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痒疹

赤い発疹が体に散在し、非常にかゆい皮膚病

痒疹(ようしん)とは、非常にかゆい赤い発疹が、体のいろいろなところに、離ればなれにできる皮膚病。

体のいろいろなところに、一つひとつの硬いはっきりしたボツボツができますが、お互いにくっつくことなく、いつまでも独立したままです。かくと病状が悪化し、強いかゆみのために眠れなくなることもあります。移る疾患ではありません。

原因は人によって異なり、虫刺されで起こるもの、アトピー性皮膚炎に伴うもの、内臓の疾患などと関係のあるもの、妊娠に伴うもの、原因不明のものなどがあります。

虫刺されの場合は、刺された跡をかいている間に、いわゆるストロフルスと呼ばれる水っぽい丘疹となり、さらにかいている間に、硬い結節になる型と、虫刺されが一度治ってから、数カ月から半年後に再びかゆくなってくる型があります。前者を急性痒疹、後者を慢性痒疹、結節性痒疹、固定じんましんとも呼びます。急性痒疹は、主として5歳以下の乳幼児に起こります。

アトピー性皮膚炎に伴うものは、小児や成人に多く、湿疹病変を長期間かいている間に、胴体や四肢に大豆大までの暗赤褐色の、硬い、いぼ状の小結節が多発します。これをベニエ痒疹とも呼びます。

内臓の疾患などと関係のあるものには、中年以後の人の腰や下腹部を中心に、小さい丘疹状の痒疹が多発するものがあります。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴って現れると見なされています。

妊娠に伴うものは、妊娠3〜4カ月以降に主として四肢に激しい発作性のかゆみが生じ、かゆみを伴う丘疹が四肢、腹部、背部に多発します。初回妊娠で発症することもありますが、ほとんど2回目以降の妊娠で発症するという特徴があります。一般に、出産の度に再発を繰り返すことが多く、出産後は軽快するのも特徴です。これを妊娠性痒疹とも呼びます。

痒疹の検査と診断と治療

診断は、特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査で、診断は確定します。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患に伴って現れることもあるため、血液検査を行うこともあります。

中年以後の人では、内臓の疾患などとの関係を見付けることが治療につながる重要な点です。原因を発見できない時には慢性となり、長年に渡って続くことがあります。

治療としては、発疹にはステロイド外用剤が使われます。かゆみが強い場合は、抗アレルギー剤の内服が行われます。治りにくい場合は、発疹部にステロイド含有テープを張ったり、ステロイド注射液を直接注射することもあります。紫外線療法や液体窒素を使った冷凍療法、シクロスポリンの内服が効果的な場合もあります。なお、妊娠性の場合は胎児への影響も考え、内服は控えることが多くなります。

胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴ってみられる場合は、こうした疾患を治療することも必要です。

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