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∥四百四病の事典∥
「花粉症」は「アレルギー性鼻炎」、「枯草熱」、「花粉熱」、あるいは「花粉によるアレルギー性鼻炎」、「季節性アレルギー性鼻炎」ともいわれ、ある種の植物の雄しべの中にある花粉を吸入するためにかかるアレルギー性疾患の一種です。起こす症状はくしゃみ、鼻水(水性鼻汁)、鼻詰まり(鼻閉)、喘息(ぜんそく)、目のかゆみ、結膜炎など。
病気の始まりは、突然です。多くは春先のある日、昨年までは何の症状もなかった人が、立て続けのくしゃみと止まらない鼻水に悩まされるようになるのです。その症状は、花粉が飛ぶ春から夏の間にかけて続き、花粉がなくなると自然に治まってきます。
しかしながら、一度症状が出ると翌年以降、雄性の配偶体である花粉が飛来する季節の到来とともに、再び症状が出始めます。
この花粉症はかなり最近の病気で、昭和36年(1961年)に、日本で初めてブタクサによる花粉症患者が発見され、その2年後にスギ花粉症患者が発見されました。
以来、花粉症患者は、都市化が進むとともに増え続ける一方で、今や日本人の10人に1人が花粉症だといわれています。20~40歳代に多く、また女性により多い病気と見なされています。
■花粉症にかかりやすい人
困ったことに、大人になってからでも突然発症する花粉症は、いったい、どんな人がかかりやすい病気なのでしょうか。
アレルギー体質の傾向が強い人 |
アトピー、食物アレルギー、小児喘息などがあって、一般にアレルギー体質の傾向が強い人が、かかることが多いとされている。 特に、ダニの死骸などのハウスダストに対してアレルギーがある子供の70~80%は、花粉症もあるという。逆に、アレルギーがない子供の花粉症は、30%以下。 アレルギー体質と花粉症には、明らかな関係があるようだ。 |
生活が乱れている人 |
例えば、食生活が乱れ、インスタント食品やコンビニ食品、ファーストフード、スナック菓子ばかりを食べている人は、要注意。こうしたものには添加物も多く、アレルギーへの影響が大きいといわれている。また、肉などの蛋白質のとりすぎも、アレルギー体質になりやすいとか。 ほかに、睡眠不足、生活時間が不規則な場合も、自律神経が乱れ、免疫機能が正常に働かなくなるため、アレルギーを引き起こす原因になる。もちろん、ストレスもその立派な原因の一つ。 |
都市的な生活をしている人 |
周りの道路はアスファルトで舗装されて、車両の往来が激しく、コンクリートの建物が多い環境の上、気密性の高いマンションに住んでいたり、ビルで働いている人など。 特に、自動車の排気ガスによる大気汚染は、花粉症の増加につながる原因。実際、スギ花粉の飛散数が多い非汚染地区より、飛散数が少ない大気汚染地区のほうが、スギ花粉症を訴える人が多いケースがある。 |
■花粉症は遺伝するのか
蕁麻疹(じんましん)や気管支喘息に代表されるアレルギー性の病気には、遺伝が深く関わっています。つまり、花粉症にも遺伝が関わっているのです。
両親にスギ花粉症がある場合、子供がかかる可能性は55~60%、片親だけが花粉症の場合の子供の可能性は30~50%、両親ともに花粉症でない場合の可能性は10~30というデータもあります。
しかし、アレルギー性の病気の発症は、遺伝のみで決定されるものではありません。生活習慣や環境にも、大きく左右されます。
●花粉症の原因となる植物
■日本は8割がスギ花粉症
花粉症の主な原因は、一般に風によって受粉する花粉。スギ花粉はその代表で、花粉症患者の約8割を占めているといわれています。
その他にも原因となる植物があり、中でもヒノキ花粉はスギ花粉とよく似た糖たんぱく構造をしており、スギ花粉に反応する人はヒノキ花粉にも反応しやすいのです。
