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∥四百四病の事典∥


アレルギー性結膜炎

■付着した異物に対するアレルギー反応で、結膜に起こる炎症

 アレルギー性結膜炎とは、外から入ってくる異物に対して過剰に反応するアレルギーによって、結膜に炎症の起こる疾患。アレルギー反応を起こしやすいアトピー体質の人は、起こりやすくなります。

 結膜とは、上下のまぶたの裏側と白目の表面を覆っている半透明の薄い膜で、皮膚に似た構造をしています。細かい血管が豊富に存在し、リンパ組織という免疫反応を起こす組織もあるため、外から異物が付着すると炎症反応が起こります。その結果、充血やかゆみ、流涙などの症状が出現します。

 目のアレルギーを起こす原因物質としては、花粉、ハウスダストといわれるダニやかび、動物の毛やふけなどが代表的。

 このアレルギー性結膜炎には、季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)、通年性アレルギー性結膜炎(ハウスダストによるアレルギー性結膜炎)、春季カタルのほか、目薬などの薬品や化粧品、コンタクトレンズに関連するものがあります。

 季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)は、花粉が主な原因となって特定の季節にのみ起こり、その季節が過ぎれば自然に治ります。花粉症を起こす植物としては、春先に多いスギ、ヒノキ、5〜6月に多いカモガヤ、ハルガヤ、秋に多いブタクサ、ヨモギなどが知られています。

 花粉そのものが毒性を持っているわけではありませんが、花粉が体に入ってくると、好酸球という細胞が過剰に反応して、ヒスタミンなどの化学伝達物質をたくさん作ってしまうことが原因です。

 症状としては、かゆみが強く、結膜充血、浮腫(ふしゅ)、異物感、目やに、まぶたのはれなどがみられます。結膜のほか、黒目の表面を覆っている角膜にも軽い傷ができることもあります。角膜病変があれば、視力低下が起こります。目以外に、くしゃみ、鼻水を伴うこともあります。

 通年性アレルギー性結膜炎(ハウスダストによるアレルギー性結膜炎)は、年間を通して慢性的にみられる結膜炎で、室内のほこり、ダニ、かび、ペットの毛など、常に身の回りにあるハウスダストが原因となって起こります。

 保湿性が高く、通気性の悪い住宅環境などによって起こりやすくなります。症状は、季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)と同様です。

 春季カタルは、アレルギー性結膜炎の慢性重症型です。小学生の男子に多く見られ、特に10歳以下で湿疹(しっしん)や喘息(ぜんそく)、季節性アレルギーのある男子に多いのが特徴です。何が症状を誘発するのかまだはっきりわかっていませんが、ハウスダストないし花粉が原因となっていることが多いとされています。

 目のかゆみが非常に強い上、上まぶたの裏側に多数の突起が石垣のように並ぶこともあります。角膜の表面に多くの小さな傷ができることもあり、異物感が強く、光をまぶしく感じます。炎症が強い時は、角膜に白い濁りができることがあります。ひどくなると、白く濁った部分がはがれ落ちて、角膜潰瘍(かいよう)という状態になります。

 春季カタルは症状が悪くなったり、軽くなったりしながら、毎年繰り返すことが多いものの、普通は青年期までに自然に治ります。アトピー性皮膚炎を合併した場合は、20歳代でも強い症状がみられることもあります。

 コンタクトレンズによるアレルギー性結膜炎は、近年、発症者が急増しているもので、巨大乳頭結膜炎とも呼ばれています。目がかゆく、目やにが増え、進行すると上まぶたの裏側に、乳頭と呼ばれるぶつぶつができます。汚れたコンタクトレンズを装用することで引き起こされ、特にソフトレンズはハードレンズに比べて汚れが付着しやすいため、巨大乳頭結膜炎を生じる頻度が高くなります。ほかのアレルギー性結膜炎にかかっている人がコンタクトレンズを装用すると、コンタクトレンズの刺激によって症状がひどくなります。

■アレルギー性結膜炎の検査と診断と治療

 アレルギー性結膜炎を確実に判断するためには、眼科専門医の診察、治療を受ける必要があります。

 医師は通常、充血やかゆみなどの症状や結膜の状態から、容易に診断することができます。目やにや、結膜をこすり取ったサンプルを顕微鏡で調べ、好酸球という細胞が見付かれば、確実にアレルギー性結膜炎と診断できます。アレルギーを起こしている原因物質を調べる方法には、針先などで腕の皮膚に小さな傷を付けて、そこにアレルギーの原因と思われる物質の入った液体を落とし、赤くなるかどうかを見るスクラッチテストや、血液検査などがあります。

 治療では、まず目薬を使います。目薬にはいろいろな種類がありますが、主として抗アレルギー剤の目薬を使用し、一般に1回1~2滴を1日3~4回点眼します。

 季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)の場合、あらかじめ季節が判明している時には、花粉が飛散する2週間前くらいから点眼し始めると、かゆみなどの症状の出現を予防したり、軽くしたりすることができます。

 症状が重い場合には、ステロイド剤の目薬を使う場合もあります。この目薬は、症状を抑える効果が強い一方、眼圧を上昇させるなどの副作用が出やすいので、眼科に通院しながら注意深く使う必要があります。

 目薬だけで症状が治まらない場合には、抗アレルギー剤を内服することもあります。春季カタルなどの重症例では、少量のステロイド剤を内服したり、結膜へのステロイド剤の注射などを併用したりすることもあります。

 以上の治療法は、症状を抑える対症療法といわれる方法です。これに対し、アレルギーのそのものを改善する方法として、減感作療法という治療法があります。アレルギーの原因が検査で明らかである場合に、その原因物質を低い濃度から徐々に高い濃度へ半年ぐらいかけて注射することにより、アレルギー反応を起こさないようにするものです。

 コンタクトレンズ関連のアレルギー性結膜炎の場合は、いったんコンタクトレンズの装用を中止して前記の治療を行い、治ってから装用を再開します。レンズの種類としては、ハードコンタクトレンズか使い捨てのソフトコンタクトレンズがよいでしょう。ソフトコンタクトレンズを装用する場合は、コンタクトレンズの装用時間の短縮、つけおき洗浄からクリーナーによるこすり洗いへの変更、煮沸消毒からコールド消毒への変更、連続装用の中止など、毎日の適切なレンズケアにより対処します。同時に、医師による定期検査が勧められます。

 アレルギー性結膜炎の予防方法としては、花粉症の場合、症状の出現しやすい季節にできるだけ花粉と接しないように工夫することが重要です。ゴーグル型の眼鏡や花粉防止用のマスクの着用が最も効果的。花粉が飛びやすい日には、外出や洗濯物などを外に干すことを避けたり、外出から帰宅した時には服についた花粉を十分に落とすようにします。

 目を洗うことは、目を傷付けてしまうこともあるためあまり勧められません。洗顔して目の回りを洗うことはよいでしょう。

 ハウスダストの場合、部屋の清潔と通気を心掛けたり、寝具をこまめに干したりするのが効果的です。空気洗浄器を置いたり、エアコンのフィルターをよく洗うのもよいでしょう。また、犬、猫、小鳥などを屋内で飼うことは避けたほうがよいでしょう。

 

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