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リパーゼ
リパーゼとは、 体内の脂肪を分解する酵素で、いわゆる消化酵素の一つ。脂肪を脂肪酸とグリセリンに加水分解し、また逆反応にも働きます。
生物界に広く存在し、動物の胃液、膵液(すいえき)、腸液、脂肪組織などや、ケシ科、アブラナ科、キンポウゲ科などの植物の種子、コウジカビ類などの菌類、ブドウ球菌類などの細菌にも見いだされています。
リパーゼは近年、メタボリックシンドロームの大きなリスクファクターとして危険視されている内臓脂肪や、皮下脂肪などの体脂肪を減少させる働きを持つ酵素として、注目されています。
食べ物で摂取した脂質は、脂肪分解酵素であるリパーゼによってカイロミクロンという成分に変わります。このカイロミクロンは、骨格筋によって代謝され、尿などに排出されます。しかし、食べ物の摂取量が多いとカイロミクロンの代謝が追い付かずに、脂肪細胞に取り込まれて肥満の原因になります。また、食べすぎや飲みすぎ、体調不良の時などは、消化器官の機能が落ちるためにリパーゼの分泌量が減り、食べ物で摂取した脂質の消化や吸収が困難になり、肥満の原因になります。
必要以上に蓄えられた体脂肪は、さまざまな病気を引き起こす原因となるので、 早くエネルギーとして燃やしてしまわなれければなりません。しかし、ただ運動をしただけではなかなか体脂肪は燃えてくれません。リパーゼを働かせるためには、有酸素運動で体を温めなくてはなりません。
通常、人間が散歩などの有酸素運動をすると、血中のエネルギーがまず使用され、次に筋グリコーゲン、肝臓のグルコースの糖質がエネルギーとして消化され、さらにリパーゼが働いて脂肪の分解が始まります。リパーゼは低温では脂肪を分解する働きが鈍いという性質があり、体温上昇が筋肉の内側から表面まで伝わってきて、 通常体温から1〜2度上がったくらいが、活性化する適温ラインです。
有酸素運動を始めてうっすら汗をかき始めるのが、15〜20分後。そのころ、体内の温度は1〜2度アップして、体脂肪内にあるリパーゼの働きにより、体脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解され始め、これが血液によって筋肉に運ばれ、エネルギーとして消費されるのです。
リパーゼの活性を早める方法としては、体温を上昇させる入浴やマッサージも役立つといわれます。リパーゼを含んでいる納豆、とうもろこし、落花生を摂取したり、消化器官にかかる負荷を軽減して栄養の吸収作用を高めるためのサプリメントや、脂肪分の吸収を抑制するダイエットサプリメントを摂取することも有効です。それらのサプリメントには、リパーゼが原材料として使われています。
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