スギ、ヒノキのほか、イネ科、ブタクサの花粉症も多く見られます。本州、四国、九州ではスギ花粉症が中心ですが、北海道ではイネ科、ヨモギ、カバノキ科の花粉症が多くなります。そのほか果樹園やハウス栽培などで働く人には、職業性花粉症が起こることもあります。
また、世界的に見れば、地域に生育する植物の花粉が原因で起こる病気のため、同じ花粉症といってもお国ぶりが見られます。日本の約8割はスギ花粉症ですが、アメリカではブタクサ、ヨーロッパではイネ科、北ヨーロッパではカバノキ科が中心となっています。
■花粉症を起こす主な植物
木本花粉 |
スギ科(スギ) ヒノキ科(ヒノキ) カバノキ科(シラカバ、ハンノキ、オオハシバミ) ブナ科(ブナ、コナラ、クヌギ、クリ) ニレ科(ケヤキ、アキニレ、オヒョウ、エノキ、ムクノキ) |
草本花粉 |
イネ科(カモガヤ、ススキノテッポウ) キク科(ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ) クワ科(カナムグラ) |
■地域で特徴的な花粉症の原因植物
北海道 |
イネ科、シラカバ、テンサイ |
東北 |
スギ、イネ科、リンゴ、サクランボ |
北陸 |
ハンノキ |
中部 |
ヒノキ、クルミ |
関東 |
スギ、ケヤキ、イチョウ |
近畿 |
ウメ |
中国 |
オオバヤシャブシ、ネズ、モモ、ジョチュウギク |
四国 |
オリーブ |
九州 |
カラムシ |
■花粉が飛び散る時期
原因となる植物の花が咲き、花粉が飛び始める頃に、花粉症も始まります。花粉の飛ぶ時期は地域によって異なり、また、開花前の気温が高いほど早くなります。
スギ花粉の平均的な飛散開始時期は、九州や四国の南部が2月上旬、関東南部が2月中旬、関東北部が2月下旬、東北地方は3月で、気温の上昇に伴って増加し、1カ月ほどでピークを迎えます。
このスギの花が開くのは、昼間、気温が高くなった時間帯です。しかし、空中の花粉は、昼間は上昇気流に乗って上空に運ばれ、夜に再び落ちてきます。だから、前線の通過などがなく天気が安定している限り、スギ花粉が多いのは昼過ぎと日没頃になります。
ヒノキ花粉の飛ぶ時期は、スギ花粉より3~4週間遅く、ブタクサやヨモギは8~9月が中心です。
また、毎日の花粉の飛散量は、その日の天気に大きく左右されます。天気がよく暖かい日には多くなり、雨の日や湿度の高い日は少なくなります。
●飛び始める前の予防が大切
花粉症対策で、何より大切なのは「予防」です。毎年の予防対策の違いで、この先、どんどんつらくなっていくのか、楽になっていくのか、症状の分かれ道になります。
なぜ、早めの対策が必要なのでしょう。
■症状が軽くなる
予防を講じない |
症状が始まると、坂を転がるように加速し、どんどん悪化する可能性がある。 しかも、その年だけではない。一般的にアレルギーは、対策を講じないと年々ひどくなる病気だ。 |
早めに予防する |
発症する前に、坂を転がりにくくなるよう予防や治療を始めると、何もしない時に比べて、ずっと楽に。 しかも、その年だけでなく、年々悪くなるのを食い止められる。 |
■軽い薬の使用ですむ
症状が出始めてしまったら、強めの薬でなければ治まりにくいものです。あるいは、強い薬でも治まらない場合も多いものです。それよりも、早めの軽い薬で悪くしないようにするほうが、安心です。
始まってからの強い薬 |
悪化した場合、多量に使っても効かないこともあり、 副作用が強く出る可能性もなきにしもあらず。 |
始まる前の軽い薬 |
症状全般が悪化しにくいので、楽。ただし、効き目が出るのには時間がかかる。 また、予防をしていても、一部に強い症状が出ることはある。しかし、その時に使う「強めの薬」も、予防しない時より少なくてすむ。 |
●こんなことから始めてみよう!
