる病気。単独で起こることはまれで、多くみられるのは腟(ちつ)炎から菌が上ってきて、炎症を起こすケースです。

 子宮頸管は、女性性器の中で膣と同様、最も感染を受けやすいところです。腟を介して外界と直接通じていること、出産時や人工妊娠中絶時に頸管損傷を生じやすいこと、さらに感染に比較的弱い子宮腟部びらんが頸管の入り口に存在することなどが、その理由となっています。

 女性の半数以上は、この子宮頸管炎にかかった経験を持っているとされます。とりわけ、出産したことのある女性の場合では、六割以上に認められるとされているところです。

 原因となる菌として、従来は淋(りん)菌によるものが多かったのですが、最近では大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などの膣に存在する膣内常在菌と、性行為により感染するクラミジアによるものが多くなってきています。ほかに、結核菌による感染、出産や人工妊娠中絶などの子宮内操作に続発する細菌感染もあります。

 特に、クラミジアの感染による頸管炎は、比較的自覚症状が少ないことや、ピル(経口避妊薬)や避妊リングの普及、性の自由化と関連して、日本を含めた先進諸国で隠れた大流行があるといわれています。慢性化して不妊の原因になる場合もあります。

■急性、慢性別の症状と、抗生物質による治療

 子宮頸管炎は経過により、急性と慢性に分けられます。急性の場合の症状としては、子宮頸管部の入り口に細菌感染が起こると、頸管腺(せん)からの粘液分泌が増量し、しばしば膿(のう)性の下り物がみられます。頸管腺から分泌される粘液は本来、腟からの細菌感染を防ぐ一方、排卵期には、はしごの役割をなして、精子の貫通性をよくする働きをしているものです。

 また、頸管の粘膜が炎症でただれているので、セックスなどの後に出血することがあります。

 急性で炎症が激しい場合には、周囲にも炎症が及んで尿道炎、子宮内膜炎、骨盤腹膜炎を併発すると、排尿痛、下腹部痛、腰痛、発熱なども現れることもあります。急性の経過をとる代表的なものは、淋菌による頸管炎。

 慢性の場合には、炎症の持続的刺激により頸管腺の分泌が増し、頸管腺の組織も増殖し、子宮頸部も肥大してきます。そのため、ネバネバした濃い黄白色の下り物が頑固に続きます。時には、慢性的に炎症が周囲に及ぶため、腰痛や性交痛を生ずることもあります。

 医師による治療では、炎症を起こしている原因菌を突き止め、症状に応じて抗生物質の内服、点滴、腟内投与が行われます。実際は、抗生物質を内服してもなかなか薬剤が頸管部まで到達しないことが多く、直接、膣の中に抗生物質を含んだ座薬を入れることになります。

 炎症が軽く、下り物もあまり多くなければ、放置しておいてもかまいません。クラミジア感染による場合は、パートナーも一緒に治療を受けることが必要となります。

 

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