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薬害エイズ
1980年代に、エイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス、HIV)が混入した非加熱濃縮血液製剤が販売され、投与された血友病患者らに感染が広がりました。日本国内で、600人を超える死者が出ました。
薬害エイズの原因は、エイズウイルスに感染したと推定される外国の供血者からの血液を原料に製造された血液凝固因子製剤を、加熱処理によってウイルスの不活性化を行わないまま、製薬会社が製造、販売し、国が承認し、医療機関が治療に使用したことです。
ウイルスを加熱処理で不活性化した物を加熱製剤と呼ぶのに対し、従前の非加熱で薬害の原因となった物を非加熱製剤と呼びます。加熱製剤が開発された後も、日本では2年4カ月以上もの間、承認されず、非加熱製剤を使い続けたために、多数のエイズウイルス感染者およびエイズ患者を生み出しました。加熱製剤の承認は、1985年12月。
また、日本では、人口に比べて世界の血液製剤消費に占める割合が高く、安易に治療に用いる傾向があります。その結果として、血友病だけでなく各種の病気や手術後の出血予防に血液製剤を投与し、感染被害を拡大することになりました。
1989年、薬害エイズの被害者らが国と製薬会社に損害賠償を求めて起こした民事訴訟では、1996年に国と製薬会社が原告一人当たり4500万円を支払うことで和解が成立。厚生労働省のまとめでは、合意に基づいて1382人が和解しました。
なお、薬害エイズ被害の反省を踏まえて2003年、医療用の血液の国内自給を強調する血液法が施行され、自給率は上向き、血液製剤の使いすぎも少しずつ是正されています。
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