■花粉が飛び出してからの対策
花粉症対策の基本中の基本は、花粉と接触しないことです。少しでも飛散が始まったならば、「まだ大丈夫」と油断しないで、掃除や外出時対策の習慣を身に着けたいものです。
特に花粉の飛散時期には、花粉症の人も、そうでない人も、1日1回必ず掃除を行うことを心掛けたいものです。
その理由は、
花粉に接触しないため |
部屋を閉め切っていても入ってくるのが花粉。これを除去するためにも、飛散量が多い時期はできれば毎日掃除したい。 |
ダニに要注意! |
ダニの死骸やフンは、あらゆるアレルギーの下地になりやすい。特に、花粉症で粘膜がデリケートになっている時期は、花粉でなくても刺激となってしまうので、注意して除去したい。 |
同じ掃除でも、ちょっとの工夫で大きな差が出ます。目に見えない花粉だからこそ、「知恵」を使ってたくさん追い出したいものです。
*掃除は朝のうちに
花粉が日中多く飛ぶのは、主に午前9時~午後3時。その時間を避けて掃除したいものです。特に朝、まだ人が動いていない時には、ホコリも花粉も舞い上がっておらず、床に落ちているので効率的。
*排気は窓の外へ
掃除機を使う際には、ホースを付け足して長くし、本体は外に出しながら使うことがお勧めです。
*風の強い日は、掃除の際も窓を開けない
最近は、排気循環型の掃除機や、フィルターの細かいものも売られているので、そうしたものを選ぶのもよいでしょう。
*空気を湿らせてから
乾燥していると、ホコリも花粉も舞い上がりやすいもの。加湿器などで湿度を上げてからのほうが、より効果的です。もっと望ましい方法は、濡れ雑巾やモップを使う掃除です。
*空気清浄器も活用
掃除をしてもフワフワ空気中に漂っている見えない花粉は、空気清浄器などで除去を。
*フィルターをこまめに掃除
他にも、こんな工夫で家から花粉を追い出しましょう。
*床をフローリングに
じゅうたんやタタミは、知らない間に花粉もホコリもダニもたまりやすいもの。できれば取り除き、フローリングにしたいものです。
*飛散時には布団や洗濯物を外に干さない
花粉が多く飛ぶ午前9時~午後3時の時間帯は、室内で乾かすか、乾燥機などを使いましょう。
*布団に掃除機を
布団を干した後、できればアトピー用のローラーなどをつけた掃除機をかけると、とても効果的です。
*布団や家具を選ぶ
毛足が長い寝具やソファーなどの家具は、フワフワして気持ちよさそうですが、花粉やホコリ、ダニがたまりやすいものです。ツルツルした手触りのものに変えるのが、無難です。
*アレルギーにはシンプルな生活
植物や置き物、ぬいぐるみなどが飾ってある部屋は、アットホームな感じで素敵ですが、どうしても花粉、ホコリ、ダニの居場所が多いという欠点も伴います。和風や超モダンの、究極のシンプル・ライフを目指したいものです。
●アレルギーの大敵は疲労
花粉症というと、とかく「花粉」ばかりに注意がゆきがちですが、それと同じくらいに大切なのが、自らの体調を整えることです。
■体の抵抗力を付ける
治療をうまく効かせるために、絶対に必要なのがその地盤づくりであり、自分の体そのものが弱っていては、花粉症には対抗できません。
アレルギーに強い体をつくり、自律神経のバランスがよいと、花粉(アレルゲン)が入ってきて、IgE抗体(免疫グロブリンE)に結合しても、花粉症(アレルギー症状)が起こらないこともあります。免疫系が正常に保たれ、過剰な反応をしないからです。
■疲れをためると…
副交感神経の緊張が高まったり、交感神経が抑えられていたりすると、肥満細胞からヒスタミンが放出されやすくなり、症状が出やすくなります。
■体調を整え、自律神経を鍛えるには?
睡眠 |
花粉が飛び散る前から、なるべく規則的に十分とる。昼寝ができる環境なら、昼寝も OK。 |
体力 |
春は何かと忙しい時期だが、定期的に行っている運動は続けよう。そして、きちんと食べる心掛けを。 |
有酸素運動 |
普段から、鼻で呼吸できる、軽い有酸素運動の実践を。自律神経が整い、アレルギー反応を抑えやすくなる。鼻の粘膜の鍛練にもなり、鼻詰まりが改善。ただし、花粉が飛び始めてしまったら、ピーク時は、外で吸い込まないようにする。 |
ストレス |
バラバラの生活リズムは、体を疲れさせ、花粉症の発症や悪化に確実につながる。一定のリズムを維持することで、体にストレスを与えず、疲労をためない心掛けを。 |
刺激物 |
鼻詰まりをひどくするので、からい食べ物、アルコールなどは控える。蛋白質のとりすぎにも、要注意。 |
たばこ |
直接、鼻や目の粘膜を刺激するので、できるだけ禁煙、節煙を。 |
■心のストレスにも注意を
心のストレスも、花粉症などのアレルギー因子の大きな1つと考えられています。
体の免疫細胞は脳の信号を受け取ることができるという、免疫系と脳神経系の科学的なレベルでの相関関係も最近、分かってきているところで、アレルギーだけでなく、ウイルスや細菌、がんなど人間の病気の多くは、免疫機能が関係しています。
こうしたことが解明されるにつれ、心のストレス解消の重要さが、今後ますますクローズアップされてくるでしょう。
●専門医による治療について
先に花粉の平均的な飛散開始時期について触れましたが、早い年だと、スギ花粉は1月末~2月に少しずつ飛び始めます。花粉症はアレルギー性疾患の一種ですから、花粉に接触したら発症し始めてしまいます。
予防するなら、その前からでなければ駄目です。主な治療法は投薬ですが、ほかにも手術、体質改善(減感作療法)などがあります。
【花粉飛散シーズンの薬物療法】
花粉症の治療は、三つに分けられます。症状が現れることを防ぐ初期治療、症状が現れた後、速効性があり、かつ強力な治療で症状を抑制する導入療法、そして、症状の再現を抑える維持療法です。
実際の治療は、花粉症の患者さんが病院へ来院した時期および症状の重症度によって、どの段階の治療から開始するかを決めることになります。
1.初期療法
症状の出ていない花粉症の患者さんには、花粉の飛散開始日を基準として、その2週間程度前から化学物質遊離抑制薬を投与する予防的治療から始めます。化学物質遊離抑制薬がアレルギー症状を抑制する効果を発揮するためには、2週間程度、毎日服用することが、必要なためです。
また、軽微な症状が出てからの治療は、第2世代抗ヒスタミン薬での治療になります。ただし、この薬での治療も花粉の飛散開始日から大量飛散日の間までで、この期間に治療を開始すれば約1週間で予防的治療を開始した患者さんと同等の効果が得ることができます。
2. 導入療法
現状では花粉症の患者さんの多くは、早期に受診するのではなく、症状が重くなってから受診しています。そのため、これらの患者さんには、現在ある症状を抑制する強力な治療、例えば短期間のステロイド剤の内服が必要となります。なお、症状が治まってきたら、もう少し軽い薬での治療に切り替えます。
3. 維持療法
花粉症の治療では、症状が消失しても花粉の飛散が終わるまで使用している薬剤での治療を続けることが、重要になります。これが、維持療法です。
■花粉症に用いる主な薬剤
分 類 |
特 徴 |
化学物質遊離抑制薬 (従来の酸性抗アレルギー薬) |
・抗ヒスタミン作用のない、アレルギー症状を起こす化学伝達物質を抑制する抗アレルギー作用を持つ薬。 ・花粉症のシーズン前の投与が有効。(効果が出てくるまでに、2週間程度かかるため) |
第1世代抗ヒスタミン薬 (従来の抗ヒスタミン薬) |
・抗ヒスタミン作用のみで抗アレルギー作用はない薬。 ・即効性(20分程度で効果現れる)だが、眠気を伴う。 |
第2世代抗ヒスタミン薬 (従来の塩基性抗アレルギー薬) |
・抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用を持つ薬。 ・眠気を伴うことは比較的少ない。 ・抗ヒスタミン作用は早く現れるが、抗アレルギー作用は効果が出てくるまでに約2週間かかる。 ・花粉症に対しては抗ヒスタミン作用が主。 |
サイトカイン阻害剤 |
・アレルギー発症に関するサイトカインの生成を阻害する薬。 |
ロイコトリエン受容体拮抗薬 |
・化学伝達物質の1つ、ロイコトリエンの作用を抑制する薬です。 ・通年性アレルギーでは鼻閉に有効ですが、花粉症には不明です。 |
トロンボキサン受容体拮抗薬 |
・化学伝達物質の1つ、ロイコトリエンの作用を抑制する薬。 ・通年性アレルギーでは鼻閉に有効だが、花粉症には不明である。 |
局所ステロイド薬 |
・くしゃみ、鼻水、鼻閉にも効果が高く、効果が出てくるまでに1~2日と即効性のある薬。 ・血管内へ吸収されにくく、局所で分解を受けやすいため全身投与に比べ副作用の出てくることはまれだが、鼻内刺激感、鼻内乾燥感、鼻出血などがある。 |
経口ステロイド薬 |
・強力な抗炎症作用がある薬。 ・副作用に注意し、短期間もしくは症状が出た時、投与する。 |
【シーズンに無関係の治療法】
1. 減感作療法(免疫療法)
「感作」とは体の中に抗体ができるという意味で、「減感作」とは抗体が減ることをいいますが、この治療をして症状がよくなっても、それに応じて抗体が減りません。体の免疫状態に変化が起こるため、最近では「免疫療法」という言葉が多く使われています。
花粉症シーズンの薬による治療は、薬の服用を中止すれば1~2週間で薬の効果は切れてしまいます。しかし、免疫療法は中止後の効果が5~10年、あるいはそれ以上続くのが特徴で、現在では花粉症の治癒を期待できる唯一の治療法です。
抗原エキスを微量ずつ、間隔をあけて注射することを約2~3年続けると、効果が現れてきます。飛散後からスタートし、初め半年間は週1~2回、さらに2年以上月1回の注射と、治療が長期間にわたること、効果がすぐに現れないこと、行える専門医が限られていることが欠点ですが、免疫療法終了5年後では、治療を受けた約70%から75%の方の症状が軽くなり、薬がほとんどいらない状態になっています。
対処療法ではなく、根気よく体を徐々にスギ花粉に慣れさせて過剰反応せず、アレルギーを起こさない体質に変えて、薬なしも望める治療法は、現在、この方法だけなのです。
2. 手術
鼻詰まりの症状が薬ではよくならない時は、手術をすることがあります。繰り返す発作のため鼻の粘膜がケロイドのようになってしまった人(肥厚性鼻炎)や、先天的に鼻の骨が曲がっていて鼻詰まりを起こしている人(鼻中隔弯曲症)などが、対象となります。
手軽で、効果的なレーザー手術という選択もあります。 鼻の粘膜をレーザーでやんわりと焼く施術で 、時間も1回5~20分間ですから日帰りができ、出血や痛みもありません。
70~80%の効果が期待されますが、手術は症状を「抑える」だけで、花粉症を根本から「治す」ものではないことは、知っておきたいものです。レーザー手術後の約1週間は、一時的に鼻詰まりがかえって強く起きることもあります。
また、花粉の飛散が始まり、発症してからでは手術を受けられないことがありますので早めに予約し、1月には済ませてしまいたいところです。
3. 漢方療法(体質改善)
漢方薬は、花粉症に対しては局所症状だけでなく、全身の体質改善も期待できるということで、使われることがあります。具体的には、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、葛根湯加辛夷川(カッコントウカセンキュウシンイ)など、たくさんあります。
しかし、他の病気の場合と同様に花粉症の場合も、患者さん本人の体質に合った漢方薬を処方してもらう必要が、当然あります。
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